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誰のために教えを活かすか

ここ最近世間を騒がせている中古車販売の会社があります。(2023年7月現在)

聞けば、修理料金を嵩増しするために靴下にゴルフボールを入れてお客様から預かった車を更に傷つけているとかいないとか。

そして、謝罪した社長は「ゴルフを愛する人を冒とくしている」とコメントしていましたが、ネット上では「そこじゃないだろう」と総ツッコミされていました。

また、買い取り依頼したお客様からの声では、査定額が一番高いから買い取ってもらったものの、後から「新たに傷が見つかったから」と買い取り額の一部返金を求められたものの、返金額が手元にないと判明すると金融会社に帯同されてそこから支払わされたとか。

ニュースを見ればみるほど、とんでもない組織だなと思っていたものの、他人事でないなと強く感じてしまったのが、いくつかのキーワードが引っ掛かったからです。

それは、「経営計画書」と「環境整備」という単語。

どうやら、この組織でも使用されているらしいのです。

当社と同様に、「日本のドラッカー」と言われていた経営コンサルタントの一倉定先生に師事をされていたのかなと調べていくと、どうやら破門されたとされる元門下生に教えを乞うていたようです。

この元門下生の方が書かれている書籍は、現代向けの表記になっておりますし、とても言語化が上手い方なので私も何冊か読んだことがありますが、一番の特徴としては、従業員の行動に反映させるために社員に強要したいことを全て人事評価レベルにまで落とし込んでいるという点が挙げられます。

ですから、例えば流出したツールには、店舗を清潔に保つために販売店用の「環境整備点検項目」という上長によるチェックリストがありましたが、これをもって上長に定期点検される際には、良い評価を得られないとおそらく店舗に所属する全員が連帯責任として賞与などの査定に影響が出る仕組みとなっていたはずです。

となると、店舗の従業員としてはとにかく皆必死になってチェック項目をクリアするために全て対応していくこととなります。

別のニュースでは、この会社の全国の販売店の周辺で奇妙な現象が起きているというものがありました。

それは何かと言いますと、公道の街路樹が販売店の前だけが枯れ果てていくという現象です。道を挟んだ目の前の街路樹はこれまでどおり青々と生い茂っているにもかかわらずです。

確かに青々と生い茂った樹木が無いと、公道からは販売店の看板や並んでいる車のことがはっきりと見えるのですよね。

そして、先程の「環境整備点検項目」のチェックリストに戻ってみます。

流出した某中古販売会社の「環境整備点検項目」のチェックリストです(Twitterより)

この中に、「店舗前の歩道10メートルと展示場、敷地内には雑草が無く掃き清められているか?」という項目があります。

ここの評価を下げないために、連帯責任を取らされないために、給与を目減りさせられないために従業員がどうするかというと、それが店舗の前の街路樹に除草剤を撒くという行動につながるのではないでしょうか。

例えそれが犯罪行為になるのだとしても、こういうチェックをされてしまうと、それはほとんど会社に強要された行動になってしまいます。

そもそも環境整備というのは、お客様サービスにおいての「気づき」を得るために実践していくものなのですが、このチェックが自身の行動に対しての振り返りではなく、評価の上げ下げのために利用されてしまうと、本来の教えの目的から外れていってしまいます。

「経営計画書」も「環境整備」も、今の自分からより良く目指す方向に変革していくために示されて実践していくためのものだと学んでまいりました。

また、一倉定先生の教えでは、この二つとセットで「顧客第一主義」が掲げられています。

この「なんのために」というエンジンがない状態で、自身の言動ではなくて社員の言動を縛り付けるための恐怖の道具として「経営計画書」や「環境整備」が利用されていたというのが、このような組織が創り出されてしまった根底にあるのだと感じた次第です。

思想や価値観が低い状態で、教えのテクニック的な要素だけを取り入れると、単に管理するための道具となってしまうのですよね。

良い教えというのは、他者を縛るためのものではなく、自らを省みるために活用するもの。

本来の目的ではなく、お客様を置き去りにして利益の追求が目的となってしまった組織の末路がここにあります。

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