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自動車学校で自分が「おじさん」という枠にカテゴライズされた話

2ヶ月ほど前、人生で初めて免許を取得した。
これまで免許を取得してこなかったのは、通うのがめんどくさいという怠惰と、事故を起こすのではないかという恐怖心と、免許を取らない方がセンスある人感を演出できるかもという誤った価値観の3つだった。

しかし、30歳を手前にして免許を持っていないことを周りに伝えると、結構な確率でドン引きされるようになった。
なるほど、免許取得は大人へのイニシエーションなのか。

と思った瞬間、免許を持っていないことが急激に恥ずかしくなり、家から1番近いの自動車教習所に通うことにした。
そこには多くの学生が通っていた。
しかし、意外にも僕より年上の方も多くいることに驚いた。
子連れの主婦、おそらく免停になったであろうイカつめのおじさん、タクシー的な2種の免許を取得しようとしている方など様々。
相対的に見ると、僕は学生側の若者チームにくくられると思った。

年下ばかりで気まずいかなと思っていたので、少しほっとした。
座学の授業も所内の講習も無事に終わり、なんなく仮免を取得することができた。

路上での講習が始まる。
この段階になると、ペアか3人組で1台の車に乗り、順番に運転するという授業が始まる。
「あらかじめ自分で目的地までの経路を設計して、それ通りに運転するという「自主経路」もこの手の形式の授業だ。

この授業開始の5分前、受付ロビーに僕を含め6人が受講申請のため待機していた。
女子学生が2名、男子学生が1名、僕の母親くらいの年齢の女性、アラフォーの男性、僕の6人。
自分は若者チームという自覚があるので、女子学生ペア、男子学生&僕ペア、年上男女ペアの3組で行うと思っていた。

しかし、講師からのチーム編成に愕然とした。
彼は、学生3人とそれ以外の3名の2チームに分けた。
そう、僕は「おじさん・おばさん」チームの一員になっていたのだ。
「君はもうおじさんだよ」と肩を叩かれた気がして絶望した。
もちろんこの感情は引きずることになり、運転中、助手席に乗った講師に2回ブレーキを踏まれた。

自分で自分のことをアラサーと言う人は、自分はまだ若者だと自認している。もちろん、僕もその中の1人だった。
自動車学校を卒業した現在、僕をおじさんであるとカテゴライズする人は少なくなると思う。
この自己評価と世間の評価のズレが、おじさんをよりおじさんにする。

僕は僕自身を「おじさん」という枠にカテゴライズした。
経路設計は間違えずに生きていきたい。


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