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クレープ 担当:ビロくん

散歩が趣味な私は気分転換にと、
適当な駅で下車して、街へと出かけた。


しりとり手帖に飛び入りで参加するビロくんです。
普段は会社員をしながら珍スポット巡りや雑貨作りの趣味と、大阪にあるミニコミ専門書店シカクのスタッフもしています。


いつも通り街を探索していると、青い看板に描かれたファンシーなイラストから視線を感じた。アウターのポケットからデジタルカメラを取り出し、何枚か写真を撮っていると、店内から甘い匂いで私を誘ってくる。

甘い物が大好きな私は、散歩をして消費するカロリー補給の口実として、ついつい足が止まってしまう外観のクレープ屋へ吸い込まれるように入店した。

東大阪市にある「PEPE」さん

店内に入りレジの方を見上げると、豊富なメニューと綺麗に並んだレイアウトに思わず微笑んだ。

レジ上のメニュー看板①
レジ上のメニュー看板②

「うーん」と考えながら、甘い生クリームたっぷりのクレープが食べたくてメニューを見ていた。メニューにはサブリミナル効果のごとく、甘いクレープの隙間にぽつぽつとサラダクレープが混ざっている。

私の中の好奇心が「ツナ&ポテトサラダ」クレープを気になってしまった。
「注文して失敗だったら別に甘いクレープを注文すればいいか」
簡単な覚悟を決めて、若い店員さんに少し照れながら注文を伝えた。

ずっしりと重みのある「ツナ&ポテトサラダ」クレープ

出来上がったクレープを受け取り「はは、これは失敗したかも」と頭の中で会話をする。とりあえず店員さんに声をかけて店内で食べる事にした。

椅子に座り「むしゃ」と口に入れると、驚くほど美味しかった。クレープのもちもち感とポテトサラダの酸味にツナマヨネーズのまろやかさ。そこに野菜のシャキシャキ感が口の中で混ざり合って、不思議な感覚に陥った。
おやつとしてのクレープよりかは、主食としてのクレープだ。

「めちゃくちゃありだな!」
この気持ちを店員さんに伝えたいけれど、
シャイな私は背筋を伸ばして「うんうん」と一人でうなずいた。

飲食に関しては新商品を選ぶよりも、
絶対に失敗したくない思いから、味がわかる定番商品を選びがちだ。
食べる前は楽しみにしていたのに、口にした途端「なんだこれ……」となる残念な気持ちが嫌だからである。

久しぶりに食の冒険をした。
未知の味わいに、驚きと喜びを見つけれたのが思わぬ収穫だ。

もう1件、主食としてのクレープが食べたくなった。

スマホで検索する前に、記憶をさかのぼってみた。
よく行くクレープ屋にも変わったメニューがあったなと思い出し、心変わりする前に急ぎ足で向かった。

大阪市阿倍野区にある「千成春屋」さん

店に到着するやいなやメニューを眺め、店で一番の主食であろうクレープを窓口で注文し、店内で食べさせてもらう事にした。

注文を受けたご主人は慣れた手つきで、生地を焼きながら「ガサゴソ」と電子レンジを操作している。冷蔵庫からキュウリを取り出しては、包丁で「トントン」とリズムよく刻んでいる。期待が高まる音がする。

注文したクレープがこちら

数あるメニューの中でも一番衝撃を受けたのが「おにぎり野菜ツナ入り」クレープだ。おにぎりは温かい焼きおにぎり。そこにマヨネーズであえたツナサラダが入ったクレープだなんて、見た目からボリュームたっぷりで凄い!

普段の生活において、焼きおにぎりとツナサラダの組み合わせで食べる機会なんてないはずだ。それをクレープの生地に包んで食べるんだから、脳内も見た目と味のギャップに仰天したはずである。

食べる前から「ニヤニヤ」が止まらない。
どう考えても「美味しそう」とは思えないからだ。

一口食べると独特な組み合わせが意外にも絶妙だった。口の中でクレープのもちもち感と、焼きおにぎりの香ばしさと、ツナサラダのまろやかさが広がった。これは予想外の美味しさだった。

ご飯を食べ終えた後の「ごちそうさま」をご主人に伝えて店から出た。

日常にちょっとしたワクワクを見つけてしまった。
好奇心を持ち続ける事は、新しい「何か」を見つけるきっかけになるんだなと、改めて感じる日になった。

でもね、次は甘いクレープを食べる気がする。

※ヘッダー画像は「クレープえんどう(大阪は寺田町駅)」さんの生地と生クリームが美味しくて食感も絶品なクレープである。

#しりとり手帖 #散歩 #街歩き #クレープ #大阪  


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