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着こなし 担当:エロ司
肌を撫でるレーヨンの質感と、その間を吹き抜ける清風。夏は嫌いだが、敢えてひとつ好きなところを挙げるとするなら、三十枚近い柄シャツコレクションの中から一枚を選び、袖を通す瞬間を挙げるだろう。自分の所持している柄シャツは、着て街を歩けばどこで売っているのかと人に問われるような珍奇かつ淫靡な柄のものばかり。さすがにオーダーメイドというわけにはいかないが、柄シャツの柄選びと私服のコーディネートは、自分に
もっとみるとうめい 担当:かわかみなおこ
とんでもない話だが、まずは、右手が消えた。
朝ベッドからむくりと起きあがり、そのまま洗面台へ向かい顔を洗おうとした。洗顔フォームに手を伸ばすと、袖から先にわたしの手はなかった。
しかし洗顔フォームのチューブを掴むことはできる。
目の前の洗顔フォームは、ふよふよと浮き上がっているように見えた。
そうか消えたのではなく透明になったのだ、と寝ぼけた頭で気づき、一度ベッドに戻った。幸い今日は土曜で予定
ティーバック 担当:はおまりこ
「ティーバックのさ、あの紐の所あるじゃん」
「ええ…?!う…うん。」
「あれ、なんであんなに切れるんだろうね」
「切れる…の?ほどけるんじゃなくて?」
「ほどける?…ああ〜〜たしかにほどけるタイプもあるね。ほどけるのもほどけるのでなんかボロボロになるし、しかもすぐ茶色くなってヤダよね〜。」
「ちゃいろ…?…って!!ええええええ、そういうのまじで言わない方がいいよ?!」
「え?ならない?なるよね?」