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私の色を取り戻せという話

それは純粋にして尊き色。
何より熱くて静かな炎が、
昼と夜の境に世界を覆う。

以前……もう3年ほど前になるのか、オーラの色が視えるという方に会ったことがある。その人の中で最も割合の多い一色のみ視えるらしく、「〇〇さんは赤、〇〇さんは黄」とか、そんな感じだ。
例にもれず、私の色も視てもらった。するとその方は片目を手で覆い、何やら不思議そうにしてから、「案山子さんは……青、と緑っすね」と教えてくれた。はて、私の聞き間違いでなければ2色出てきた気がする。程なくして「これは……どっちだろうなぁ」と呟いた。どういうことかと問うと、私のオーラは全体的には青で間違いないが、内側から緑が滲み出しているらしい。そして「どっちだろう」という言葉の意味も、①元々2色持っている ②青から緑に変化しつつある のどちらかだろうと。その当時の私といえば、ちょうど新卒から続けてきたSEを辞めて営業に転向していた。そういう意味では、仕事や生活など環境の変化からオーラが変異した可能性は十分考えられる(らしい)。

ブルーモーメント、というのがある。
夜明け前もしくは夕暮れの後の僅かな時間、辺り一面が青一色に照らされて見える現象のことだ。雲一つないような快晴でなければ起こらないとされている。当記事の一番上に挙げた画像がまさにそうだ。
それをふと何かの拍子かに思い出すと、今度はまるで自らを構成する重要な要素であるかのように感じた。青色が見たい、触れたい、感じ取りたい。手始めにスマホの背景でも変えてやろうと画像検索をしているうちに、一冊の本へと辿り着いた。

概要を確認してすぐ、これだと確信した。
グラフィックソフトで明度や彩度を調整する機能を開いた時に見るような色の幅。表紙を飾るような幻想的なものから青単色のグラデーションまで、どちらも等しく尊いし、そんな色の世界を自分の中に吸収したい。そう思ったら、購入しない理由が無かった。

そういえば、今年の夏にそれっぽい写真を撮っていた。確か地元のスーパーの屋上駐車場からだったはず。

右側に見えるのは送電鉄塔

少しだけ脱線するが、かつて海外赴任のために決して少なくない紙の本に見切りをつけた。特にマンガ類は電子書籍へ移行し、実用書などはスマホやPCに保存していつでも開けた方がいいとさえ思ったし、似たような本があればレビュー評価よりも電子書籍に対応しているかどうかを重要視した。行き過ぎたミニマル志向は良くないし、元来収集気質のある私とは矛盾が生じるからどこかで線引はしないといけなかったのに。そんな事も、いつしか忘れてしまっていた。

青は理性の象徴。他にも知覚・客観・道徳・神秘などの意味合いを持つという。内側から滲み出ているらしい緑色はひとまずさておいて、これが私の原色にして原点なのだと、今一度立ち返りたい。
本当に大事なものは、大事にしたいものは、物理的に所持してもいいんだ。そうやって、私は私を構成する様々な要素として多種多様な本を揃えていく。そしていつしか、私の本棚が出来上がる。

青は藍より出でて藍より青し、
私の青もより出でてより青し。

#最近の学び #わたしの本棚

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