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比良八講荒れじまい。嵐が去って春が来る。 京都の東の空を、浮かれた青龍がひゅるりひゅるりと舞い踊る
京都の春は、なかなか来ない。浮かれて薄着などすると、ほら見たことかと風邪をひく。春の方角は東。春は東からやって来る。東の湖国の、比良八講荒れじまい。3月の終わりに、一度寒さがぶり返し、比良山地から吹き下ろす強風で琵琶湖が荒れる。これが一段落すると、ようやく春。この時期、サディスティック・ミカ・バンドの「黒船(嘉永六年六月四日)」が聴きたくなります。嵐が過ぎ去った後の静けさ、また何かが始まる胸騒ぎ
もっとみる猫、いなくなる。その喪失感は失恋以上に手強い。マルハペットフードCMショートストーリー。浅田次郎の「民子」
かなり色褪せている。2001年初版だから、20年も前に買った本。浅田次郎作、マルハペットフーズCMのショートストーリー。売れない作家といなくなった猫、民子の話。猫が不意にいなくなる辛さは、体験した人にしか分からない。
私の歴代猫は、ちび、おしし、ふわちゃん。過ごした時期が違うけれど、みんな茶トラの野良猫で、みんな一度はいなくなった。おししとふわちゃんは戻ってきて、うちの子になったけれど、ちび
野良から家猫になった老猫おししは、亡骸まで可愛らしく骨も立派な茶トラ猫。
野良生活を卒業して、気ままな家猫として、おそらく幸せに過ごしていたものの、やはりその時は来たようで、食べない日が何日か続き、みるみる痩せていった。最後の最後は本当に、冗談みたいにぺちゃんこな体になって、おむつをしても、すぐにスルッと抜けてしまう。何度か通院して、入院もして、もうおそらく無理だろうと、家で様子を見ていたものの、やはり今日、もう一度病院へ連れて行こうと言っていた朝に、家族のいるリビン
もっとみるたわわに実る稲穂色のユーモラスな天使。 猫は茶トラ。どこまでも茶トラびいき
猫は、特に茶トラが可愛らしい。ちびに、おししに、ふわちゃん。茶トラしか飼ったことがないけれど、私はもう、茶トラだけでいい。茶トラはとにかく人懐こい。人に対してだけではない。茶トラは自分が生きる世界のすべてに対して懐っこい。コミュニケーションの星の下に生まれた、好奇心旺盛なチャレンジャーであり、不用心で隙だらけだ。
太った野良猫の多くは茶トラだ。好きなだけ食べて巨大化する。冒険好きな茶トラはど