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[詩]「410gone」

消えた作品は戻らない。


一度消されてしまったのなら。


誰かの努力の結晶が。


誰かの命の灯火が。


戻ってくることはない。


消えた作品。


消えた作者。


ひょっとしたら

今も何処かにいるのかもしれないけど。


戻りはしないだろう。


もう、会うことはないだろう。


ふと、そう思って。


自身の将来を憂う。


更新されないマイページ。


少しずつ増えていく再生数。


届かない

いいねとコメント。


当然、そんな生易しいこともなく。


跡形もなく消されている。


どんな葛藤がそこにはあっただろうか。


私には分からない。


ただ、なくなったことが悲しい。


寂しいのだ。


記憶の中

貴方の作品をなぞる。


私を形作ったから。


今も貴方に影響されている。


これは、小さな呪い。


確実に残るインターネットタトゥー。


私達の中で生きる記憶。


皮肉なことに、

それが彼の存在を証明する。


楽しかったあの時間と。


悲しく思ったあの瞬間。


そんな記憶を。


時折、思い出して。


墓標すらないただの更地に。


私達は手を合わす。

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