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記事一覧

影あそび

影あそび

 今日も起きられなかった。もう何日も敷き放しにした煎餅布団に重い体を横たえたまま、私は思った。眼球を動かして窓の方を見やると、閉じたままの遮光カーテンの隙間から夏日が射している。時刻は正午をとうに過ぎているはずだ。布団の側に置かれたちゃぶ台には昨日食べたコンビニ弁当の屑が雑に散らばっている。

 鈍く痛む頭をかばうようにゆっくりと体を起こす。昨日も風呂に入らなかったから、髪はべとりと頭皮に張り付き

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子育て・教育、福祉、文化・アートをめぐるインタビューの旅をはじめます!

子育て・教育、福祉、文化・アートをめぐるインタビューの旅をはじめます!

こんにちは!
黒木萌です。宮崎県延岡市で、ライティングの仕事をしています。

今回、新たに「子育て・教育、福祉、文化・アートをめぐるインタビューの旅」をはじめます。

旅の目的と概要子育て・教育においては「子ども」、福祉においてはたとえば「障害者」が、その人の可能性をひらくには、一体どんなこと・ものが必要なのだろうか? この問いがわたしの出発点です。

この問いを携えて、実際に子育てや教育、福祉の

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「ひらく。」はじめます(2018年2月14日)

生きることは表現することそのものだと気づいたのはいつだったでしょうか。表現という切り口で自分を振り返ってみると、その時々の自分が見えてきます。

いきものがかりの『YELL』という曲を苦い気持ちで聴いていた時期がありました。20代の半ば頃だったでしょうか。自信がない自分に強い不満を抱きつつ、それは自分のせいだと知っていました。思春期、あの曲のように孤独と向き合う強さがあったなら、いま私はこんな風に

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noteのほかに書いた記事(2021年11月~2022年2月)

noteのほかに書いた記事(2021年11月~2022年2月)

 元日に抱負を書いてから更新ができずにいました。書いていないわけではないのですが、noteに掲載するものを仕上げることができていません。毎月1本は記事をあげることを目安としているのですが、初稿を書きあげては2稿が書けずお蔵入りになっています。

 そんなわけで今日はnote以外の場所で書いた記事の一部をご紹介しようと思います。

me and you little magazine & club 

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嫉妬や焦りを企画に変えてゆきたい

嫉妬や焦りを企画に変えてゆきたい

 「文章を書くことを仕事にしたい」。

 世の中にそう思っている人はたくさんいる。私もその一人だ。子どもの頃から文章を書く仕事に漠然とした憧れを持っていた。今から3~4年前にその思いを無視することをやめ、ライターと名乗り始めた。実際に現在、ライターとして収入の一部を得ている。

 しかしライターとして自信があるかというとぜんぜんそうではない。実績も実力も足りていない。だから、ライターを順風満帆にや

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書くことは楽しい。書くことを共に学ぶことも楽しい。はじめてsentence公式イベントレポを書いてみた学びまとめ

書くことは楽しい。書くことを共に学ぶことも楽しい。はじめてsentence公式イベントレポを書いてみた学びまとめ

今年の6月からsentenceという「書く」を学び合うコミュニティに入っています。sentenceでは毎月読書会や、相互に原稿をフィードバックし合う「YMO会」、ゲストをお招きして「書く」にまつわることをお話いただく「sentence LIVE」などさまざまなイベントが開催されます。

8月のsentence LIVEは小説『明け方の若者たち』著者であるカツセマサヒコさんがゲスト。私がそのイベント

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好きな本には等身大の自分が映る

好きな本には等身大の自分が映る

かつて、背伸びをするように本を読んだ時期があった。大学生の頃だ。いま思えば、同じ学部の先輩に憧れる気持ちがあってのことだったのかもしれない。その先輩と少しでも同じ目線で話をしたくて、日本近代文学やロシア文学などを読んだ。当時、本は私にとって私自身より上にある崇高なものだった。

いま私は自分が心から好きな本には等身大の自分が映る、と思っている。私は一番好きな本を「この本が一番好きです」とずっと人に

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地方でライターをするには sentence「キャリア相談会」感想

地方でライターをするには sentence「キャリア相談会」感想

「地方でライターとしてキャリアを積みたい」と思ったことのあるあなたへ。そんなとき、検索エンジンで求人を検索しても地方でのライター求人の(少)なさ、あったとしても単価の安さに愕然とした人がほとんどではないでしょうか。

私がその経験をしたのは2年半ほど前。現在、私は「sentence」という「書く」を学び合うコミュニティに入っています。

8月28日、sentenceでライターの「キャリア相談会」が

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「読まれるための努力」について考えるときに私の語ること

①キナリ杯に応募したら、
「読まれるための努力」の必要性を感じた先日、キナリ杯に応募しました。

今朝になって、noteで「#キナリ杯」を検索。
以下、私の脳内にしばらくお付き合いください。

😲応募4000件超えてるやんけ。
😲「定番」タブの上位記事の「スキ」4桁!
😨私の記事、2桁!
😟受賞の前にそもそも読んでもらえるのか!?(勝手な不安)

私が苦手な、「読まれるための努力」が足りな

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あなたは文章を書いていて、自分の書いている内容に違和感を感じたことはありますか?

あなたは文章を書いていて、自分の書いている内容に違和感を感じたことはありますか?

「あれ、これほんとうに書きたいことじゃないかも。ほんとうに私が伝えたいことじゃないかも。」

あなたは文章を書いていて、自分の書いている内容に違和感を感じたことはありますか?

たとえば、取材記事を書いていて、取材相手の価値観と自分の価値観に無視できないズレを感じたり。

どこかに寄稿するつもりで、あるいはどこかから依頼された記事を書いていて、寄稿先や依頼先の意図に沿っていると思って書いていたのに

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