偏劇人【劇評を書く偏屈な人間堂】

世の中、お利口が多くて疲れません?/安藤奈津美が行ける範囲で岩手の演劇の劇評/note…

偏劇人【劇評を書く偏屈な人間堂】

世の中、お利口が多くて疲れません?/安藤奈津美が行ける範囲で岩手の演劇の劇評/noteよく分かってないよ/とってもモヤモヤするよ/ご意見ご感想は記名で連絡してね。ないものにはお返事しないよ/ぜんぶ気まぐれ/このプロフィールは予告なく変更になります

最近の記事

【へんくつばんがいへん】令和版「ブラック・ジャック」によろしく言いたくて

【本文は読むのに約3分かかります。ご参考までに】  こんばんは。安藤奈津美です。  表題の通り、先ほど放送が終わった、高橋一生主演版「ブラック・ジャック」を見終わりました。そのうえで、  主演もこうコメントしているとのことなので、一切忖度無しで感想を述べたいと思います。 *****  ちなみに私の「ブラック・ジャック」履修歴は下記の通り。 ・学生時代に原作漫画を読破。内容は覚えていたりいなかったり。好きなエピソードは「六等星」。 ・学生時代に本木雅弘版実写作品を視聴。

    • 美の対極から美を叫ぶ〜もりげき八時の芝居小屋第187回公演高村明彦×藤原瑞基 往復戯曲ふたり芝居「地の底にて―At the bottom of underground-」鑑賞記〜

      【本文は読み終わるまでに約4分かかります。予めご了承ください。】  そう長くない逡巡の末、衝動のまま、仕事帰りの私は電車に乗った。  言葉にしたい何かをもう一度きちんと見るために。  昨日と今日、盛岡劇場タウンホールで上演されたふたり芝居「地の底にて―At the bottom of underground-」は、タイトルにもあるとおり、演者でもある高村明彦と藤原瑞基が往復書簡の要領でシナリオを構築したという。  発売されていた上演台本では、両者がどのシーンを担当したか

      • にわかが人気シリーズの上澄みを啜り己の様に深くうなだれた話〜「ハリー・ポッターと呪いの子」と「機動戦士ガンダムSEED FREEDOM」鑑賞記〜

         今日「ハリー・ポッターと呪いの子」(以下「呪いの子」)マチネを見てきた。  理由はシンプルで、8年来応援している俳優・迫田孝也がロン・ウィーズリーを演じると聞いたもののなかなか万障繰り合わず、ことここに至ってようやく足を運べたからである。  感想を端的に言うと、想像以上に没入して楽しんだ。敢えて無い語彙力を更にゼロにして言えば、なんかめっちゃとてつもなくエンターテインメントだった。目の前で箒は浮くし、キャストがどっからせり出たか知らん水に潜るし、なんか大小さまざまなサイズ

        • いかん。びっくりするほど納得いかない。

        【へんくつばんがいへん】令和版「ブラック・ジャック」によろしく言いたくて

          BS松竹東急で「愛と哀しみのシャーロック・ホームズ」を鑑賞。 冒頭から躍動する、色気と愛嬌の塊のようなシャーロック(柿澤勇人)に圧倒されていたら、そのまま物語に引き込まれ、終盤の「ともだち」の話でつい泣くなどした。三谷幸喜作品の「だから貴方『が』居てほしい」的な要素にホント弱い。

          BS松竹東急で「愛と哀しみのシャーロック・ホームズ」を鑑賞。 冒頭から躍動する、色気と愛嬌の塊のようなシャーロック(柿澤勇人)に圧倒されていたら、そのまま物語に引き込まれ、終盤の「ともだち」の話でつい泣くなどした。三谷幸喜作品の「だから貴方『が』居てほしい」的な要素にホント弱い。

          【完結】呼ぶ声はいつだって悲しみに変わるだけ〜「片目で立体視の星間飛行」観劇録④〜

          【本文は読み終わるまでに約4分かかります。また、短編作品のうち一作品にのみ触れております。他の演目については過去の投稿をご覧ください。】 ――辺境の星で見つかった父のやまびこと、明日ソラリスに発つ息子のこと。 (チラシ・パンフレットより抜粋)  第一印象を述べよう。  バッキバキにキマった舞台を見た。  「エコーの星」は短編が連なる本作を締めくくる一編だ。ここだけの話だが、私はあらすじを読んだとき「短編集によくあるほっこり感動系のラストかね」などと浅はかな予想をしていた。

          【完結】呼ぶ声はいつだって悲しみに変わるだけ〜「片目で立体視の星間飛行」観劇録④〜

          ぎっくり腰ギリギリで帰宅中、まさかの鼻血で軽くパニック。無事帰れただけ良かったろうか。今はひとまず横になっています。

          ぎっくり腰ギリギリで帰宅中、まさかの鼻血で軽くパニック。無事帰れただけ良かったろうか。今はひとまず横になっています。

          「不適切にもほどがある!」、とうとうSNSの考察厨もターゲットにしてきて、痛痒いながらもとても快感。そういうの(自分含む)が承認欲求とかインフルエンサーなりたさ見え見えで台頭してきたのが鬱陶しかったから、ドラマの感想を書きなぐるTwitterアカウントを閉じたりした身としては。

          「不適切にもほどがある!」、とうとうSNSの考察厨もターゲットにしてきて、痛痒いながらもとても快感。そういうの(自分含む)が承認欲求とかインフルエンサーなりたさ見え見えで台頭してきたのが鬱陶しかったから、ドラマの感想を書きなぐるTwitterアカウントを閉じたりした身としては。

          呼ぶ声はいつだって悲しみに変わるだけ〜「片目で立体視の星間飛行」観劇録③〜

          【本文は読み終わるまでに約4分かかります。また、短編作品のうち一作品にのみ触れており、次の演目については後日記載させていただきます。予めご了承ください。】 ――銀河系最大の“テラドンキ“に立ち寄った僕が、七色に光るゲーミング奴隷と逃避行すること。 (パンフレットより抜粋)  本作が4つの短編によることは先に触れた。全体の構成という視点からみたとき、今回の「ドン・キホーテの星」は、序破急でいうところの「破」だな、と思うなどした。比較的淡々とした演目が続いた流れでサーブされる

          呼ぶ声はいつだって悲しみに変わるだけ〜「片目で立体視の星間飛行」観劇録③〜

          舞台「オデッサ」体験録 〜言葉、ことば、コトバ!〜 【~ふわふわへんくつ・へんげきじんばんがいへん~】

          【本文は読了までに10分かかります。ご参考までに】 アメリカ、テキサス州オデッサ。 1999年、一人の日本人旅行客がある殺人事件の容疑で勾留される。 彼は一切英語を話すことが出来なかった。 捜査にあたった警察官は日系人だったが日本語が話せなかった。 語学留学中の日本人青年が通訳として派遣されて来る。 取り調べが始まった。 登場人物は三人。 言語は二つ。 真実は一つ。 密室で繰り広げられる男と女と通訳の会話バトル。(イントロダクションより一部抜粋)  今年1月、東京公演を皮切

          舞台「オデッサ」体験録 〜言葉、ことば、コトバ!〜 【~ふわふわへんくつ・へんげきじんばんがいへん~】

          「劇団モリオカ市民」第9回公演「MORIOKA CHRONICLEⅡ 盛岡バスセンターものがたり」を昨日鑑賞。感想は以下リンクから。 いろんなプラットフォームにアカウントがあると便利だな。 https://bsky.app/profile/shimapuddi0226.bsky.social/post/3kmr5yz6wbj26

          「劇団モリオカ市民」第9回公演「MORIOKA CHRONICLEⅡ 盛岡バスセンターものがたり」を昨日鑑賞。感想は以下リンクから。 いろんなプラットフォームにアカウントがあると便利だな。 https://bsky.app/profile/shimapuddi0226.bsky.social/post/3kmr5yz6wbj26

          ひょっとしてアレか、「不適切にもほどがある!」ってタイトルはコンプラ的な意味だけじゃなく、SFとして「タイムスリップもので過去を変える」という禁忌を犯す、という意味も含んだダブルミーニングっていう……

          ひょっとしてアレか、「不適切にもほどがある!」ってタイトルはコンプラ的な意味だけじゃなく、SFとして「タイムスリップもので過去を変える」という禁忌を犯す、という意味も含んだダブルミーニングっていう……

          時間が作れず追えていなかった「おっさんずラブリターンズ」に、公式配信のダイジェスト映像でギリギリ駆け込んだ。ピュアなラブストーリーだった1期を基に、製作陣が彼らの「その後」と「名前のない関係性」を真摯に作り込んでいたことが窺えて泣きそう。今夜の最終回、滑り込ませてください……!!

          時間が作れず追えていなかった「おっさんずラブリターンズ」に、公式配信のダイジェスト映像でギリギリ駆け込んだ。ピュアなラブストーリーだった1期を基に、製作陣が彼らの「その後」と「名前のない関係性」を真摯に作り込んでいたことが窺えて泣きそう。今夜の最終回、滑り込ませてください……!!

          呼ぶ声はいつだって悲しみに変わるだけ〜「片目で立体視の星間飛行」観劇録②〜

          【本文は読み終わるまでに約4分かかります。また、短編作品のうち一作品にのみ触れており、他の演目については後日記載させていただきます。予めご了承ください。】  「片目で立体視の星間飛行」について、昨日から感想を書いている。  第1.5章と銘打たれた「たかしの星」は、章立てに表れているように、他の章とは毛色が異なっていた。物語の舞台も時間もぼかされていて、フワッと始まりフワッと終わる、ごく短く軽妙な会話主体の演目。それでいて、突き詰めて考えてみると深みにハマっていく一編である。

          呼ぶ声はいつだって悲しみに変わるだけ〜「片目で立体視の星間飛行」観劇録②〜

          呼ぶ声はいつだって悲しみに変わるだけ〜「片目で立体視の星間飛行」観劇録①〜

          【本文は読み終わるまでに約4分かかります。また、短編作品のうち一作品にのみ触れており、他の演目については後日記載させていただきます。予めご了承ください。】  忘れたくない後味だった。  なんなら今でも反芻(はんすう)している。うおォン。俺はまるで反芻の星の住人だ。  何のことかは言うまでもなかろう。先週末に行われた公演・片目で立体視よっつ目「片目で立体視の星間飛行」である。 そこはあらゆるものが存在し、あらゆる望みが叶う場所。 宇宙の中心に位置し、銀河系人口の1割が住む巨

          呼ぶ声はいつだって悲しみに変わるだけ〜「片目で立体視の星間飛行」観劇録①〜

          「片目で立体視の星間飛行」をきっかけに、矢野顕子の「星の王子さま」をデジタル配信で購入。イントロの切なさがとてもいいんだ。 https://music.apple.com/jp/song/%E6%98%9F%E3%81%AE%E7%8E%8B%E5%AD%90%E3%81%95%E3%81%BE/1536771158

          「片目で立体視の星間飛行」をきっかけに、矢野顕子の「星の王子さま」をデジタル配信で購入。イントロの切なさがとてもいいんだ。 https://music.apple.com/jp/song/%E6%98%9F%E3%81%AE%E7%8E%8B%E5%AD%90%E3%81%95%E3%81%BE/1536771158