狩野さん 感動の再会 part12

狩野さんとまい子さん、ずっと握手したままお話をしていた。
狩野さんのまい子さんに対する言葉一つ一つが、とっても愛情いっぱいだった。
狩野さんが、まい子さんにゆっくりと話しかけた。
どうしようかと思っていたけど、まいちゃんのその笑顔をみて、また元気を出して頑張ってな。風邪ひかんようにな。先生の言うことを聞いて、かわいがってもらいないよ。母ちゃんも祈っとるからね。ええ子してね。
母ちゃんもまいちゃんの顔を見に来たのは一番の嬉しいこと。元気でね。先生やみんなと仲良くしてね、可愛がってもらってね。母ちゃんもそのようになることを楽しみにしとるけな。」
そういうと、狩野さんは息子さん、私をすーっと指さして 
(みんなもそう思っているよ)と言っているような仕草をした。
そして、再びまい子さんを見てゆっくり話し始めた、
「いつまでも元気でおろうと思うけど、まいちゃんも元気でおってな。母ちゃんも元気でおるけ。まいちゃんの笑顔を見て帰るから。母ちゃん、心寂しかったけど、まいちゃんの顔を見てな、元気になった。えらいのも治るからね。お互いに(元気で)おろうで。ね??」
少し間をおいて、体制を直し
「あーよしよし。みんなにこうやって世話になって(息子さん、私を指さす)まいちゃんの顔を見て安心した。えらいのも治ってくるからね。先生の言うことをよく聞いて、みんなと仲良くしてね」とまい子さんに伝えていた。

狩野さんの今までの状況から、全く考えられないくらい上手にお話をされて
まいこさんに気持ちを全部伝えている姿を横で見て
こんな奇跡があるのか・・・と本当に言葉にできなかった。
でも、本当に狩野さんがまいこさんに話していたのだ。
あの頃のお母さんのまんまで。

最後にみんなで記念写真を撮った。
まい子さん、狩野さん、息子さん二人の四人の家族写真。
とってもいい写真だった。
そして、私も一緒に5人で写真を撮らせてもらった。

あっという間に時間になり、まい子さんとさよならし、車に乗って帰った。
その時、狩野さんが空を見て「いい天気でよかったなあ」と言った。
「本当だよね。いい天気で気持ちいいね」というと
うんとうなずく狩野さん。
本当にすっきりした顔をしていた。いろいろと思うことはあるだろうな。
狩野さん、よかったねと心の中で声かけた。

自宅近くの駐車場に着いた。100メートルほど距離があるので少し歩かなければいけない。でも疲れているだろうから狩野さんに
「大丈夫?おんぶしようか?」と声をかけると
「おんぶは見せ物みたいで嫌だな」を笑う狩野さん。
よし、じゃあもう少し頑張ろうと行きと同じく手引き歩行をした。
そして、帰宅した。

狩野さんがこんなに上手に話せるなんて。
今日の今日まで本当に想像できなかったから本当にびっくりした。
今までずっと思っていた言葉をちゃんと伝えられてて、狩野さん一番嬉しそうな一日だった。
そして、私もとっても嬉しい一日だった。

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