かもめマシーン

「聞くこと」のインタラクション ── 『もしもし、わたしじゃないし』参加者座談会

21年2月11日〜14日、かもめマシーンではTPAMフリンジの参加作品として、『もしもし、わたしじゃないし』を上演した。2020年9月に初演されたこの作品は、今回、20ステージが行われ、20人の観客が自室や屋外など、それぞれの場所で「口」の話に耳を澄ませていた。

この作品は、電話回線を通じて1対1で上演される。それは、俳優と観客とが同じ時間・場所を共有しないという意味での特殊な体験となるのみなら

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かもめマシーン2020年の活動まとめ

かもめマシーンでも例に漏れずコロナ禍で大きな影響を受けましたが、通り一遍な挨拶は省いて、そんな中で行っていた活動の紹介! (萩原)

俺が代 無観客公演@本多劇場

5月には、ルーマニアで『しあわせな日々』を上演予定だったものの延期。その代わり『アートにエールを!』に参加するために、空いていた本多劇場を使って俺が代の無観客公演を実施。撮影は、京都公演の折に出会った丹下紘希さんです。

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「もしもし、わたしじゃないし」  参加者座談会レポート<後編>

(前編はこちら)

電話線を舞台に、観客と1対1で行われる演劇作品『もしもし、わたしじゃないし』。この作品の上演終了後、参加者の方々とともにオンラインでの座談会を開催。この第2回目の模様をまとめた。

6人の参加者が加わって行われた2回目の座談会では、電話で行われるこの形式ならではの体験をしたという肯定的な意見の他にも「どう聞けばいいのかわからなかった」といった戸惑いの言葉を語る参加者もみられた。

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「もしもし、わたしじゃないし」  参加者座談会レポート<前編>

サミュエル・ベケットが1972年に書いた戯曲『わたしじゃないし』を原案とした、かもめマシーンによる演劇作品『もしもし、わたしじゃないし』。

俳優の清水穂奈美が電話を介して相対する観客は、1ステージにつきたった1人。電波の良好な場所であれば、どこでもこの上演に参加することができ、開演時間も予約時に観客自身が指定可能。劇場に集まり、他の観客と共に観客席で舞台を観る通常の作品とは、全く異なる演劇体験を

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「もしもし、わたしじゃないし」にあたって

感染症は、公共を大きく変えた。

いまだに、電車に乗ることには忌避感があるし、かつてなら無視できた街の中や電車の中にいる少し変わった人を無視できなくなっている。

他者が怖いのだ。感染させられるような気がするから(自分は罹ってないと思っているのだから随分身勝手だ)。

正確に言えば、感染症は公共を変えてない。

感染症が生み出した不安が、私の中の他者の姿を変えた。他者の身体は汚いものであり、リスク

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2018年の『しあわせな日々』のために ─場所/身体/政治/その他─

以下は、演劇批評誌『紙背』vol.4に掲載された、『しあわせな日々』の演出ノート再録、および2019年に横浜のthe CAVEで収録した同作の上演記録映像全編(英語字幕付き)です。

シアターコモンズ'18でこの作品を初演した際に考えていたことがまとめられています。利賀演劇人コンクールへの参加をきっかけにして取り組み始めた『しあわせな日々』という戯曲も、気づいたらもう5年目(!)。TPAMでの再演

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「憲法演劇」から比較した日独の「公共」

18世紀末に建造されたブランデンブルグ門は、日本人にとってあまり魅力的な観光名所が多くないベルリンにおいて、数少ない観光地として旅行ガイドには必ず掲載される場所です。プロイセン王国によって建造されたこの凱旋門は、冷戦時代には東西ベルリンの境界に位置する分断の象徴であり、統一後には統合の象徴として機能してきました。

2018年10月、このブランデンブルグ門前につくられた特設ステージで、『GRUND

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ルーマニア公演の延期について

本来であれば、本日は『しあわせな日々』ルーマニアのブカレスト、クルージュの2都市ツアー初日でした。昨年2月から助成金申請や、日程調整や、現地に実際に行って話したり、わざわざ羽田まで出向いてカタール航空のカウンターに行き、「このバカでかい鉄の塊運んでくれるの? ほんと? Webでは大丈夫って書いてあるけどほんと?」と問い詰めたりとあれやこれやを重ねて来たわけですが、このご時世なので延期になりました。

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日本国憲法を読む会@ZOOM まとめ

新型コロナウイルスの感染拡大による緊急事態宣言が出された中で迎えた、2020年の憲法記念日。外出自粛要請が出され、イベントの開催ができない中、ZOOMを使って「日本国憲法を読む会」を開催した。

この日は、前半に日本国憲法の前文、第一章、第二章、第三章を輪読。さらに、憲法制定当時の国会において行われた尾崎行雄の演説を輪読し、後半には、各自、これらのテキストから受けた印象を話した。

日本国憲法
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福島でゴドーを待ちながら<ドキュメント>

このテキストは、私が主宰する演劇カンパニー「かもめマシーン」が、2011年に上演した「福島でゴドーを待ちながら」という作品の背景や制作過程を記したドキュメント、あるいはルポタージュです。上演の様子を収めた動画はYouTubeに掲載しています。

この作品は、性質上「再演」こそ行っていませんが、ローマ市演劇記念館や早稲田大学演劇博物館などで記録が展示され、国内外の論文や文献でも取り上げられました。演

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