戸田山和久

戸田山和久『論理学をつくる』感想

戸田山和久『論理学をつくる』感想

急に読書欲に目覚めたので、大学図書館で借りてきて読んだ。 哲学書コーナーでパラパラめくって、記号論理学についていい感じに嚙み砕かれてそうだから借りたが、読んでみると大学講義に使うのを想定した教科書だった。学部キャンパスの図書館で、他学問の教科書に巡り合えたのは幸運だった。 内容については、第一印象通り、初学者向けにかなり噛み砕いて解説されている。「そもそも論理学とはなんぞや」というところからスタートし、道中で武器が必要になるたび、その武器の必要性を説きながら揃えていくので

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日記(2021/8/1):読書要約をやっていたら今日が終わってしまった。マジかよ(注:論理と集合と数の専門的な話)

日記(2021/8/1):読書要約をやっていたら今日が終わってしまった。マジかよ(注:論理と集合と数の専門的な話)

1.集合論と論理学のループ(に見えるもの)とある事情で論理学の本の要約をしていました。 昔から疑問があって、 「通常、数学基礎論の核心である集合論は、やはり数学基礎論の核心である論理学を使う。 しかし、論理学の中に、集合っぽい何かや数っぽい何かが使われているように見える。 平たく言うと、集合論と論理学がループしているように見える。 こういう循環定義はおかしい。 フローチャートめいた、ループのない完全な有向グラフが描けてなければならない」 というところで、これを解

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世の中は常にディストピア禍かもしれない(100分de名著:レイ・ブラッドベリ『華氏451度』)

世の中は常にディストピア禍かもしれない(100分de名著:レイ・ブラッドベリ『華氏451度』)

今日、東京は4度目の緊急事態宣言下となった。 良いことも悪いことも、何度も続けば「慣れ」てくる。 「冗談じゃない!」と激しく憤怒している人がいる。しかし同じくらい「仕方ないか」と諦めている人もいる。温度差は、立場や役割によっても違う。感情の出どころも千差万別だ。 2021年は、大半が緊急事態で塗り潰されている。 「いつまでマスクをつける?」 「ワクチンは打つべき?」 「飲食店はお酒を提供すべきでない?」 「不要不急の外出は自粛すべき?」 「オリンピックはどうする?」

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「NHK出版新書を探せ!」第18回 カップラーメンでも哲学の議論はできる――源河亨さん(哲学者)の場合

「NHK出版新書を探せ!」第18回 カップラーメンでも哲学の議論はできる――源河亨さん(哲学者)の場合

 突然ですが、新書と言えばどのレーベルが真っ先に思い浮かびますか? 老舗の新書レーベルにはまだ敵わなくても、もっとうちの新書を知ってほしい! というわけで、この連載では今を時めく気鋭の研究者の研究室に伺って、その本棚にある(かもしれない)当社新書の感想とともに、先生たちの研究テーマや現在考えていることなどをじっくりと伺います。コーディネーターは当社新書『試験に出る哲学』の著者・斎藤哲也さんです。  ※第1回から読む方はこちらです。 〈今回はこの人!〉 源河 亨(げんか・とお

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読書メモ『教養の書』

読書メモ『教養の書』

戸田山和久の『教養の書』を読み終えた。先日読み終わった『思考の教室』と重複する内容もあるが、「両方を読めてよかった」という思いが強い。本書の内容をたどりつつ、個人的に重視したいポイントをメモしていきたい。 序論:大学の意義論本書は主として、これから大学で学んでいこうという若者に向けて書かれたものだ。序論では大学教育の意義論が扱われる。大学という機関が若者を教育し、社会に送り出す、その意義は何だろうか。 大学の学びと言えば、以下のような言説に覚えはないだろうか。 「大学で

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読書メモ『思考の教室』

読書メモ『思考の教室』

まず、キミのアタマは、そもそも「よく考える」ことにあまり向いていない。私のアタマもそうだ。私たちはナチュラル・ボーン・アホである。にもかかわらず、科学は三つの手段を備えることで、人が生まれながらにしてもっているアホさかげんを乗り越えてきた。だったら、もっと「じょうずに考える」ことができるようになりたい、とキミが思うなら、科学のやりかた(アホ乗り越えメカニズム)の真似をして、それを取り入れればよい。このことは、科学者になるかならないかとは関係なく、キミの役に立つはずだ。 (第6

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『思考の教室』より、ダメな思考回路についての抜き書き

『思考の教室』より、ダメな思考回路についての抜き書き

思考の教室では、論理的思考の技術を習得することが必要な理由として、人間の脳が論理的思考に向いていないことを指摘している。 さらに、その帰結として陥りがちな、「疑似論理的思考」や「集団思考」について、具体的な内容が整理されていた。 その内容がとても面白かった。折に触れて見返すことが重要な内容だとも思うので、リスト化して整理しておきたい。 6種類の疑似論理的思考 ①同語反復 主張と根拠がまったく同じもの。少し複雑化させて偽装したものは循環論法や論点先取とも呼ばれる。 「

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「科学とは何か」きちんと理解する…『「科学的思考」のレッスン』(戸田山和久)読書ノート

「科学とは何か」きちんと理解する…『「科学的思考」のレッスン』(戸田山和久)読書ノート

●事実≠理論という当たり前の”事実”  「りんごが落ちる」は事実、「りんごは重力によって落ちる」は理論。  「進化論は、事実ではなく、理論にすぎない」というCreationistの主張は、進化論の価値を少しも貶めていない。 ⇒しかし、だからといって「『Creationism』と『Theory of Evolution』はどちらも事実ではなく理論なのだから”同列に””同じくらいの重要事項として”扱うべきだ!」という主張は些かおかしい。それはなぜか?⇩ ●理論と事実の間には明確

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随筆(2021/1/1):謹賀新年を兼ねて、年始のご挨拶

随筆(2021/1/1):謹賀新年を兼ねて、年始のご挨拶

1.ご挨拶 あけましておめでとうございます。 2.去年果たしたこと 2_0.去年果たしたこと 去年は39から40になる人生の節目であり、この歳になってなお成長する、価値観レベルで変わるところがありました。 (39から40になって、まだ成長がどうとか言ってるのか。ガキでは?) (えー。39から40になって停滞するよりマシでは? 停滞、あることだけど、避けたいっすよ) (いい大人は停滞も呑み込むんだよバァカ) (そうでっか。いい大人になれてない俺は、そこまで行けてないし、

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戸田山和久『思考の教室──じょうずに考えるレッスン』——さあ、答え合わせをしてみよう!《解答と解説編②》

戸田山和久『思考の教室──じょうずに考えるレッスン』——さあ、答え合わせをしてみよう!《解答と解説編②》

 練習問題6~10の解答と解説を見ていきましょう。  ※練習問題6~10はこちらです。 問題6 ツッコミについてさらにツッコんでみよう 解答と解説 (1)「背理法」で考えてみる。つまり、この推論に反例があると仮定して考えていくと、おかしなことになるかどうかを試してみよう。  この推論に反例があるとする。つまり2つの根拠が正しいのに、主張は間違いというケースがあるとしよう。その場合、主張「Bである」は間違いだから、Bではない。根拠2は正しいと仮定しているから、Aである。そ

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