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#小説
ヤスハラチヂミのお仕事日記(創作)
こんにちは。ヤスハラチヂミでございます。
1か月ぶりにウェブログを更新致します。
昨年、食の総合誌『月刊・ヴィミ』編集長の席を降りましたが、その後も様々なお仕事を賜っております。心より感謝申し上げます。
くつろぎの切り株に腰掛けつつ、雌の子ヤギを撫でる時間が増えたのは確かですが、それでも社会が私を手招きします。有難いことでございます。
最近の取り組みを以下紹介致します。
フードライターとして
小説:普通日記 #3
高校時代の友人、暮内くんに誘われて、カヌレ観戦に行ってきました。
カヌレ観戦については後ほどにして、まず、暮内くんについて語らせてください。
彼は会うたびに名前が変わります。わたしたちが彼に名前を与えるからです。それはあだ名や呼び名ではなく本質的な意味での名前です。XとYが織り成す座標ではなく、染色体レベルのゲノム編集です。もう少し補足すると、絹豆腐に見せかけた木綿豆腐であり、ポテトチップ
創作:ある甘味研究者の手記
シュークリームは世界を辞めていたので、ティラミスの前頭葉は常にホワイトユーモアに支配されていました。
ピーチメルバは氷の気化熱を利用してゼリー状の恋愛感情を押し込めます。夢の天然水は資本主義の人工水であり、それはハムカツがハムでありカツであることの位相差に似ています。
モンブランは目的の無い螺旋階段カテゴリーに属するとの報告には承服しかねます。モンブランが常にそして既に無極性なのは立証済みです
創作:なべちゃんのハマっているゲーム
揺れ動く2つのランドセルが夕日をはじいている。
「最近何にハマってる?」
「ゲーム、かな」
「へー、なべちゃんってゲームするんだ」
「意外?」
「うん。全然しないタイプだと思ってたよ。で、何やってるの?」
「ゲームだよ」
「だーかーらー、何のゲームかってこと」
「ゲームって言ったらゲームだよ」
「いじわる! 教えてくれてもいいじゃん!」
「いや … … いじわるとかそういうのじゃなく
小説:透明な猫(374文字)
誰も持たない道具を使う。それはピッケルの先端を納豆巻きにすることであり、幕末のヒキガエルの鳴き声にフランジャーを掛けて仕上げるものだった。
遥か遠くに見えるミートパイは、あっけなく情報戦に埋もれ、パラダイムのキャップに嵌め込まれたチゴイネルワイゼンとともに祝杯を上げる。
漬物石で覆われたエレクトーンがひとりでに鳴り響き、ウーロン茶はそのときだけ、複製物ではないよという表情を浮かべる。
ミシ
小説:全て裏表紙の取れた百科事典だと気づく
花壇を横切ったら、沼にはまった。ちょうど圧壊したのだ。濃霧の中を進むことに慣れていたはずなのに。それを中央分離帯だった頃のテントウムシが嘲笑う。
ブラスターを打つ。ダブルスチールを遂げる。人情を嗅ぎ分ける。綿棒をぶっきらぼうに折り曲げる。特別なノーマルを食べる。知覚的信念のかさぶたを剥がす。全て裏表紙の取れた百科事典だと気づく。
カウンター攻撃に対するプトレマイオス朝エジプトはコロボックル