かもめマシーン

2007年より東京都を中心に活動。個人的な身体と社会との関わりにフォーカスを当てた作品を上演することを特徴とし、気功や太極拳などの身体メソッドを応用しながら独自の身体を模索 https://www.kamomemachine.com/

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2007年より東京都を中心に活動。個人的な身体と社会との関わりにフォーカスを当てた作品を上演することを特徴とし、気功や太極拳などの身体メソッドを応用しながら独自の身体を模索 https://www.kamomemachine.com/

    最近の記事

    「痛み」を共有した時代の憲法──日本国憲法を読む会レポート

    かもめマシーンの場合(そして、多くの演劇作品の場合)、中心にあるのはテキストです。テキストを中心にしながら、どのように作品を立ち上げていくのかを話し、悩んだら、テキストに立ち戻る。数ヶ月の稽古期間中、ずっと、繰り返しテキストを読み、話し合いながら、上演にまでたどり着きます。 そんな演劇の「読む」という技術を応用して行われるのが「日本国憲法を読む会」。 去る5月28日、かもめマシーンでは「日本国憲法を読む会」を行いました。日本国憲法をテキストとして使用した作品『俺が代』の関

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      • 小さく、細かく、具体的に──『もしもし、あわいゆくころ<試演会>』座談会

        2020年より、かもめマシーンが取り組んでいる「電話演劇」の最終章としてつくられた『もしもし、あわいゆくころ』。この作品は、瀬尾夏美による『あわいゆくころ』(晶文社)と、吉田恭大による『光と私語』をテキストとして、電話回線上で上演されます。 2022年4月、6月に予定された本公演に先駆けて、この作品の試演会を実施。携帯電話と携帯電話をつなぐという環境は、特設の電話ボックスを使用するという本番の環境とは異なるものの、本公演を前にしたトライアルとして、12名の観客に、いち早く本

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        • だらしなく、いっしょに生きる──大崎清夏『炊飯器』が描く政治

          世の中には「政治的な」作品というものがある。 リアルな政治的な問題を取り扱った作品は、演劇においても数多く作られてきて、私自身もそれに加担してきたという自覚がある。日本国憲法を使った作品や、原子力発電所の事故を背景にした作品を上演しているのだから否定しようにも否定できない。 でも、私自身は、永田町の動きに詳しい人間では決してないし、社会正義に溢れる人間でもない。恥ずかしながら、選挙に行くようになったのだって、選挙権を獲得してからだいぶ後のことである。 今回は、私が「政治

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          • 文化芸術復興創造基金 活動報告

            かもめマシーンでは、YPAMフリンジ参加作品として『もしもし、シモーヌさん』を上演しました。この公演は、芸術文化振興基金の「文化芸術復興創造基金」に採択されて、100万円の助成金を得て行われた活動です。 この助成金の概要は以下の通り。 本記事では、この助成金に採択された活動報告として、「もしもし、シモーヌさん」に至るまでの経緯、そして成果を記します。 電話演劇とは? かもめマシーンでは、2020年より「電話演劇」という形態の作品を上演しています。これは、電話回線を通じ

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            • 3分でわかる! かもめマシーンの2021年

              案の定コロナ禍が終わらず、舞台芸術界隈は引き続き難しい活動を強いられた2021年。しかし、かもめマシーンでは、例年にも増して多くの活動をし、活動ごとにしっかりと成果を得ることができ、充実した1年となりました。 とはいえ、そもそものキャパが少なかったり、地方での上演だったりばかりが続き、なかなか活動を追うのが難しい。そこで、2021年の振り返り! 1.もしもし、わたしじゃないし 2月に開催されたTPAMフリンジにて実施。さらに、6月から早稲田大学演劇博物館で開催された『ロ

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              • 演劇と信託──かもめマシーン沖縄滞在制作記

                沖縄が好きだ。 これまで足を運んだのは3〜4回に過ぎないが、気候は温暖だし、空気の密度もゆるい。まぬけな顔をして美しい自然をぼーっと堪能することもできる一方で、太平洋戦争のことや、基地問題を始めとする周縁の地政学についても真面目に考えられる。独自の信仰やそれに基づく民俗芸能などもたまらない。つまり、とても肌に合っている。 かもめマシーンでは、2021年10月、那覇市にある『わが街の小劇場』で、『しあわせな日々』の滞在制作および発表公演を行った。もちろん、この背景には「沖縄

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                • なぜ、電話演劇か ── 薄暗い場所から公共を生み出すこと

                  「コロナで劇場が使えないから、変わった演劇を始めた」 そのように直接言われたわけではないけれども、我々が行っている「電話演劇」という形に対して、少なくない人がきっとそのように受け取っているんじゃないかと思う。まあ、そりゃそうだ。「普通の演劇」とは異なって、劇場を使わずに電話ひとつでできるし、照明や音響なども必要ない。一回の上演につき、一人しか参加することはできない。リアルタイムで言葉が向けられるのは普通の演劇と一緒だが、「自分だけに対して」というシチュエーションはだいぶ意味

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                  • 「聞くこと」のインタラクション ── 『もしもし、わたしじゃないし』参加者座談会

                    21年2月11日〜14日、かもめマシーンではTPAMフリンジの参加作品として、『もしもし、わたしじゃないし』を上演した。2020年9月に初演されたこの作品は、今回、20ステージが行われ、20人の観客が自室や屋外など、それぞれの場所で「口」の話に耳を澄ませていた。 この作品は、電話回線を通じて1対1で上演される。それは、俳優と観客とが同じ時間・場所を共有しないという意味での特殊な体験となるのみならず、観客と観客ともまた同じ時間・場所を共有しないことを意味する。 それぞれの観

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                    • かもめマシーン2020年の活動まとめ

                      かもめマシーンでも例に漏れずコロナ禍で大きな影響を受けましたが、通り一遍な挨拶は省いて、そんな中で行っていた活動の紹介! (萩原) 俺が代 無観客公演@本多劇場5月には、ルーマニアで『しあわせな日々』を上演予定だったものの延期。その代わり『アートにエールを!』に参加するために、空いていた本多劇場を使って俺が代の無観客公演を実施。撮影は、京都公演の折に出会った丹下紘希さんです。 もしもし、わたしじゃないし 9月には新作「かもめ」の上演予定だったので緊急事態宣言の中でもずっ

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                      • 「もしもし、わたしじゃないし」  参加者座談会レポート<後編>

                        (前編はこちら) 電話線を舞台に、観客と1対1で行われる演劇作品『もしもし、わたしじゃないし』。この作品の上演終了後、参加者の方々とともにオンラインでの座談会を開催。この第2回目の模様をまとめた。 6人の参加者が加わって行われた2回目の座談会では、電話で行われるこの形式ならではの体験をしたという肯定的な意見の他にも「どう聞けばいいのかわからなかった」といった戸惑いの言葉を語る参加者もみられた。また、イレギュラーな形で参加することで、他の参加者とも異なった体験を獲得したとい

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                        • 「もしもし、わたしじゃないし」  参加者座談会レポート<前編>

                          サミュエル・ベケットが1972年に書いた戯曲『わたしじゃないし』を原案とした、かもめマシーンによる演劇作品『もしもし、わたしじゃないし』。 俳優の清水穂奈美が電話を介して相対する観客は、1ステージにつきたった1人。電波の良好な場所であれば、どこでもこの上演に参加することができ、開演時間も予約時に観客自身が指定可能。劇場に集まり、他の観客と共に観客席で舞台を観る通常の作品とは、全く異なる演劇体験を生み出した。 では、そんな作品を体験した観客は、どのように電話の向こうにある気

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                          • わたしじゃないし、主体だし ──『もしもし、わたしじゃないし』に寄せて

                            2020年9月、かもめマシーンは、サミュエル・ベケットの作品『NOT I』(邦題:わたしじゃないし、訳:岡室美奈子)を原案とした作品『もしもし、わたしじゃないし』を上演した。 (予告編動画) 1972年に発表された『NOT I』は、「口」と「聞き手」を登場人物とした作品。戯曲の指定では、暗闇の舞台上2m50cmの高さに浮かぶ「口」が、未熟児で生まれ、孤児院で育ちながら、70歳を迎えた「彼女(今回の上演においては「あの子」)」についての話をまくしたて、「聞き手」は時折、「同

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