記事一覧
狩野さん 最期の排泄介助part20
朝、社長の電話で目が覚めた。
嫌な予感がして電話をとると狩野さんが亡くなったと悲しいお知らせだった。
これから朝の排泄介助に行くところだったので、とりあえず狩野さんの家に訪問した。
二階から長男さんが泣きながら降りてきた。
「おはようございます。回復するように祈ってたけど・・・」
そう長男さんに伝えると「だめだった」と。
部屋に入ると眠っているように横になっている狩野さん。隣には次男さん。次男さん
狩野さん 危篤 part18
夕方の支援に後輩と二人で訪問した。
朝に比べて顔色良く、肩呼吸もなくなっていた。
息子さんが、スポンジブラシに水を含ませて口の中に入れると
少し飲んでいるようだった。まだ飲みたそうに口を動かしておられたので
座位にし、エンシュア50CC飲まれた。
息子さんが「スイカ食べれるかな?」と食べさせてあげたいようだったが
「今はやめておいたほうがいいかもしれませんね、もう少し体調が戻ってからのほうがいいと
狩野さん 急変 part17
それは足浴の17日から5日たった23日の夕方のことだった。
朝と夕の支援に入ってたヘルパーが、夕方に事務所に来てこう言った。
「狩野さん、朝から血圧が低いの。元気がないんよ。昨日の朝から何も食べてないみたいだし」
「えっ?!」聞いた私は思わず椅子から立ってしまった。
「狩野さん大丈夫なんですか??」と聞くと
「分からない。これから看護師さんがくるみたいだけど」と報告を聞いた。
本日、朝から事務作業
狩野さん 98回目の誕生日part15
9月に入り、今月狩野さん98回目の誕生日が近づいてきた。
元気がある日もあれば、全く話さない日もあったがそんな大きな変わりもなく元気に過ごしていた。
デイサービスさんから綺麗な花の鉢が届き、大事そうに仏壇に飾っていた。
何かを誕生日にするって取り組みは私の事業所にはない。
だけど、何かをしてあげたいと無性に思って誕生日カードを作った。
誕生日の日は私は休みだったので、後輩に渡しておいてと託した。
狩野さん 母と30年ぶりの再会part14
社長、息子さんにも確認を取り、母と時間を合わせて狩野さんに会いに行っくことになった。
訪問する前に、狩野さんに何がいいかなと言いながら二人で買い物しプリンとリンゴを買った。
母と訪問した時に 狩野さん今排便が出て事務所に電話したところだという。
てきぱきと排泄介助をし、母と狩野さん30年ぶりの再会となった。
母「わーー!狩野さん久しぶりです!また会えてうれしいです」
狩野さん「すみませんな、私なん
狩野さん 話し合い part13
先日のまい子さんとの再会の話を母に話した。
本人さん、息子さんたちに確認をとり、快くいいよといってくださった。
私の母は、まいこさん、狩野さんのことをいつも心配していた。施設で関わりがあったからこそ、いつも会いたがっており今回、まいこさんと再会した話をしたら私も狩野さんに会いたいと母が言った。
さっそく次の訪問の時にまい子さんに話をした。
私「私のお母さんが狩野さんを見ると喜ぶのよ」
狩野さん「え
狩野さん 感動の再会 part12
狩野さんとまい子さん、ずっと握手したままお話をしていた。
狩野さんのまい子さんに対する言葉一つ一つが、とっても愛情いっぱいだった。
狩野さんが、まい子さんにゆっくりと話しかけた。
「どうしようかと思っていたけど、まいちゃんのその笑顔をみて、また元気を出して頑張ってな。風邪ひかんようにな。先生の言うことを聞いて、かわいがってもらいないよ。母ちゃんも祈っとるからね。ええ子してね。
母ちゃんもまいちゃん
狩野さん 感動の再会 part11
施設に到着し、車いすをお借りして、狩野さんに座っていただいた。
そして、施設の中に入り、お部屋を案内してもらった。
コロナウイルスの関係で、居室ではなく会議室だった。
狩野さん、息子さん二人、私の四人でまい子さんを待った。
しばらくすると、ドアが開いてまい子さんが入ってこられた。
そして、狩野さんに「お母さん、会いたかった」と話しかけられた。
すると、狩野さん 嬉しそうに
「まいちゃん!!長いこと
狩野さんの想いをのせて part10
10月18日、まい子さんに会いに行く当日、私は狩野さんの家に向かった。
狩野さんに挨拶をすると返事がない。
とりあえず、パンツ交換させてねと、排泄介助をした。
そのあと、座位になりお茶を飲んでいただいた。
なんでだろう、本当に話さないな。
「どうしました?体調悪い?」と声をかけても無反応。
次男さんが横で「こたつ出したら話さなくなった」と話す。
「えー!まじか(笑)」と笑った。
とりあえず、途中に
狩野さんの告白 part9
狩野さんの支援に入り始めて2年半がたった。
本日もいつものように排泄介助を行った。
腰を上手に浮かせて介助しやすい体制を作ってくれる。
本当に気遣いができる方だ。
排泄介助が終わり、座位になってエンシュアを飲まれた。
すると、狩野さんが私の目をしっかり見てこう言った。
「ずっと言わんようにしようと思っていたけど、やっぱり言いたいことがある。あのな、私、まい子に会いたいの。どんなにおいしいご飯より
狩野さんと会話する part5
狩野さんの排泄介助にはヘルパー5人で交互に訪問している。
その中でも私が一番多く訪問している。
他のヘルパーさんは家庭があり、予定があって時間が決められているが
私には家族はないので、基本いつでも動くことができる。
家族の兄弟さんともすっかり仲良しになり、長男さんは特によく話しかけてくれる。
きっと、今まで狩野さんとずっと話していたんだろうな。
狩野さんが話が出来なくなって寂しいんだろうなと感じ