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「もしもし、わたしじゃないし」にあたって

感染症は、公共を大きく変えた。

いまだに、電車に乗ることには忌避感があるし、かつてなら無視できた街の中や電車の中にいる少し変わった人を無視できなくなっている。

他者が怖いのだ。感染させられるような気がするから(自分は罹ってないと思っているのだから随分身勝手だ)。

正確に言えば、感染症は公共を変えてない。

感染症が生み出した不安が、私の中の他者の姿を変えた。他者の身体は汚いものであり、リスクであると認識すること、それが感染症予防の第一歩である。だから、公共へのイメージが変わってしまった。

電話を使って演劇をする。演劇だから、きっと俳優は一方的にしゃべるだろう。

でも、それはあなたが聞いているから成立する。きっとあなたが聞いているだろうと「信頼している」から成立する。その信頼が、私とあなたの間に、とても小さな公共を作ってくれるのではないかと思う。

https://www.kamomemachine.com/moshimoshi


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サミュエル・ベケットによって書かれた
「口(くち)」と「聞き手」による二人芝居「わたしじゃないし」。
この作品を原案として、電話線の上で「演劇」を上演する。
電話の向こうにいる「口」に語りかけられる時、
たったひとりでその言葉に耳を澄ます観客の身体には、
いったい、どのような感覚が立ち現れてくるのだろうか?

​─公演概要
2020年9月23日(水)/24日(木)/25日(金)

各日3回上演​

料金:無料

諸注意:
※この作品は、電話回線による音声通話を用いて上演されます。携帯電話をご利用の場合、通信環境の良好な場所でご参加ください。​

※この作品は観客が開演時間を選択することができます。各日0:00〜23:59の間で、ご都合のよい時間帯を第2候補まで指定してください。

※上演時間は、最大30分程を予定しています。
※9月26日14時/19時より、参加者を交えたzoomでの座談会(一般には非公開、後日アーカイブ化いたします)を実施します。今回の上演のご予約については、どちらかの座談会に参加可能な方を優先いたします。

予約受付:

9月15日 19:00より受付開始

Q&A:
(随時追記していきます。ご質問がありましたら info.kamomemachine@gmail.com までお送りください)

・海外からの参加は可能でしょうか?
→今回、通話アプリではなく電話回線を使うために、海外からの参加はお断りしております。申し訳ありません。


───クレジット───
原案|サミュエル・ベケット
「わたしじゃないし」(翻訳:岡室美奈子)
演出|萩原雄太
出演|清水穂奈美
舞台監督|伊藤新(ダミアン)
制作|清水聡美

記録撮影|荻原楽太郎
助成|公益財団法人セゾン文化財団
主催|かもめマシーン

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