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noteに投稿した詩をまとめました。 (pixivでは、過去作や詩集等も投稿されてます。よければそちらもよろしくです!→https://www.pixiv.net/users/6…
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2024年2月の記事一覧

[詩]「正解のない旅路へ」

[詩]「正解のない旅路へ」

正解なんてない

心は移り気で

元の位置に戻ることはない

けれど

いつかはきっと

自分にあった答えを

この手に掴むだろう

私は私

信じたいものだけを信じて

やりたいことをやる

窓の外から溢れる太陽

身体を起こす

目を潰す程の輝きに

背を向けて歩く

毎日は何気なく過ぎていく

それでも

描きかけの絵みたいに

書きかけの小説みたいに

未完の物語が続いていく

そんな日々

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[詩]「1/366」#シロクマ文芸部

365日と1日

四年に一度の1日

ズレを合わせるための役割

時が狂わないように

繋ぎ止めている

三年間

空白の29日

そこにない筈の日が

浮かび上がる

0.3%じゃ当てはまらない

 

今年にだけあって

誰かの卒業まであうことはない

閏年

2/29

なんてことない1日だけど

同じ日はもう二度とこない

卒業までの時間を伸ばす

モラトリアムの寿命を伸ばす

春の準備期

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[詩]「針を抜いて。」

[詩]「針を抜いて。」

刺さった針を抜く。

手、腕、その次は心。

傷だらけの身体と心を拭く。

涙が溢れる。

少しずつ

痛みから抜け出す。

ゆっくりでいい。

私だって出来るはずだ。

そんな風に

自分を鼓舞して。

顔を拭って、針を抜く。

傷だらけの身体と心。

全身に

消毒液が染みていく。

絆創膏と包帯。

痛みと辛さのグラデーション。

滲むような思い出を

丁寧にしまいこむ。

良いことばかりじ

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[詩]「センチメンタル」

[詩]「センチメンタル」

街灯で輝く夜空。

いつもにみたいに

電車に乗る。

外に目をやると。

昔横切った

光の花束。

思いを馳せて。

花が咲いて。

時は経って。

花が散って。

また

咲いていく。



ここにあらず。

空白のようで。  

ただ。

綺麗なものだけ

見ていたいけど。

思い出すのは

苦い過去。

甘い幻想に

フラれて。

見えない心を

諦めて。

それが現実だと

受け入れ

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[詩]「動けないなら……」

どん底に落ちた暗闇の中。

身体が動かない。

 

先の見えない恐怖。

頑張っても結果が出ない絶望。

使い潰される嫌悪感。

身体が動かない。

心臓の鼓動がはやくなる。

動けない。

でも。

動けないなら。

恐らく私はこのまま死んでいく。

変われないまま死んでいく。

それが、ただ。

どうしようもなく。

嫌だった。

だから……

指が震える。

鼓動が高まる。

詩を詠う手す

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[詩]「410gone」

[詩]「410gone」

消えた作品は戻らない。

一度消されてしまったのなら。

誰かの努力の結晶が。

誰かの命の灯火が。

戻ってくることはない。

消えた作品。

消えた作者。

ひょっとしたら

今も何処かにいるのかもしれないけど。

戻りはしないだろう。

もう、会うことはないだろう。

ふと、そう思って。

自身の将来を憂う。

更新されないマイページ。

少しずつ増えていく再生数。

届かない

いいねとコ

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[詩]「空を飛んで」

[詩]「空を飛んで」

こうするしかなかった。

他に道もあったかもだが。

心がそれを許さない。

いつも見ていた

あの空が好きだった。

何処までも続くその空は。

窮屈な私の心を広げた。

今に満足する気持ち。

満足できない気持ち。

天秤にかければ。

空の下を駆けていた。

それはきっと

綺麗だったから。

求めてしまった。

それで身を滅ぼすと知っていても。

戦うのはいつでも心地よかった。

好きなこ

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[詩]「一人じゃないから。」

[詩]「一人じゃないから。」

夜明け前。

街の雑踏を一人。

広い世界でただ一人。

駅に向かって歩いていく。

不安なことも多いけれど。

不思議と心は安らいでいた。

そうだ。

人間社会の中で生きる

大きな世界のちっぽけな私。

両手いっぱいの孤独感。

それでも。

一人じゃないんだ。

何が出来るかなんて

知らなくても。

自分の価値を知らなくても。

死にたくなくて。

生きていたくて。

今日まで生きてきた

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[詩]「青写真とさようなら。」 #シロクマ文芸部

[詩]「青写真とさようなら。」 #シロクマ文芸部

青写真を描く。

妄想だらけのライフプラン。

計画立てただけの

テスト期間の過ごし方。

さよならを描く。

「また会う日まで。」

今が、

きっとその時だ。

シアノタイプの思い出。

鮮やかなあの景色も。

大好きだったものも全て。

過去はやがて

私だけの作品になって。

気付けば、

苦しみも薄れて。

また、歩けるようになる。  

青空の下で目を開ける。

理想にまみれたライフ

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