見出し画像

前向きな意見を述べ合える環境をつくる

お客様からのクレームや業務事故というのは、お客様が存在する限り、また仕事がある限りは必ず発生します。

そして、それによって会社が混乱することは、やむを得ないことなのです。

組織というのはお客様の要求に合わせて混乱し、その混乱の中から新たなサービス体制を生みだして成長していくのです。

クレームや業務事故が発生するからこそ、その問題に正面から向き合おうとした時に知恵が出ます。

ですから、会社としては、クレームや業務事故といった案件は成長材料そのものであり、成長の機会損失にならないようにしっかりと報告を上げてもらい、それらの財産を共有することで再発防止に努めることが可能となりますし、事故を未然に防ぐ杖とします。

組織の規模が大きくなるにつれ、クレームの数や業務事故の数も比例して増えていきますが、それは健全なことです。

ところが、見過ごせないのは、同じような過ちが繰り返し発生した場合。

間違えてしまうことは仕方がありませんが、その間違いが繰り返されるというのは思考や行動の改善がなされていないという証です。

そこで、全体への注意喚起のメールが一斉配信されます。

今回の話の主旨はここからなのですが、先日、該当部門の担当者からの一斉配信の注意喚起メールに対して、ひとりの拠点長が反応しました。

マニュアルも用意されているはずで、読み込んでおけば発生しない事故であること。

該当拠点においては、きちんと情報共有がなされているのか。

なぜ、このような同じ事故が繰り返されるのか。

その背景には何があるのか。
応用の前に、それぞれの手順の意味を含めて、基本はきちんと落とし込まれているのか。

繰り返される事故に対しての憤りや不甲斐ない状況に対しての熱い想いが、その返信メールには込められていました。

私は一斉配信の受信者として、「問題意識も高くて、想いも強いスタッフさんがいて頼もしいな」と特にマイナスの要素は受け止めずに読んでいたのですが、実は当人は部門の担当者個人だけに返信したつもりになっていたのが、誤って全体への返信となってしまったようで、後ほどその上長から再び全体に対しての謝罪のメールが届きました。

当社には「クレームや事故の当事者のことは責めない」という方針もありますから、配信したメールが事故を起こした当事者にはきつい言葉として受け取られたり、同じ文章を読んで不快に感じられたりした人もいたのではないかという配慮からでした。

これを読んで一番に思ったのは、建設的な意見を述べたスタッフを埋もれさせてはいけないということでした。

確かに、ものの言い方とかへの配慮は必要となりますが、日頃現場で同じように業務に当たっている人間だからこそ言える、血の通った生の声というものがありますし、業務改善に活かしていくにはこの生の声の存在が不可欠です。

こうした声をもっと活発に発言発信できるような場の必要性を強く感じたとともに、そうした場が用意されることが、そのまま組織の更なる成長につながるのではという新たな在り方の可能性も感じました。

繰り返されるクレームや業務事故、それから日々業務を行う中での悩みや相談事、そうしたものが「知恵袋」のような「みんなの知恵共有サイト」として、質問と回答形式のようなまとめサイトに一元化して、社員間でそれぞれの経験を分かち合う環境の用意ができれば理想的ですね。

どこかの掲示板のように荒らされることないようチェックは必要になるかもしれませんが、建設的な意見が飛び交うことはサービスの活性化やモチベーションアップにもつながりますし、そこから新たに見出される人材発掘の場にもなるのではと考えています。

実現に向けて、ちょっと動いてみようと思います。

今日も読んでくださいまして、ありがとうございます。

この記事が参加している募集

嬉しいです。 サポートしていただきまして、ありがとうございます。 こちらからもサポートをさせていただくことで返礼とさせていただきます。 どうぞ宜しくお願い致します。