偏劇人【劇評を書く偏屈な人間堂】

世の中、お利口が多くて疲れません?/安藤奈津美が行ける範囲で岩手の演劇の劇評/note…

偏劇人【劇評を書く偏屈な人間堂】

世の中、お利口が多くて疲れません?/安藤奈津美が行ける範囲で岩手の演劇の劇評/noteよく分かってないよ/とってもモヤモヤするよ/ご意見ご感想は記名で連絡してね。ないものにはお返事しないよ/ぜんぶ気まぐれ/このプロフィールは予告なく変更になります

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【へんくつばんがいへん】令和版「ブラック・ジャック」によろしく言いたくて

【本文は読むのに約3分かかります。ご参考までに】  こんばんは。安藤奈津美です。  表題の通り、先ほど放送が終わった、高橋一生主演版「ブラック・ジャック」を見終わ…

美の対極から美を叫ぶ〜もりげき八時の芝居小屋第187回公演高村明彦×藤原瑞基 往復戯曲ふたり芝居「地の底にて―At the bottom…

【本文は読み終わるまでに約4分かかります。予めご了承ください。】  そう長くない逡巡の末、衝動のまま、仕事帰りの私は電車に乗った。  言葉にしたい何かをもう一度き…

にわかが人気シリーズの上澄みを啜り己の様に深くうなだれた話〜「ハリー・ポッターと呪いの子」と「機動戦士ガンダムSEED FREED…

 今日「ハリー・ポッターと呪いの子」(以下「呪いの子」)マチネを見てきた。  理由はシンプルで、8年来応援している俳優・迫田孝也がロン・ウィーズリーを演じると聞い…

いかん。びっくりするほど納得いかない。

BS松竹東急で「愛と哀しみのシャーロック・ホームズ」を鑑賞。
冒頭から躍動する、色気と愛嬌の塊のようなシャーロック(柿澤勇人)に圧倒されていたら、そのまま物語に引き込まれ、終盤の「ともだち」の話でつい泣くなどした。三谷幸喜作品の「だから貴方『が』居てほしい」的な要素にホント弱い。

【完結】呼ぶ声はいつだって悲しみに変わるだけ〜「片目で立体視の星間飛行」観劇録④〜

【本文は読み終わるまでに約4分かかります。また、短編作品のうち一作品にのみ触れております。他の演目については過去の投稿をご覧ください。】 ――辺境の星で見つかっ…

ぎっくり腰ギリギリで帰宅中、まさかの鼻血で軽くパニック。無事帰れただけ良かったろうか。今はひとまず横になっています。

「不適切にもほどがある!」、とうとうSNSの考察厨もターゲットにしてきて、痛痒いながらもとても快感。そういうの(自分含む)が承認欲求とかインフルエンサーなりたさ見え見えで台頭してきたのが鬱陶しかったから、ドラマの感想を書きなぐるTwitterアカウントを閉じたりした身としては。

呼ぶ声はいつだって悲しみに変わるだけ〜「片目で立体視の星間飛行」観劇録③〜

【本文は読み終わるまでに約4分かかります。また、短編作品のうち一作品にのみ触れており、次の演目については後日記載させていただきます。予めご了承ください。】 ――…

舞台「オデッサ」体験録 〜言葉、ことば、コトバ!〜 【~ふわふわへんくつ・へんげきじんばんがいへん~】

【本文は読了までに10分かかります。ご参考までに】 アメリカ、テキサス州オデッサ。 1999年、一人の日本人旅行客がある殺人事件の容疑で勾留される。 彼は一切英語を話す…

「劇団モリオカ市民」第9回公演「MORIOKA CHRONICLEⅡ 盛岡バスセンターものがたり」を昨日鑑賞。感想は以下リンクから。
いろんなプラットフォームにアカウントがあると便利だな。
https://bsky.app/profile/shimapuddi0226.bsky.social/post/3kmr5yz6wbj26

ひょっとしてアレか、「不適切にもほどがある!」ってタイトルはコンプラ的な意味だけじゃなく、SFとして「タイムスリップもので過去を変える」という禁忌を犯す、という意味も含んだダブルミーニングっていう……

時間が作れず追えていなかった「おっさんずラブリターンズ」に、公式配信のダイジェスト映像でギリギリ駆け込んだ。ピュアなラブストーリーだった1期を基に、製作陣が彼らの「その後」と「名前のない関係性」を真摯に作り込んでいたことが窺えて泣きそう。今夜の最終回、滑り込ませてください……!!

呼ぶ声はいつだって悲しみに変わるだけ〜「片目で立体視の星間飛行」観劇録②〜

【本文は読み終わるまでに約4分かかります。また、短編作品のうち一作品にのみ触れており、他の演目については後日記載させていただきます。予めご了承ください。】  「…

呼ぶ声はいつだって悲しみに変わるだけ〜「片目で立体視の星間飛行」観劇録①〜

【本文は読み終わるまでに約4分かかります。また、短編作品のうち一作品にのみ触れており、他の演目については後日記載させていただきます。予めご了承ください。】  忘…

「片目で立体視の星間飛行」をきっかけに、矢野顕子の「星の王子さま」をデジタル配信で購入。イントロの切なさがとてもいいんだ。
https://music.apple.com/jp/song/%E6%98%9F%E3%81%AE%E7%8E%8B%E5%AD%90%E3%81%95%E3%81%BE/1536771158

【へんくつばんがいへん】令和版「ブラック・ジャック」によろしく言いたくて

【へんくつばんがいへん】令和版「ブラック・ジャック」によろしく言いたくて

【本文は読むのに約3分かかります。ご参考までに】

 こんばんは。安藤奈津美です。
 表題の通り、先ほど放送が終わった、高橋一生主演版「ブラック・ジャック」を見終わりました。そのうえで、

 主演もこうコメントしているとのことなので、一切忖度無しで感想を述べたいと思います。

*****
 ちなみに私の「ブラック・ジャック」履修歴は下記の通り。

・学生時代に原作漫画を読破。内容は覚えていたりいな

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美の対極から美を叫ぶ〜もりげき八時の芝居小屋第187回公演高村明彦×藤原瑞基 往復戯曲ふたり芝居「地の底にて―At the bottom of underground-」鑑賞記〜

美の対極から美を叫ぶ〜もりげき八時の芝居小屋第187回公演高村明彦×藤原瑞基 往復戯曲ふたり芝居「地の底にて―At the bottom of underground-」鑑賞記〜

【本文は読み終わるまでに約4分かかります。予めご了承ください。】

 そう長くない逡巡の末、衝動のまま、仕事帰りの私は電車に乗った。
 言葉にしたい何かをもう一度きちんと見るために。

 昨日と今日、盛岡劇場タウンホールで上演されたふたり芝居「地の底にて―At the bottom of underground-」は、タイトルにもあるとおり、演者でもある高村明彦と藤原瑞基が往復書簡の要領でシナリオ

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にわかが人気シリーズの上澄みを啜り己の様に深くうなだれた話〜「ハリー・ポッターと呪いの子」と「機動戦士ガンダムSEED FREEDOM」鑑賞記〜

にわかが人気シリーズの上澄みを啜り己の様に深くうなだれた話〜「ハリー・ポッターと呪いの子」と「機動戦士ガンダムSEED FREEDOM」鑑賞記〜

 今日「ハリー・ポッターと呪いの子」(以下「呪いの子」)マチネを見てきた。
 理由はシンプルで、8年来応援している俳優・迫田孝也がロン・ウィーズリーを演じると聞いたもののなかなか万障繰り合わず、ことここに至ってようやく足を運べたからである。

 感想を端的に言うと、想像以上に没入して楽しんだ。敢えて無い語彙力を更にゼロにして言えば、なんかめっちゃとてつもなくエンターテインメントだった。目の前で箒は

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いかん。びっくりするほど納得いかない。

BS松竹東急で「愛と哀しみのシャーロック・ホームズ」を鑑賞。
冒頭から躍動する、色気と愛嬌の塊のようなシャーロック(柿澤勇人)に圧倒されていたら、そのまま物語に引き込まれ、終盤の「ともだち」の話でつい泣くなどした。三谷幸喜作品の「だから貴方『が』居てほしい」的な要素にホント弱い。

【完結】呼ぶ声はいつだって悲しみに変わるだけ〜「片目で立体視の星間飛行」観劇録④〜

【完結】呼ぶ声はいつだって悲しみに変わるだけ〜「片目で立体視の星間飛行」観劇録④〜

【本文は読み終わるまでに約4分かかります。また、短編作品のうち一作品にのみ触れております。他の演目については過去の投稿をご覧ください。】

――辺境の星で見つかった父のやまびこと、明日ソラリスに発つ息子のこと。
(チラシ・パンフレットより抜粋)

 第一印象を述べよう。
 バッキバキにキマった舞台を見た。
 「エコーの星」は短編が連なる本作を締めくくる一編だ。ここだけの話だが、私はあらすじを読んだ

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ぎっくり腰ギリギリで帰宅中、まさかの鼻血で軽くパニック。無事帰れただけ良かったろうか。今はひとまず横になっています。

「不適切にもほどがある!」、とうとうSNSの考察厨もターゲットにしてきて、痛痒いながらもとても快感。そういうの(自分含む)が承認欲求とかインフルエンサーなりたさ見え見えで台頭してきたのが鬱陶しかったから、ドラマの感想を書きなぐるTwitterアカウントを閉じたりした身としては。

呼ぶ声はいつだって悲しみに変わるだけ〜「片目で立体視の星間飛行」観劇録③〜

呼ぶ声はいつだって悲しみに変わるだけ〜「片目で立体視の星間飛行」観劇録③〜

【本文は読み終わるまでに約4分かかります。また、短編作品のうち一作品にのみ触れており、次の演目については後日記載させていただきます。予めご了承ください。】

――銀河系最大の“テラドンキ“に立ち寄った僕が、七色に光るゲーミング奴隷と逃避行すること。
(パンフレットより抜粋)

 本作が4つの短編によることは先に触れた。全体の構成という視点からみたとき、今回の「ドン・キホーテの星」は、序破急でいうと

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舞台「オデッサ」体験録 〜言葉、ことば、コトバ!〜 【~ふわふわへんくつ・へんげきじんばんがいへん~】

舞台「オデッサ」体験録 〜言葉、ことば、コトバ!〜 【~ふわふわへんくつ・へんげきじんばんがいへん~】

【本文は読了までに10分かかります。ご参考までに】
アメリカ、テキサス州オデッサ。
1999年、一人の日本人旅行客がある殺人事件の容疑で勾留される。
彼は一切英語を話すことが出来なかった。
捜査にあたった警察官は日系人だったが日本語が話せなかった。
語学留学中の日本人青年が通訳として派遣されて来る。 取り調べが始まった。
登場人物は三人。 言語は二つ。 真実は一つ。
密室で繰り広げられる男と女と通

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「劇団モリオカ市民」第9回公演「MORIOKA CHRONICLEⅡ 盛岡バスセンターものがたり」を昨日鑑賞。感想は以下リンクから。
いろんなプラットフォームにアカウントがあると便利だな。
https://bsky.app/profile/shimapuddi0226.bsky.social/post/3kmr5yz6wbj26

ひょっとしてアレか、「不適切にもほどがある!」ってタイトルはコンプラ的な意味だけじゃなく、SFとして「タイムスリップもので過去を変える」という禁忌を犯す、という意味も含んだダブルミーニングっていう……

時間が作れず追えていなかった「おっさんずラブリターンズ」に、公式配信のダイジェスト映像でギリギリ駆け込んだ。ピュアなラブストーリーだった1期を基に、製作陣が彼らの「その後」と「名前のない関係性」を真摯に作り込んでいたことが窺えて泣きそう。今夜の最終回、滑り込ませてください……!!

呼ぶ声はいつだって悲しみに変わるだけ〜「片目で立体視の星間飛行」観劇録②〜

呼ぶ声はいつだって悲しみに変わるだけ〜「片目で立体視の星間飛行」観劇録②〜

【本文は読み終わるまでに約4分かかります。また、短編作品のうち一作品にのみ触れており、他の演目については後日記載させていただきます。予めご了承ください。】

 「片目で立体視の星間飛行」について、昨日から感想を書いている。
 第1.5章と銘打たれた「たかしの星」は、章立てに表れているように、他の章とは毛色が異なっていた。物語の舞台も時間もぼかされていて、フワッと始まりフワッと終わる、ごく短く軽妙な

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呼ぶ声はいつだって悲しみに変わるだけ〜「片目で立体視の星間飛行」観劇録①〜

呼ぶ声はいつだって悲しみに変わるだけ〜「片目で立体視の星間飛行」観劇録①〜

【本文は読み終わるまでに約4分かかります。また、短編作品のうち一作品にのみ触れており、他の演目については後日記載させていただきます。予めご了承ください。】

 忘れたくない後味だった。
 なんなら今でも反芻(はんすう)している。うおォン。俺はまるで反芻の星の住人だ。
 何のことかは言うまでもなかろう。先週末に行われた公演・片目で立体視よっつ目「片目で立体視の星間飛行」である。

そこはあらゆるもの

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「片目で立体視の星間飛行」をきっかけに、矢野顕子の「星の王子さま」をデジタル配信で購入。イントロの切なさがとてもいいんだ。
https://music.apple.com/jp/song/%E6%98%9F%E3%81%AE%E7%8E%8B%E5%AD%90%E3%81%95%E3%81%BE/1536771158