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映画呟き

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Aサインデイズに思いを馳せて

Aサインデイズに思いを馳せて

沖縄行きが近づいてきた。4泊5日の旅は沖縄の友達のおかげであれよあれよという間に予定が埋まっていく。偏屈な私を見捨てない優しい人たちに感謝しかない。さて、荷物もお土産もあらかたボストンバッグに詰めて、それでも気持ちが落ち着かず、部屋のDVD収納棚を漁り、引っ張り出したのはこの映画。Aサインデイズである。

この映画は利根川裕氏のルポ、「喜屋武マリーの青春」を映画化したもの。監督は崔洋一氏。内容はマ

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シーナ&ロケッツ 鮎川誠~ロックと家族の絆~を観たんだ

シーナ&ロケッツ 鮎川誠~ロックと家族の絆~を観たんだ

今日はこの映画を見に行きました。
『シーナ&ロケッツ 鮎川誠 ~ロックと家族の絆~』
RKB福岡放送にてオンエアされたドキュメンタリー番組の再編集が軸になっているからか、作りの粗さや掘り下げの浅さが散見される箇所もいくつかありました。しかし、それを差し引いて余りあるのは、天才肌なのにそれを見せない誠実かつ愚直なひたむきさを持つ男・鮎川誠と、若松生まれのロックに心酔し、ロックを追求した跳ねっ返り娘・

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コザアッチャーがミラクルシティコザを観てみたんだ。

さて。去る2月8日にミラクルシティコザを熊本ピカデリーにて観賞しに行ってきました。残念ながら蔓延防止対策の弊害か観客は私と60代くらいの女性の2人という寂しいものでした。(結局、集客が望めなかったのか、熊本では2週打ち切りの上映となりました。)

正直期待3:不安7の割合で観ました。

ストーリーは、1970年代はドル札が舞い踊る享楽の街だったが、現在は観光客から素通りされる廃墟寸前の街、コザ

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真夏の夜のジャズ

以前から見たかった記録映画。それが!1958年のニューポートジャズフェスティバルを撮った『真夏の夜のジャズ』です。

ジャズはちびちび齧る程度しか聴いていないので観ていいのかな?大丈夫かなと思いながら観ましたが、ジャズがわからなくても、1958年当時の東海岸のポップカルチャーやファッション。寒暖差あるニューポートの昼と夜がわかる観客の服装や演奏を聴きながらつまんでいる食べ物等、50年代後半の『古き

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カムバック・トゥ・ハリウッド

公開数ヶ月前から気になっていたこの映画。

何故ならTwitter等SNSで紹介されている粗筋が、モーガン・フリーマンに借金を返すために、ロバート・デ・ニーロが映画製作を装って、保険金目当てでトミー・リー・ジョーンズをいかでかして殺そうとする映画らしいからだ。

あまりのインパクトに桂文枝師匠のごときコケ方をして肩を強打したし(実話)、脳裏に過った言葉が「この映画の企画にゴーサインした映画関係者、

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エイスグレード

この映画を観た2019年の冬はかなりかつかつだった。なので財政的に少し無理したものの、見て良かった。
主人公のケイラは中学2年(8年生)。翌年からは高校に通う。顔はやや十代の頃のリンジー・ローハンを思わせるかわいさはあるけれど、ニキビだらけで太りぎみ。友達はおらず、学内1の「無口で賞」に選ばれる始末。そんな彼女の拠り所は、YouTubeでPHP研究所か?な自己啓発動画を撮影して配信することだが、視

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くれなずめ

よく行く映画館で予告を観て以来、気になっていた映画。

高良健吾さんや浜野謙太さんと好きな俳優さんが出演しているし観てみるかなと思い、昨年の5月に回数券を使って観賞。

内容は、スクールヒエラルキー的にはやや低めに属する静岡の高校生だった6人組がメインの話。俺様ちゃんのようで抜けている明石、長いものに巻かれろキャラなようで実は熱血漢な欽一、弄られキャラでお調子者なソース、年下なのに一番のブレーキ役

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『ロケットマン』を観たんだ。

『ロケットマン』。エルトン・ジョンの半生を描いたミュージカル映画です。

これから観る方で洋楽ほぼミリシラという方には、同性愛者のロックミュージシャンが題材ということで、フレディ・マーキュリーの人生を描いた大ヒット映画『ボヘミアンラプソディ』と比較される方もいるかもしれません。
しかし、エルトンの人生はタンザニアはザンジバルに生まれたパルーシー(ペルシア系インド人)という複雑な出自のフレディとはま

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エイブのキッチンストーリーを観たんだ

昨年の春に『エイブのキッチンストーリー』を観賞。

いやー。すごくいい映画を見た。この映画を見る前に、ユダヤ料理は『サウスパーク』と本間千枝子さんの『アメリカの食卓』、ムスリム料理は『サトコとナダ』である程度予習はしたけど、ファラフェル(豆のコロッケ)にひよこ豆を使うか空豆を使うかで内乱レベルの口論になるのは知らなかったよ……。

多様化された現代だからこそ起きている価値観の相違、それから起こる歪

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ミス・フランスになりたいを観たんだ

普段は英語圏の映画ばかり観ていてフランス映画は数える程しか観ていませんが、この映画は予告の時点で魅せられたので昨年の春にこの映画を観に行きました。

昨今は多様性やジェンダーについて論議がされていますが多様性について比較的先鋭的なイメージがあるフランスで作られたこの映画、どんなものかなあと観賞しました。

主人公のアレックスは幼い頃にミスフランスになりたいと夢を語るも、男がミスフランスになれるわけ

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ショップリフターズ・オブ・ザ・ワールド

正直、ザ・スミスは一応聴いてはみたものの合わないなあと思ったバンドである。

90年代、ブリットポップ隆盛期。ブリットポップバンドであるエコーベリーのボーカリスト、ソニア・オーロラ・マダンが雑誌媒体で、インド系イギリス人ということで受けた差別や裕福であるものの自由が制限された家庭への息苦しさをザ・スミスを聴いて救われたことを打ち明け、さらに当時飼っていた愛猫の名がモリッシーだと語る程ザ・スミスを敬

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22年ぶりのバッファロー'66

貪るように映画を観ていた時期がある。1999年。夢を潰されて働かなければならなかった環境への鬱屈を抱えた私には映画は数少ない拠り所だった。

特にヴィンセント・ギャロ主演・監督の『バッファロー'66』はロングラン上映が決まると休みの日に繰り返し繰り返し観に行った。

そして、この映画がリバイバル上映されると知り、昨年の春に大学時代の友達を連れて再び観に行くことにした。

ストーリーは、無謀な賭けを

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サマーオブソウル

昨年の夏、この映画を観た。
「サマーオブソウル」
1969年、6月29日・7月13日・7月20日・7月27日・8月17日・8月24日の日曜日午後3時から日没までの6日間、ニューヨーク州ハーレムのマウント・モリス(現・マーカス・カーヴィに改名)公園にて無料の音楽フェスティバル、「ハーレムカルチュラルフェスティバル」が行われた。しかし、同年開催された「ウッドストック」が伝説として今も語り継がれている一

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ヤングアダルトニューヨークを見ながら

数年前、かなり体調が悪く、やっと回復した翌日に映画を観に行った。ちょうど、レディースデーなので安く見られてほくほく。
ちなみに、観た映画は。

ヤングアダルトニューヨーク。
原題がWhile we're youngな時点で微かな胸騒ぎがした。
で、見終わって思ったことは。
サブカル拗らせてるこどもおばさんやおっさんこどもにはきつい映画やー!ということ。

かつてのちいさな栄光を引き摺りながら大学の

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