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【夢日記創作】朝起きたらアザラシになっていた【一話完結】

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夢日記風の一話完結ストーリーです。 フランツ・カフカ『変身』パロディっぽい創作となっております。
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2020年12月の記事一覧

〔小説〕朝起きたらアザラシになっていた その9 メリーさんの来襲

〔小説〕朝起きたらアザラシになっていた その9 メリーさんの来襲

※この話はフィクションです。実在する人物・団体名とは何ら関係ございません。100%作者の脳内妄想のみで構成されています。

(・ω・っ)З(アザラシ)に転生して初めて風邪を引いた。

頭が熱っぽいので氷載せて冷やしているのだが体温計で測ると36度8分。俺が風邪をひくと、いつも熱っぽい感覚があるのに体温はそれほど高くないのが人間の時からお約束だった。

とにかくインフルエンザではないので安心したが喉

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〔小説〕朝起きたらアザラシになっていた その8

〔小説〕朝起きたらアザラシになっていた その8

※この話はフィクションです。実在する人物・団体名とは何ら関係ございません。100%作者の脳内妄想のみで構成されています。

皆さんは『クリスマス・キャロル』を読んだことがあるだろうか?

金貸しスクイージーに現代・過去・未来3人のゴーストがやってくるのだが、僕にもクリスマスにゴーストがやってきた。

クリスマスの深夜に何故か汗だくで目を覚ますとソイツがいた。

だいぶ前に金を貸したまま自殺したA君

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〔小説〕朝起きたらアザラシになっていた その7

〔小説〕朝起きたらアザラシになっていた その7

※この話はフィクションです。実在する人物・団体名とは何ら関係ございません。100%作者の脳内妄想のみで構成されています。

(・ω・っ)З(アザラシ)になった俺は人間の時に作った静脈認証型キャッシュカードが仇となってATMから金を下ろせなくなり、やむなくPから久しぶりに内職をあてがってもらうも3000円のために今年最悪の悪夢を見ることになった。

夢の中で俺は中学生だった。

夏に林間学校へ行くこ

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〔小説〕朝起きたらアザラシになっていた その6

〔小説〕朝起きたらアザラシになっていた その6

※この話はフィクションです。実在する人物・団体名とは何ら関係ございません。100%作者の脳内妄想のみで構成されています。

ATMから金を下ろせなくなったので固定費以外の小金欲しさに内職を始めた。

俺がPと呼ぶ男へ久しぶりに金の無心をするため、太宰治の文章をまねして「貸してくれないと死にます」な文面でメッセンジャーアプリから送信。

数時間後、スマートフォンに着信通知がきた。覗き込むと

「太宰

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〔小説〕朝起きたらアザラシになっていた その5

〔小説〕朝起きたらアザラシになっていた その5

アザラシ用の健康診断はないものかとサンシャイン水族館に電話問い合わせしてみた。

「健康診断は動物病院で問い合わせてお願いします」

通話を切ってスマートフォンを置いてから姿見に映る俺を見る。

アザラシなのでフッサフサだ。

親父は落語家の桂歌丸みたいな頭だったので、遺伝でハゲる事を心配していた。

アザラシになった今の俺が毛の心配をしなくて良くなったのが数少ない救いである。

カフカの変身を読

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