狩野さん 危篤 part18

夕方の支援に後輩と二人で訪問した。
朝に比べて顔色良く、肩呼吸もなくなっていた。
息子さんが、スポンジブラシに水を含ませて口の中に入れると
少し飲んでいるようだった。まだ飲みたそうに口を動かしておられたので
座位にし、エンシュア50CC飲まれた。
息子さんが「スイカ食べれるかな?」と食べさせてあげたいようだったが
「今はやめておいたほうがいいかもしれませんね、もう少し体調が戻ってからのほうがいいと思いますよ」と伝えた。
少し時間をおいてから排泄介助をした。少し左腕の痛みの訴えがあったが交換スムーズだった。
そして、狩野さんの手を握って声掛けをした。
「狩野さん、頑張って」
「またまい子さんに会いに行くだけ元気になってよ」
狩野さん、しっかりうなずいて「うん」と返事があった。

息子さん「看護師さんに今すぐ入院するように言われたけど、家で過ごしてもらうことにした。最期まで家で過ごさせてあげたい。」と静かに話しかけられた。
「そうだね。それが一番いいと思います。狩野さんに何かあったら連絡してください。夜遅くても朝早くてもいいからね。」と伝えて家を出た。

家を出て車までの歩く道、後輩と「少し水が飲めてよかったね。安心するね」と話しながら帰った。
今日、3回狩野さんの訪問が出来てよかった。

帰宅すると社長から連絡があり「昨日、看護師さんから2~3日がやまだって連絡があったの。今日の様子聞いて少し安心した」と聞いた。

なんだろう、不思議と祖父が事故に遭った時を思い出した。
おばあさんが「これが運命だったんだろうな」という言葉に対して自分のポエムノートに書いた言葉がある。
「これが運命だなんて絶対信じたくない。
神様、おじいさんの意識を取り戻してよ。意識が戻って元気になったら
これが運命だといえますように」

同じことを狩野さんにも思っていた。
何とか元気になってほしい。
もう一度まい子さんに会わせてあげたい。
また話がしたい。
どうか、狩野さんを助けてください。

そう願いながら寝た。

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