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演劇のテクニック

丸善名古屋本店で、「声に出して読む憲法」というイベントを行ってきた。
書店でのイベントということもあり、参加したのは、演劇の経験もない人ばかりだった。

こういう企画を積極的に引き受けたいと思っているのは、演劇は芸術コンテンツのいちジャンルではなく、あるテクニック、あるいは、ある知性の集積なのではないかと思っているからだ。

今回、やりたかったことの一つが、「演劇は、テキストを『読む』テクニックを持っている」ということ。そして、そのテクニックに当てはめて、憲法前文を読んだらどうなるか、ということ。およそ1時間強をかけて、1ページにも満たないテキストを読んだ。

頭と身体という二元論に切り分けすぎるのはよくないけれども、黙読によって頭で理解するまでの所要時間と、身体で理解するまでの所要時間は大きく異なる。後者の方が圧倒的に遅い。だから、多くの分量を読むことはできない。それでも、身体の時間でテキストを読むことによって、頭の時間でテキストを読むよりも、はるかにその豊かさに気づくことができる。参加してくれた人も、憲法の前文が持つ、ある豊かさに気づいてくれていた(豊かであることと、このテキストが『優れた』テキストであるかどうかはまた別の問題。為念)

ただ、前日までどうしようか悶々と悩んで、新幹線の中で「なんで引き受けちゃったんだろう……」と後悔していたのは内緒だ。

そんなわけで、名古屋公演は19日(金)と20日(土)です。我々としては初の名古屋公演。我々の翌日には、笠井叡による『日本国憲法を踊る』も上演され、セット券も販売しています。あと、18日に行われるゲネプロは高校生無料です。


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