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【4コマ読書記録】『ドン・キホーテ」第2章

Capítulo II. Que trata de la primera salida que de su tierra hizo el ingenioso don Quijote

一晩で兜と槍と脳内ヒロインを準備した「行動の人」ドン・キホーテ、いよいよ冒険に出発します。ラ・マンチャの荒野を照らす灼熱の太陽。正気な人の脳味噌なら溶けてしまうほどの暑さでしたがドン・キホーテにはもうその脳味噌がない(?)ので無事に行き倒れることなく宿に辿り着きました。

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ここでの出来事がギャグの連続……。まず最初に出迎えた宿の主人は castellano(カスティーリャ人)と自称しますが、ドン・キホーテはこれを castellano(城主)と取り違え、自分が到着した施設も宿ではなく立派な城だと思い込みます(でも宿の主人はカスティーリャ人でさえなくアンダルシア人でした)。疲れたドン・キホーテは「腹が減っては戦もできぬ! 腹が減っていてはこの甲冑の重さにも耐えられぬ!」と駄々をこねて食べ物を要求しますが甲冑を脱ぎたがりません。その前の晩に一生懸命に工作した兜を脱がせようものなら断ち切らんばかりの殺気でなお食卓を要求します。仕方がないので宿の人たちは彼の兜に棒を突っ込んでワインを鹿威しのように流して無理矢理ドン・キホーテの口に流し込みました。序盤のクライマックスはここでもいいんじゃないかと思うくらい、本作で最も好きなシーンの1つです。rtveの1992年のドラマ版で同じシーンを見たときの衝撃は忘れられません。

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(本編23分あたり。やらされている方も大変そう……)

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