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評価制度の盲点

今の組織に入社してから26年、これまでも体制が変わるたびに人事制度も変わってきました。

進化はしているものの、いつの時代もなかなか「これだ」という正解に至らないのが評価制度。どれも一長一短で、満場一致でこの制度がいいというのに出会えたことがありません。

その中でも、個人的に「本当にこれは必要なのかな」といつも思っているのが、評価制度の一部である「自己評価」について。

半年間の自身の振り返りのために必要なことなのかもしれませんが、その自己評価を提出してもらってフィードバックをする立場にあると、いつも同じように感じることがあります。

それは、こちらが評価をしたい人ほど自己評価が低く、反対に、こちらがあまり評価をしていない人ほど自己評価が高い、ということです。

後で調べてみて分かったのですが、これはしっかりと研究されていて「ダニングクルーガー効果」という名称まで付いているらしいですね。

ダニングクルーガー効果(Dunning–Kruger effect)とは、能力が低い人や経験が浅い人が自分の能力を正しく認識できず、自分を過大評価してしまう心理現象です。そのため、現実の評価と自己評価にズレが生じている状態になります。

「優越の錯覚」なんて悲しい名称もあるようです。

評価される人の方が謙虚であり、評価されない人の方がなぜか根拠のない自信を持っているというのは皮肉なことです。

特に日本は欧米などに比べて、自己主張をすることが美徳とされていない文化というか、自身を控えめに評価される人が多い気がします。

ただ、評価すべき人の特徴として共通しているのは、上司の顔色など気にせずに「なんのために」という目的意識を持って業務に従事しているという点でしょうか。

あくまでも求めるものが大切なのであり、そのためには自己評価を含めて周囲からの評価などはあまり気にしない人が、結果良い評価を得ています。

野球選手のように、全ての活躍のデータを数値化して、それを評価に結び付けられたらいいのでしょうけれども、組織の中には縁の下の力持ち的な役割の人もいますので、一概に全ての業務を業績と結び付けてあらわすのは難しいです。

そこで一番頼りになるのは、同僚や関係者など周囲の人たちからの評価でしょうか。

匿名でお互いの評価を投票するような方法が、一番そのチームで活躍している人を明確に評価できるのかもしれませんね。

今日も読んでくださいまして、ありがとうございます。

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