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創作:ある甘味研究者の手記

シュークリームは世界を辞めていたので、ティラミスの前頭葉は常にホワイトユーモアに支配されていました。

ピーチメルバは氷の気化熱を利用してゼリー状の恋愛感情を押し込めます。夢の天然水は資本主義の人工水であり、それはハムカツがハムでありカツであることの位相差に似ています。

モンブランは目的の無い螺旋階段カテゴリーに属するとの報告には承服しかねます。モンブランが常にそして既に無極性なのは立証済みですよね。モンブランはいつだって罪のない淫なる夢に由来しますが、人々はそのことに気づきません。そうですよ。気づきたくなんかないのですから。僕も含めてね。

「時間は直線ではなく、中心のない同心円なのだ」
ドーナツは以前からそう主張していますが、もちろん検証は必要でしょうね。しかしながら、僕には彼女(ドーナツは女性名詞である)の中心をとらえることができません。いつになったら辿り着けるのだろうか。辿り着こうとするアプローチを疑ったほうがよいのでしょうか。

あるところのものではなくあらぬところのもの。それは例えば、【あるはずだった】冷蔵庫の中のカスタードプリンなのだ、と気づかされます。【あるはずだった】は果たされない約束の後奏であり、80年代のフェイドアウト楽曲のような形式です。

ですからカスタードプリンを責めないでください。彼(カスタードプリンは男性名詞である)はそこまで悪くはない。

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