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#世界大会
パン職人の修造94 江川と修造シリーズ the dough is alive
フランスから帰ってきて何日か経った。
パンロンドの奥さんは手回しよく『世界大会優勝!田所修造・江川卓也』ののぼりを作って店先に付けていた。
修造と江川はパンロンドの出窓のところに世界大会で作ったパンデコレを飾っている最中だった。
「やっぱこの選考会の時のパンデコレは退けるよ。太陽の反射が当たってたし劣化してる。付け根がグラグラしてるし」
「ですね、崩れてきそう、僕のは小さいからまだい
パン職人の修造86 江川と修造シリーズ stairway to glory
成形を済ませ、発酵した生地が焼きあがって行くと審査員達が厳かにテーブルに着く、
各国の選手が作るバゲット、ブリオッシュ、クロワッサンの審査が始まった。
バターの効いたブリオッシュは親方の言うところの『ぶちかましスペシャル』
生地の一本にラズベリー生地とマンゴーの生地を使ったカラフルな編み込みパンを作った。
クロワッサンはブーランジェリータカユキの那須田に教えて貰った月形のパリッとしたものを。
パン職人の修造85 江川と修造シリーズ stairway to glory
その夜
修造はベッドの中で工程のおさらいをしていたが、やがて考えるのをやめ目をつぶると早々とイビキをかき出した。
それを聞きながら明日の事を思い浮かべてスケジュール表を見てイメトレをしてみる。
明日この通りに動いて修造さんの足を引っ張ったり足手纏いにならない様にしなきゃ。
江川はスケジュール表を見ながらウトウトして紙を持つ手が下がりそのまま眠りについた。
大会当日
後藤と五十嵐が
パンの職人の修造75 江川と修造シリーズ Annoying People
今日もまたグーググーグーグーっていう喉の奥から響く音が聞こえる。
江川は杉本と一緒にパンロンドの工場の奥で、生地の分割と丸めをしていて修造に背を向けていたが、例のハミングが聞こえてきたので修造の方を振り向いて確認したかった。
でも珍しいものをみる様な目で見たら失礼だし、、
江川はちょっとだけ振り向いてまたパッと元に戻った。
凄い嬉しそうな顔してる。
夏が終わり、修造の家族の律
パン職人の修造56 江川と修造シリーズ Mountain View
※このお話はフイクションです。実在する人物、団体とは何ら関係ありません。
Mountain View
「修造、用意はできたの?」
選考会の前々日親方が聞いて来た。
「はい、大体は。実は荷物は送ろうと思ってましたが意外と多くて、俺と江川、鷲羽と園部の二手に分かれて車で行くことにしました。これから江川とホルツに行って自分で持っていく荷物を再点検して準備して出発します」
「そうか、大荷物だ