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「変な落とし物にはご注意を」な話

昨日行った美術館の話は、作品以外でいろいろと咀嚼しないといけないことがあったので後日書くとして。

今日はちょっと怖い話を。

アラサーとなり健康のことを考え、仕事終わりに1時間ほど歩くようにしている。いつも同じコースを歩いているため、正直周りの景色には飽き飽き。
ラジオを聴きながら下を向き、ただただ日課を消化する。
面白くも何ともないウォーキング。

その日も、「味には飽きたけど薬だと思って食べている」と言い、毎日納豆を食べるおじさんのように、うつむきながら事務的に歩いていると、こんなものが落ちていた。

これはいいネタができた。
「誰かが道端でサンドウィッチを作ってたんですよ」というギャグが言える。

次の日、早速ある人にこの写真を見せて、上記のギャグをかました。別に爆笑を取れるなんてことは思っていなかったが、クスっとくらいなら笑わせられると思っていた。

しかし、その人は顔をこわばらせながら、こう言った。
「それ、SNSには載せない方がいいですよ」

パンの耳が落ちていたと言わず、サンドウィッチを作っていたという、言い換えのギャグは、SNSの民に全く刺さらないから、あらかじめ忠告してくれているのか?
いや、そこそこウィットに富んだこと言ってると思うけどな。
そんなことを考えていると、その人は続けてこう言った。

「SNSでこの手の投稿を見ることあるじゃないですか。『冬なのに玄関先にクワガタいたんだけどww』みたいな。あれって誰かがわざと道に変なものを置いて、そういう投稿がされるのを待っているんですよ。要はストーカーとか浮気調査の探偵が、ターゲットの家の前や生活圏内にわざと変なものを置き、それを投稿させて、SNSアカウントを特定するための手口らしいですよ」

その瞬間、背筋がゾッとすると同時に、僕はこの手口でアカウントを特定する人に怒りが湧いた。なぜなら怖すぎるこのやり口のせいで、僕のウィットに富んだギャグが死んでしまったからだ。
白い部分がない食パンを見つけて、「道端で誰かがサンドウィッチを作ってたんですよ」というギャグを何人の人が言えるだろうか。
切れ味もなかなかのこのギャグが、お前たちのせいでなかったことになったんだぞ…。

なんてことを書いてはいるが、この記事を書いたことによって、僕自身が特定させるのはさすがにごめんだ。
なので、これを見つけた時からかなり時間を置いて投稿している。

また、仕事終わりの日課のウォーキングと書いたが、これが本当に僕の日課なのか?
もしそうだとして、本当に同じコースを歩いているのか?
はたまたこれら全て嘘で、あまり訪れない街に飲みに来た際に見つけて撮ったものなのか?
悪いが、これに関してはブラフを張らせてもらった。

不確定要素がたくさんではあるが、それでも僕を特定することができたら、是非声をかけてほしい。そして、僕はあんたにこう言ってやる。
「『写真で一言』の大喜利勝負しようや!」

「誰かが道端でサンドウィッチを作ってたんですよ」の借りを返してやる。

※お読みいただいた皆さんは、くれぐれもSNS投稿にはお気をつけくださいね。

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