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ワンマン経営の本当の意味

皆さんは、「ワンマン経営」という言葉を聞いてどのようなイメージを思い浮かべますでしょうか。

経営者が強いリーダーシップを発揮し、ほぼすべての経営判断を一人で行う体制のこと。

意思決定から直ちに行動に移るスピードの速さがメリットである反面、周囲の従業員がイエスマンになったり、後継者が育たなかったりなどのデメリットもある。

ネットでサッと調べても出てくるように、大体は上記のようなイメージを思い浮かべるのではないでしょうか。

何度も述べてきていますが、私がこれまで述べてきたことの多くは私が所属する組織の創業者から学んできたことであり、その創業者の師匠であるのが「日本のドラッカー」と言われる晩年まで約1万社の社長のみの経営指導を実践されてきた一倉定先生になります。

一倉先生は「社長の『正しい姿勢』こそ『正しい経営』の基礎である」と仰っています。

つまり、トップの考え方がその組織の全ての根幹となるということですよね。

それは、不祥事の企業のトップの反応などを見るとよく分かることだと思います。

そして、不祥事を起こすような会社のトップというのは、その姿勢において大きな間違いをしています。

それは、自らの立ち位置をどのように置いているかということです。

これも一倉先生が述べられていることですが、社長というのは「最高責任者」であり「最高権力者」ではないということ。

つまり、何か会社で不祥事が起こった際の責任の所在は何処にあるのかということですよね。

単なる不祥事で終わらずに更に世間を騒がすような企業というのは、ほとんどの社長が自ら責任をとることなく部下にその責任を転嫁しているのではないでしょうか。

最高責任者ということは、部下が何をしようと、本来それは全て社長の責任ということです。

ここで冒頭の「ワンマン経営」に話は戻りますが、すでにお分かりのように、たったひとりで責任をとるからこその「ワンマン」なのです。

また、「ワンマン経営」については、近鉄グループの名誉会長であった佐伯勇氏も一倉先生と同じように言われています。

「独裁すれども独断せず」

独裁と独断というのは、似たような意味合いに感じられてしまうかもしれませんが、実はそれぞれ違ったニュアンスがあります。

辞書などには書いていないかもしれませんが、この「独裁」という単語の中にこそ「決定責任」が含まれているような気がしています。

そして、独断しないということは、その決定に必要な情報を集めるために様々な人の考えや意見にはしっかりと耳を傾ける姿勢があるということです。

つまり、「衆知を集めて責任をもって物事を決定する」というのがワンマン経営の正しい姿勢であり、これが不祥事を起こした後の対応を炎上させるような周囲にイエスマンしか置かない独りよがりの独断社長との違いになります。

今日も読んでくださいまして、ありがとうございます。

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