糖質

【napo_fitness】栄養学入門③~炭水化物後編~身体に良い糖質の選び方!

またまた炭水化物の話です。

前回はGI値についてお話しました。
なるべくGI値の低い食品を食べることで、体脂肪の増加を抑えることができます。

ではGI値が低ければ何を食べてもいいのでしょうか?
白米のGI値は84で砂糖のGI値は60ですが、砂糖のほうが優れた炭水化物源なのでしょうか?

実はそうではありません。
というのも、糖質には種類があるからです。

今回は糖質の種類についてお話していきます。

●糖質の種類

炭水化物は糖質食物繊維に分けられますが、
糖質も分類することができます。

以下、それぞれ解説していきます。

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引用元:あなたの糖質制限はここが間違っていた / NIKKEI STYLE


●単糖類

糖質の中で最も小さいものを「単糖類」といいます。

作りが単純なため、消化吸収が早いのが特徴です。
主な単糖類は3種類あります。

 ・グルコース(ブドウ糖)

最も有名な糖質がこのブドウ糖なのではないでしょうか。ブドウに多く含まれるため、この名前がついたと言われています。
脳や赤血球のエネルギー源になる、非常に重要な単糖類です。

糖質は悪だと思われがちですが、ブドウ糖は非常にクリーンなエネルギー源です。然るべきタイミングで、しっかりと摂取することが大切です。

 ・フルクトース(果糖)

果物はちみつに多く含まれ、ショ糖やイヌリンの構成物質にもなります。
果糖は吸収が速く、肝臓で代謝されるため、中性脂肪に変わりやすいという特徴があります。
詳しくは後述します。

 ・ガラクトース

後述する乳糖が分解されると、ガラクトースとグルコースになります。
天然には存在しない成分で、摂取過多になると白内障の原因にもなると言われています。


●二糖類

単糖類の分子が2つくっついて、水が1分子はずれると、二糖類になります。

 ・スクロース(ショ糖)

いわゆる砂糖のことです。
グルコース(ブドウ糖)1分子と、フルクトース(果糖)1分子がくっついてできています。
砂糖の摂りすぎは太る!というのは、実は果糖のせいだったともいえます。

 ・ラクトース(乳糖)

乳製品に含まれる糖のことです。
ガラクトース1分子と、グルコース(ブドウ糖)1分子がくっついてできています。
牛乳を飲むとお腹を壊すという人は、乳糖を分解する酵素が少ないことが原因かもしれません。
アジア人によく見られる傾向で、このような症状を「乳糖不耐症」といいます。

 ・マルトース(麦芽糖)

グルコース(ブドウ糖)2分子がくっついてできています。
腸内で発酵しやすく、便通を促す作用があります。

 ・オリゴ糖

フラクトオリゴ糖などの人工甘味料に多く含まれます。
人工甘味料だからといって身体に悪いものではなく、食物繊維のように腸内環境を良くする作用があります。

●多糖類

単糖類が20個程度くっついたものを多糖類といいます。

 ・デンプン

グルコース(ブドウ糖)が数多くくっついてできています。つまり、デンプンを分解するとブドウ糖になるということです。
お米や小麦に多く含まれ、現代人が生活で最も摂取している糖類でしょう。
デンプンはアミロースとアミロペクチンに分類することができますが、ここでは割愛します。

 ・マルトデキストリン

デンプンを部分的に加水分解すると、マルトデキストリンになります(なんのこっちゃ)。
加水分解の最終的な行き先はブドウ糖なのですが、そこまでいかず途中で止めるとマルトデキストリンになります。

ブドウ糖と同じくらい吸収が速くかつ10分の1程の甘さなので、非常にクリーンなエネルギー源であり、主に運動中の栄養補給に使われます。
1時間~2時間以上の運動の際は、体内のグリコーゲンが不足する可能性があるので摂取するようにするとパフォーマンスが上がるかもしれません。

 ・クラスターデキストリン

マルトデキストリンよりも分子が大きく、デンプンに近いものをクラスターデキストリンといいます。

マルトデキストリンよりも質が良く高価なのですが、分子が大きいのになぜ?と思われるかもしれません。
というのも、クラスターデキストリンを水に溶かすと「ハイポトニックウォーター」になります。
ハイポトニックウォーターとは、ヒトの体液よりも浸透圧が低く吸収されやすい水のことです。
ブドウ糖は確かに優秀な糖質なのですが、分子が小さいため浸透圧が高く、デキストリンに比べて吸収が遅いという特徴があります。

運動中に水をがぶ飲みするとお腹がたぽたぽしますよね?
浸透圧が低いことで、身体が吸収しやすい形で水分補給することができるのがクラスターデキストリンの特徴です。

トレーニング中の糖質補給はこのCCDがおすすめです。
水分がお腹に溜まりにくい他、電解質(ミネラル)も豊富。
味も普通にスポドリみたいでクソ美味しいです。BCAAやEAAでも「正直ハズレかな…」という味のものがたまにあるのですが、CCDを混ぜるだけで美味しくなるレベル。神。

 ・グリコーゲン

体内(主に筋肉や肝臓)に糖質を貯蔵するときは、グリコーゲンという形で蓄えられます。
アミロペクチンに似た構造をしていますが、分子量は数百万以上とかなり複雑な構造になっています。

 ・セルロース

いわゆる食物繊維はセルロースと呼ばれます。
グリコーゲンと同じく分子量は数百万以上になりますが、人の体内では加水分解できないので栄養素とはなりません。


●諸悪の根源、果糖

果物というと健康そうなイメージがありますが、果糖の大量摂取は控えたいものです。

かのスティーブ・ジョブズは菜食主義者、特に果食主義者だったと言われていますが、膵臓がんで若くして亡くなっています。
膵臓といえば、インスリンを作っている器官でもあります。
一説によると、果糖がトランスケトラーゼというペントースリン酸経路で使われる酵素の活性を高め、すい臓がんの増殖を促進するといった話もあります。 

では、果糖の一体何が良くないのでしょうか。

果糖はブドウ糖に転換することもできますが、すでに体内にブドウ糖がたくさんある場合、肝臓内で直接脂肪に転換されます。
つまり、果糖はブドウ糖よりも脂肪肝をつくりやすく、またそれが肝臓におけるインスリン抵抗性の原因となり中性脂肪の合成を促すのです。

『果糖中毒』(ダイヤモンド社・2018年)によると、果糖の摂取量はここ100年で6倍、糖尿病の患者数はここ20年で3倍になっているそうです。
果物の摂取が大きく増えた、あるいは果物が不健康だとは考えづらく、その大きな原因は、砂糖だといえます。前述のように、砂糖はブドウ糖+果糖だからです。

実際、果物100gあたりに含まれる果糖は2g程度。
一方で、清涼飲料水100mlを飲むと一気に10g程度の果糖を摂取することになります。
コーンフレークが健康ではない理由もここにあります。

果糖は筋グリコーゲンにはほとんどならずインスリンも分泌されないため、かなり扱いが難しいといえます。
肝グリコーゲンの補充になることや吸収の速さを考えると、起床直後か運動中の摂取だと被害を最小限に抑えられそうです。
逆に運動していない日の夕方なんかは最悪のタイミングです。
実際、ロードレーサーはレース中の間食に羊羹を食べたりしています。

とはいえ、IQとの相関性、疾患リスク等の様々なエビデンスを踏まえると、
「果糖と砂糖は摂取を避けたほうがいい」
というのは間違いないと言えるでしょう。


●絶対に摂取したくない果糖ブドウ糖液糖

更にヤバい奴が、「果糖ブドウ糖液糖」です。
果糖ブドウ糖液糖とは、遺伝子組み換えされたトウモロコシのデンプンに酵素を与えて精製したシロップで、清涼飲料水のほとんどに使われています。

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砂糖はブドウ糖と果糖が1:1でくっついていますが、
果糖ブドウ糖液糖は果糖の割合が50-90%のものを指します。

なんでこれがたくさん使われているかというと、安くて甘いからです。

例えばアミノバイタル等の高級(?)エナジーゼリーにはエネルギーになりやすいブドウ糖やデキストリンが使われていますが、やっすいイオンのエナジーゼリーには必ずといっていいほど果糖ブドウ糖液糖が使われています。
安いものには安いだけの理由があるということです。

ここまで読んでくださった皆さまなら果糖を大量摂取する危険性をなんとなくわかっていると思いますが、
パッケージの原材料名欄の最初に果糖ブドウ糖液糖と書かれている食品は絶対に避けましょう。


●まとめ


・食品パッケージの原材料欄を見るようにしてみよう!
・果糖と砂糖はなるべく避けよう
・2時間を超えるような運動のときはデキストリンを摂ろう
・トレーニーにはCCDがおすすめ!
・果糖ブドウ糖液糖はやめとけ
・果糖ブドウ糖液糖はやめとけ
・果糖ブドウ糖液糖はやめとけ


●終わりに

いかがでしたでしょうか。
結構専門的な話になりましたが、一言に糖質といっても様々な種類があることを覚えておいてください!

そしてやはり砂糖の摂りすぎは良くないということがわかりましたね。
果糖ブドウ糖液糖はやめとけ!

次回はいよいよタンパク質についてお話します。
お楽しみに。



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