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マウンテンデューを飲みながらタバコを吸うと思い出す話
僕は両親の第一子ということもあり、めちゃくちゃ大事に育てられたと思う。
後頭部が絶壁にならないよう寝返りを打つたびにタオルを当ててもらったということもあり、理科室にある人体模型くらい綺麗な頭をしている。
親が口つけたスプーンで食事を与えられなかったらしく、29年間で一度も虫歯になったことがない。
母親は粉ミルクを一切与えず、母乳だけで育てたことを誇らしく語っていたことも覚えている。
そんな風に
「歩くのが気持ちいい夜に」の話
歩くのが気持ちいい夜。
朝セットした髪が崩れてきたのでフードをかぶって歩いてる。
住宅街ならではの静けさと暗闇。
まるで僕のために世界があるかのように思えた。
開放感とウォーキングによる腸の活性化のせいで、割と大きめのオナラが出てしまった。
その瞬間、後ろからバイト終わりと思しき女子大生が僕を追い抜いていった。
世界は僕のものではなかったし、静けさと暗闇は恥ずかしさと異臭に消し去られてしま
"最強のチーム" あらすじ
#週刊少年マガジン原作大賞 #連載部門
日本人最強メジャーリーガーの一人として、栄光を築いた公庄健。
走攻守の3拍子揃った選手であり、HR王や最多安打、MVPの受賞など、20XX年代のメジャーリーグを席巻した。彼の圧倒的な実力に日本人のみならず、全世界の野球ファンが心を躍らせていた。
そんな公庄はある1本のホームランで引退を決意する。
また一つ歴史に幕が閉じてしまうことに全世界の野球ファンが胸
"最強のチーム" 3話
■会議室
佐竹「公庄さん、本当にありがとうございます」
公庄「とんでもございません。むしろ僕がやりたいということにご協力いただけるということで、こちらこそお礼をしなければいけないですよ。遠藤校長もありがとうございます」
遠藤「こちらこそ、ありがとうございます」
佐竹「いや、しかし驚いたな。こんなにとんとん拍子で話が進むなんて」
岡本「全く…おっしゃる通りですよ」
公庄「ははは。それでは細かい話は
"最強のチーム" 2話
■ワイド番組
司会「昨日夜、現役生活に幕を下ろした公庄選手が引退会見を行いました。そこで飛び出した衝撃の一言に一同騒然となりました」
■インタビュー風景
公庄「この度、引退することになりました公庄健です。引退のきっかけはHR王を決めたホームランです。スーパースターとして、皆さんをワクワクさせるようなプレイはもうできないと思いました。輝いているうちにやめたい、、引退理由はそれだけです。日本球界とメ
"最強のチーム" 1話
■メジャーの試合
実況「レフトにボールが上がった!これは文句なし!入りました、ホームラン!公庄選手、この1本で今季のHR王を確実にさせました」
NA「日本人がメジャーに挑戦してからどれくらい経っただろうか。何人ものスターが活躍し、日本野球の凄みを見せつけてきた。公庄健(くじょうたける)はその中で突出した存在となっていた」
スタンドに手を振りながらも、どこか悲しげな表情で公庄はゆっくりとホームベ
「未来の鍵を握るレイディオ、SCHOOL OF LOCK!と申します」な話
僕は中学生の頃から結構ラジオを聴いてきた方だと思う。
高校の頃は、『オードリーのオールナイトニッポン』にハマり、
浪人時代と大学時代は、『くりぃむしちゅーのオールナイトニッポン』、
社会人になってから『伊集院光深夜の馬鹿力』と『爆笑問題カーボーイ』。
最近はPodcastの『有田脳』にハマっている。
こんなラジオ遍歴をたどってきた僕が最初に聴いたラジオは、意外にもお笑い芸人のラジオではない。
「好きなものは好きと言わせて」の話
高校生の時に『愛のむきだし』という映画を見て衝撃が走った。
エロ、グロ、アクション、圧倒的可愛さのヒロイン、刺激的な題材で構成される約4時間の長尺の映画。
17歳の僕にとって、どの瞬間を切り取ってもカッコよくて面白い映画だった。
しかし数年後、僕はこの映画を好きとは言えなくなってしまった。
それは監督の性加害問題が理由ではない。
映画に詳しい人に「愛のむきだし、好きなんだ。ふーん」と言われたの
#1 ある夏の暑い日。喫茶店で。
「夏が好きなやつは、バカしかいないよ」
灼熱の中、ようやく見つけた喫茶店で、アイスコーヒーをポカリのようにガブガブと飲む彼はそう言った。
目の前の抹茶金時にザクザクとスプーンをさしながら、彼女は尋ねた。
「どうしてそう思うの?」
彼は答えた。
「ただでさえ暑くて体力奪われるのに、この季節じゃないとできないからと自らを奮い立てて、海とかバーベキューとかフェスとか楽しもうするんだぜ。バカでしかない