スペイン文学

フリオ・リャマサーレス『黄色い雨』(河出文庫、2017年)を読みました。

スペインの村から次々と人が離れ、ついに自分と妻とペットの犬だけになる。そして、妻は寂しさのあまり自死する。そして犬を自ら撃ち殺し、自分もまた死に向かう過程を美しく描いた小説でした。日本の小説でこのようなものは読んだことはなくその文体の美しさとともに衝撃でした。

本書より・・・

川岸で過ごしたあの夜から、雨は日毎私の記憶を水浸しにし、私の目を黄色く染めてきた。私の目だけではない。山も。家々も。空

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電子書籍で読める近世ヨーロッパ文学・哲学書

 前回の記事(https://note.com/yskmas_k_66/n/n07771dd0c0bb)では、電子書籍で読める古代オリエント・古代ギリシア・古代ローマ・中世ヨーロッパの文献を紹介しました。今回の記事は、その第二弾、電子書籍で読める近世ヨーロッパの文学書・哲学書です。時代的には1453年から1789年くらい ¹⁾までの、地域的にはブリテン島・アイルランド島・イベリア半島およびスペイン

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【4コマ読書記録】『ドン・キホーテ』第4章



Capítulo IV. De lo que le sucedió a nuestro caballero cuando salió de la venta

前章で宿屋の主人に「旅にはお金がいる」と教えられた後で、ドン・キホーテは一旦故郷に帰ることにする。その道中でいろいろな人に出会うのだが、だいたいドン・キホーテの側から無謀に突っかかり、喧嘩を売り、相手を困惑せる。そうして、本章の終盤でと

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【4コマ読書記録】『ドン・キホーテ」第3章



Capítulo III. Donde se cuenta la graciosa manera que tuvo don Quijote en armarse caballero

まだ冒険の序盤の序盤・第3章。ドン・キホーテに一国の城主だと思われている宿屋の主人。彼は主人公の思いつきの騎士叙任式に付き合わされ、めちゃくちゃ適当なラテン語を呟いて彼を遍歴の騎士にしてあげる。もともとドン・キホ

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【4コマ読書記録】『ドン・キホーテ」第2章

Capítulo II. Que trata de la primera salida que de su tierra hizo el ingenioso don Quijote

一晩で兜と槍と脳内ヒロインを準備した「行動の人」ドン・キホーテ、いよいよ冒険に出発します。ラ・マンチャの荒野を照らす灼熱の太陽。正気な人の脳味噌なら溶けてしまうほどの暑さでしたがドン・キホーテにはもうその脳味噌がない

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【4コマ読書記録】『ドン・キホーテ』第1章

17世紀スペインが産み出した大傑作『ドン・キホーテ』。なんと世界で一番売れている小説とも謳われています。日本国内では「ドンキ」といえば某量販店を思い浮かべる方も多いと思いますが……。稀代のエンターティナー、作者セルバンテスの文章の面白さは、以前にこの小説の序文を読んだ感想でも書きました:

以降、原文(スペイン語)と翻訳(新潮社・荻内勝之版)の対訳読書を少しずつ進めています。1章を読み終えるごとに

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6

バリェ゠インクラン『独裁者ティラノ・バンデラス 灼熱の地の小説』訳者解題(text by 大楠栄三)

 2020年2月21日、幻戯書房は海外古典文学の翻訳シリーズ「ルリユール叢書」の第6回配本として、バリェ゠インクラン『独裁者ティラノ・バンデラス 灼熱の地の小説』を刊行いたしました。
 本書は「独裁者小説」の先駆的作品として、スペイン文学のみならず、ガルシア゠マルケス、フエンテス、カルペンティエールらラテンアメリカ文学を代表する後世の作家にも引き継がれていきます。刊行直後にスペインのベストセラー小

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水声社さんのシリーズでは〈セルバンテス全集〉にも興味があるけれど、さすがに各巻定価八千~一万円では隙間風吹きやまぬ台所事情が許さない。この作品集は図書館を利用した方がよいかも。でも自室にならべたい気持ちも強くて煩悶する。
http://www.suiseisha.net/blog/?p=6700

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東京創元社/ハビエル・マリアス/白川貴子=訳『執着』
出勤前にカフェで見かける夫婦を襲う悲劇。愛する人物が覘かせる暗い影。推測に基づく登場人物の物語が交差することで物語は迷宮と化す。それは〈脱線〉と言えば〈脱線〉だが、本作を引き立てる鍵はその〈脱線〉にあると言っても過言ではない。

Grazie(´ω`人)
3

河出書房新社さんからエンリーケ・ビラ=マタス氏の『パリに終わりはこない』が8月に刊行されるらしい。翻訳は木村榮一氏。邦訳は『バートルビーと仲間たち』『ポータブル文学小史』2作だけのビラ=マタス作品。河出さんが新しい風を送ってくれる。
http://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309207315/

धन्यवाद(´ω`人)
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