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「ずるい」の意味

自分自身がそこまで美しく正しい日本語を使えているわけではありませんが、人よりも読書量が多いこともあるからか、気になることはあります。

以前から気になっているのは、「ずるい」の使い方。

辞書を調べてみると、ずるいの意味は「人を出し抜いて自分が得をするような、正しくないやりかた。悪賢い。こすい。」とあります。

ところが、子供たちの「ずるい」の使い方は上記の意味合いとは若干違うことに気づきます。

「〇〇ちゃんだけ、アレを持っていてずるい」
「〇〇ちゃんだけ、いい思いをしてずるい」

だいたい、このような使い方でしょうか。

相手がいい思いをしていて、自分はその恩恵にあずかっていない。

その格差に対しての羨ましさや妬み、つまりは羨望や嫉妬といった感情を「ずるい」と表現しています。

ここには、本来の「ずるい」の意味である、相手が自分を出し抜いて得をしようとする行為や、不正行為や悪賢さといった要素は見当たりません。

本来、羨望や嫉妬といった感情は「いいなぁ」という羨ましさで表現されるものなのだと思います。

「〇〇ちゃんだけ、アレを持っていていいなぁ」
「〇〇ちゃんだけ、いい思いをしていいなぁ」
「みんな、髪の毛があっていいなぁ」

世の中は平等ではないですから、優遇されている相手を「ずるい」と決めつけて自分の立場まで引きずり下ろしたり、自らが行動することを諦めるのではなく、「いいなぁ」という嫉妬を原動力に変えることで、自分の方から相手の立ち位置に近づいていく行動につなげるきっかけにできればと思います。

最近の「ずるい」という表現が気になってしまうのは、おそらくは、その場からは動こうとしないで相手への文句を言っているその人の自分本位さを感じてしまうからなのかもしれません。

こういう言葉の使い方の積み重ねは、幼少期の頃からきちんと正しい考え方を伝えておかないと、将来大人になるにつれて「できる」というポジティブ思考となるか、「できない」というネガティブ思考へとなるかの分かれ道の一因になる気がします。

髪の毛がある人をみて、ずるいと思わない大人でありたいです。

今日も読んでくださいまして、ありがとうございます。

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