かわかみなおこ

食べものをめぐるmg.というZINEの編集長。 怪異とあそぶマガジンBeːinGもつく…

かわかみなおこ

食べものをめぐるmg.というZINEの編集長。 怪異とあそぶマガジンBeːinGもつくってます。 珈琲とカレーと漫画と民芸品と鉱物が好きです。妖怪や民俗学も好みます。 絵を描いたり小説など文章を書いたり編集したり節操なしに色々やります。

マガジン

  • しりとり手帖

    • 30本

    しりとりをしながら、最後の音節で始まる言葉をテーマにした何かを担当メンバーが発信します。

  • mg. (えむじー)のあれこれ

    文学部出身メンバーがおとなになってつくりはじめたZINE「mg.」のあれこれ。 制作の裏話や、内容の紹介など。

最近の記事

2人展「CAFE TIME」のお知らせ

SNSで連日告知しておりますとおり、 7月2日から15日まで高円寺のカフェAtariさんにて、Sアトリエの同期であるこっこぱんさんと2人展を開催しております。 20代後半、とても気持ちが荒んでいた時期によく「30までには絵の展示をしたい」と思いながら金も余裕もなくてずっとやらなかったのですが、ここにきてやっと現実にできました。 Sアトリエには在籍して2年が経ち、なかなか通えない日も多いのですが手を動かす時間を作れたのが大きかったと思います。 今回の展示は、メインテーマがカ

    • 白ジャー 担当:かわかみなおこ

      恩田陸著「夜のピクニック」をご存知だろうか。 夜通し80キロほどの距離を高校生たちが歩くというイベント「歩行祭」を舞台にした物語だ。 さて、どうしていきなり小説の話を出したかというと、何を隠そう、わたしはこの物語の舞台である歩行祭の経験者だからだ。 毎年10月に全校生徒で約70キロほどを歩く、その行事の本当の名は「歩く会」。 行事の内容については、まさに夜のピクニックをお読みいただければ書いてあるといったところなのだが、わたしたちの高校のジャージはこの行事のために真っ白だ

      • mg.お取り扱い店舗一覧

        2024年5月現在(敬称略) 過去お取引のあった店舗様をご紹介しております。 すでに在庫がない可能性もございますのでご注意ください。 東京 ・アドバルーン商会(小平) ・甘夏書店(押上) ・機械書房(水道橋) ・そぞろ書房(高円寺) ・SAZARE BOOKS(新高円寺) ・POTATO CHIP BOOKS(立石) 千葉 ・甲羅文庫(市川) 埼玉 ・太原堂(熊谷) ・宵茶屋文庫(蓮田) 茨城 ・書店リコッタ(水戸) 神奈川 ・本屋 象の旅(横浜) 愛知 ・本屋

        • とまり木文庫はじめました

          かわかみ個人誌はぼちぼち出していたのですが、ヤナイ氏も新刊出すにあたって、レーベルを作ることにした。 mg.は元々は誌名だけれど最近はユニット名にも近いなと感じていて、mg.以外を並べつつも統一感を出すにはレーベルみたいにするかあと。 自分がレーベルか店を作るなら、「とまり木」を使いたいと思っていた。 これはわたし自身の人付き合いをあらわしていると思っている単語。 自分がとまり木みたいだな。誰かが寄ってきて、それで落ち着いたら去っていく。すこしさみしいけど、休んで元気になっ

        2人展「CAFE TIME」のお知らせ

        マガジン

        • しりとり手帖
          30本
        • mg. (えむじー)のあれこれ
          14本

        記事

          パイをめぐるのこと

          mg.も早くも8冊目、今号のテーマはパイです。 mg.は、なんとなくカレー以降はしょっぱい、甘いを交互にしてきた。 カレー>ケーキ>サンドイッチ>ドーナツ>からあげ 前回のさつまいもで、初の食材となりましたが、一応甘いカウントなのかなあと思っていた。 で、それだったら次はしょっぱいかなあ?ということで、今回上がった候補 ・豆腐 ・缶詰 ・おにぎり ・洋食 ・スナック などなど。 この中で、メンバー内では缶詰で盛り上がってそこに落ち着きそうだったんだけど、どうにもわたしがワ

          パイをめぐるのこと

          とうめい 担当:かわかみなおこ

          とんでもない話だが、まずは、右手が消えた。 朝ベッドからむくりと起きあがり、そのまま洗面台へ向かい顔を洗おうとした。洗顔フォームに手を伸ばすと、袖から先にわたしの手はなかった。 しかし洗顔フォームのチューブを掴むことはできる。 目の前の洗顔フォームは、ふよふよと浮き上がっているように見えた。 そうか消えたのではなく透明になったのだ、と寝ぼけた頭で気づき、一度ベッドに戻った。幸い今日は土曜で予定もない。連日の激務で疲れて夢と現実の境がないのかもしれない。あるいはこれが明晰夢

          とうめい 担当:かわかみなおこ

          ルビー 担当:かわかみなおこ

          わたしの誕生石は、ルビー。 けれど、どうしてもルビーが好きになれなかった頃がある。 あの赤い色が血のようで、ちょっとだけ不気味。 そもそもそんなに赤い色が好きではなかった。 姉とわたしでお揃いのものを買うときは、姉が赤でわたしは青だったし、「わたしの色」ではないと思っていたのかもしれない。 アクセサリーにしては色の主張が強くて、 大人になってからもアクアマリンとかオパールとか そっちの方がきれいでいいなあって羨んだ。 そんなわたしがルビーを好きになっていくきっかけは、鉱

          ルビー 担当:かわかみなおこ

          vol.7 さつまいもをめぐる のこと

          11/11文学フリマ東京37が終わりました。 弊ブースにお越しいただいた皆さまありがとうございました。 そんなわけで、新刊が無事出ました。 早いものでvol.7。今回のテーマは「さつまいも」です。 からあげ号の打ち上げがLINE通話だったのですが、その中で決まりました。決め手の証拠がこれしかない↓ パフェとかスコーンとかスナックとか。 さまざまあった中で一番「ああいうこともできそう、こういう話もしたい」などこだわりが生まれたのが今回さつまいもでした。 かくいう私も、さつま

          vol.7 さつまいもをめぐる のこと

          管(くだ) 担当:かわかみなおこ

          管が、地面からでてたんです。一本、にゅるりと。 なんでしょうね、ええと、エアコンの水が出る管があるでしょう。ちょうどあのような感じです。あれがね、新しく建てた家の台所の勝手口を出て少し先にあるんですよ。 そうですねえ、長さとしては30センチもないかしら。 地面に接してるところは竹みたいな細い棒が出てて、その先にだらんと管がついてるみたいな。柔らかい管を下に向けて垂らして、雨水とかが入らないようにしてるのかしら。てことは何かの排気口かと思うんだけど、そんなこと大工さんも不動産屋

          管(くだ) 担当:かわかみなおこ

          vol.6 からあげをめぐる のこと その2

          その1からすこしあいてしまいましたが、つづき。 どの企画も好きなんだけど、ヤナイ氏の「ゆで卵をつくるようにからあげをつくる」もとても良い文章だった。私は最近はめっきり料理をしなくなっているのだけれど、うっかり揚げ物ができるような気がしてくるから不思議だ。文章というものは、そういう力があるんだとしみじみ感動した。 この記事を読んだ人はそのあと家でからあげを揚げてる確率が高いというのがまたよい。 そして裏表紙イラストにもなった、中村氏のグラスへの絵付けを中心に据えたからあげ+

          vol.6 からあげをめぐる のこと その2

          vol.6 からあげをめぐる のこと その1

          やっと現状の最新号の話です。 ドーナツ(甘い)の後なので、次号がしょっぱいものになるのは暗黙の了解でした。が、実はからあげにすることはドーナツ号の制作時になんとなく決まります。 「妄想ドーナツ屋さん」でお菓子担当のみゆき氏の家でドーナツの制作過程を撮影しに行った後のこと。mg.メンバーに報告LINEをしたところ、家でドーナツを揚げているところから揚げ物鍋の話へ。 すでにvol.6を読んだ方ならお分かりかと思いますが、からあげ作りにこだわりのあるヤナイ氏がおすすめ鍋の話をす

          vol.6 からあげをめぐる のこと その1

          竜宮城 担当:かわかみなおこ

          しりとり手帖、第2回を担当しますかわかみなおこです。 普段は趣味でZINEを作ったり絵を描いたり文字を書いたりしてます。 しりとり>リカバリ>竜宮城(りゅうぐうじょう) と言うことで、竜宮城へ行きたい、女の子のおはなし。  夏の砂浜は焼けるように熱く、靴を履いていないと波の届くところまでは歩けない。しっとりとした波打ち際まできたところで、凪はビーチサンダルを脱いだ。  濡れた砂と乾いた砂のちょうど境目辺りにサンダルを綺麗に揃え、あとは裸足で海へと進んでいく。足の裏に濡れ

          竜宮城 担当:かわかみなおこ

          vol.5 ドーナツをめぐる のこと

          mg.を作るときに、「作れる時に作る」というゆるコンセプトを持って活動していたが、それが変化したのがこのドーナツ号です。 一番の理由は、イベント出店を決めたこと。文学フリマに向けて新刊を出そうと決めました。 とはいえ、わたしといえば、まずドーナツについての理解というか、自分の中にドーナツの蓄積や書きたいことがパッと思いつかない。 溝呂木一美さんのドーナツの本を買ったり、図書館でドーナツの本を探して読んだり。まずは自分の中のぼんやりとしたドーナツ像を少しでも固めようと情報を入

          vol.5 ドーナツをめぐる のこと

          mg.、外に出る

          mg.の制作当初は、あくまで身内配布+αに販売できればいいだろう、というスタンスで始めました。初回の「珈琲をめぐる」の発行部数は50部で、半分はメンバーに配布し、半分は表紙イラスト担当の五嶋奈津美氏の個展で売ってもらったくらい。 vol.3を作ったころから、これはこのままで良いのだろうかと漠然と感じ始めました。その頃に、私の当時の住まいであった本八幡にあるkamebooksさんを知り、取り扱いのお願いをします。 それが同人誌=通販or専門業者へ委託・後は即売会という選択肢しか

          mg.、外に出る

          vol.3から、vol.4のあいだにあったこと

          別件でnoteを使うことになりそうなので、せっかくだからこちらも再開させようかと思います。 前回、ちょうどvol.3できました、という報告が最後でしたね。 vol.3からvol.4の間は2年ほどの空白期間があったのです。 2020年にvol.3「ケーキをめぐる」を発行してからすぐ、mg.のグループLINEで次はサンドイッチにしようとはすぐ決まっていました。 ただ当時、メンバーのプライベートで色々あったので休み期間を設けることになります。元々、作れる時に作ろうというスタン

          vol.3から、vol.4のあいだにあったこと

          ことばの切れ端-2

          とどめれば喪われるのが言葉だと 文字に溢れた本屋で憶う 色々思いを巡らせているはずなのに、 簡単に言葉が消えていくと感じる毎日。

          ことばの切れ端-2