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部下が上司に白けるとき

今回は、上司からすると少し辛辣な内容となっているかもしれません。

これまでの経験から、上司に対して「これはないな」と思うような場面においては必ず二つの要素のうちのいずれかがありました。

二つの要素とは「金」と「保身」です。

お金については、まあ端的に言ってしまいますと「ケチ」かどうか、ということですよね。

別に毎回毎回飲み会のたびに沢山払ってくれなくてもいいのです。

問題は支払い方がスマートかどうかという点。

部下たちの記憶にしっかりと焼き付いてしまうのは、支払い時にゴタつくような言動があった場合です。

今でも覚えているのが、飲み会に遅れて参加してきた上長のひと言です。

お勘定の段階になりましたので、上役の立場の方々からは少し多めに徴収させていただこうとお声をかけますと他の方々はきちんと支払ってくださったのですが、その方の番になった時に「なんでオレは遅れてきたのにそんなに払わないといけないんだよ」と周囲にいる部下たちにも聞こえるくらいの大声で叫ばれました。

こちらも酒が入っていた勢いもあったので、「いいから早く出してください」と渋る相手からきちんと徴収いたしました。

その結果として、散会後に一緒にいた部下たちから「結局払ってくださるのであれば、あんなこと言わなければいいのに」と言われる始末。

部下たちにご馳走しておいてこんなこと言われる上に、仕事ではない場面で自分の評価を下げてしまうという、良い反面教師の事例です。

白けてしまうような場面に出くわすと、感謝の念よりもそちらの方が強く印象付けられるのですよね。

そして、もうひとつの要素の「保身」について。

部下たちは、上司が果たしてどこを見て仕事をしているのかを、常日頃の上司の言動を通してよく見ています。

上を見て仕事をしている人にとっては、部下たちは自分にとって有益な情報を集めるための道具です。

反対に、足元を見て仕事をしている人は、部下たちがどれだけ目的に向けてやる気を発揮してくれるかということに力を注ぎ、むしろそのために更に上の立場の人たちの力を活用しようとします。

普段は、この差はなかなか目に見えにくいかもしれませんが、ひとたび問題が生じた時の反応にその全てが表れます。

例えば、部下を使ってデータを集めて作らせた資料にミスがあった場合。

その資料を更に上の立場の人に提示して、そこでミスを指摘されたらどうなるか。

チェックが甘かった自分のこともありますが、まずは資料をミスの無いようにちゃんと作成しようよという注意をされるのは、まあ部下としてはある程度納得できるものではないでしょうか。

ところが、保身に走る人というのはキレるポイントが違っていて、このような場合だと、「お前の間違った資料のせいで、上司の前でオレが恥をかいた」ということが一番自身の面子に関わる問題となってきます。

そして、こうした自分本位の怒り方を部下たちの前でしてしまったり、メールなどに残る形で送信してしまったりすると、それは部下たちの口からあっという間に拡散されていきます。

お互いいい大人ですから、おそらく表面的には、これまでどおり何もなかったのようなお付き合いが続くことでしょう。

ただ、確実に言えることは、自分の保身を図ったような面子優先の発言をする前と後とでは、部下たちの気持ちは間違いなく以前よりも離れてしまっていることでしょう。

結局、一瞬だろうとしてしまった自分本位の振る舞いの中に、その人の全てが垣間見えてしまい、部下たちはその曝け出された本性をいつでもきちっと見極めているということです。

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