余計なフィルターをかけない
これまでもお客様からのクレームについての話は触れてまいりました。
当社ではクレーム発生自体の責任を責めることはしない、という方針があります。問題を起こした当事者を責めることはしない、ということです。
責めると誰も報告をしてくれなくなります。報告が上がってこないと問題が解決できないことからお客様の要求を知らないうちに無視することになり、お客様を失うことになります。
もっと悪いことには、責められた当事者であるスタッフも嫌な思いをしたことから退職されたりすると、スタッフも失うことにつながります。
ただし、責めることもあります。それは、虚偽の報告をしたり、隠し立てをしたり、報告を忘れていた場合。
問題が起こることは悪いことではありません。むしろ問題は沢山起こっていいと思っています。
「あんたのところは、ここを直したらもっと良くなるよ」というお客様からのありがたいご指摘がクレームな訳ですから、沢山いただいた分、素直に受け入れて改善していくことが組織としての成長につながります。
ただ、たまに発生するのが、当事者は悪気はなかったものの「たいしたことがないと思って報告をしていませんでした」という事案です。
ここでその当事者に訊きたいのは、「たいしたことがある」とか「たいしたことはない」とかクレームの判断は一体誰がするのかということです。
お客様ご自身が「たいしたことがある」というご判断をされて、いつもは言わなくてもいいことをわざわざ言ってくださっている訳ですから、「いつもと違うことを指摘された」という時点でこれは既にクレームなのです。
ですから、大切なことは、お客様から言われた言葉に対して、自分勝手なフィルターをかけないこと。
今日のこのことは上長に報告しよう。これはまあ言わなくても大丈夫かな。その報告を受けた上長も、今日のこの話は報告書にまとめておこう、今日の話はまあ忙しいしわざわざ書面に起こさなくてもいいかな。
そんな自分本位のフィルターをかけて、お客様対応をしないまま放置しておくから、お客様は呆れて離れていってしまうのだと思います。
お客様からいただいたお声には会社側の都合で余計なフィルターを通さずに、すべてそのまま受け止めて対応する。
真摯な対応を続けることが、その後も会社のために率直なご意見を言い続けてくださる、いわばファンのようなお客様を創り出していくのだと思っています。
今日も読んでくださいまして、ありがとうございます。
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