マガジンのカバー画像

散文の仲間

89
ジブラルタル峻が綴る、理性や科学の外側のテクスト。
運営しているクリエイター

2024年3月の記事一覧

現代文演習問題|装備を整えたい勇者

現代文演習問題|装備を整えたい勇者

 さて、現国の過去問でもやろうかな。

以下の文章を読み、あとの問いに答えなさい。

問1:[ あ ]に入る適切な語句を以下から選びなさい。

a:丸ノ内線よりも強いもんな
b:南北線よりも使いやすいしな
c:半蔵門線よりも速いよな
d:そうそうそう、清澄白河から新宿西口までが切れ味抜群でね、こう、スパッとね …… ってバカっ
e: ……ってなるかー! 『装備するが良い』じゃねーよ

問2:【都営

もっとみる
創作:ある甘味研究者の手記

創作:ある甘味研究者の手記

シュークリームは世界を辞めていたので、ティラミスの前頭葉は常にホワイトユーモアに支配されていました。

ピーチメルバは氷の気化熱を利用してゼリー状の恋愛感情を押し込めます。夢の天然水は資本主義の人工水であり、それはハムカツがハムでありカツであることの位相差に似ています。

モンブランは目的の無い螺旋階段カテゴリーに属するとの報告には承服しかねます。モンブランが常にそして既に無極性なのは立証済みです

もっとみる
現代猫と転調|現代詩

現代猫と転調|現代詩

誇張しすぎたふくらみ餅のものまねをすることでおなじみの現代猫と戯れます。

仕事帰り。家路を急ぐ私。
横断歩道にて信号が赤なので、当然青になるのを待っていました。皆さんもきっとそうしますよね。
やがて赤信号は猫信号に変わりました。

「猫信号? そんなの知らないよ」
「ボク知ってるよ。運送業者のことだよね」
「それは業者によるんじゃないの?」
「青猫信号。青い猫ってまさか?」

【転調】
「ガニメ

もっとみる
サルトル『存在と無』|哲学との距離感

サルトル『存在と無』|哲学との距離感

サルトル『存在と無』の読書感想文

まず、読み終えた当時(数年前)のメモを載せます。

ハイデガーの『存在と時間』は数年前に読み終えていて、本書はいつかは読みたいと思っていた代物です。いくつかの予備知識を頼りにどうにかこうにか読み終えたという感じ。しかしながら、他の哲学系書物同様に、何度か読まないと自分に落とし込めないな、とも受け止めています。

ハイデガー同様に現象学的なアプローチで「存在」に挑

もっとみる
恋愛小説|第583894話(現代詩)

恋愛小説|第583894話(現代詩)

何を でなくて どのように
何を でなくて どのように

緑茶の影響力を下敷きにして
シンリンオオカミは会議室を後に

感性の螺旋階段をゆき
西洋サボテンの躊躇い

彼に即したタイコウチは
ビー玉のような

彼女に即した湧き水
パープルフィルムのような

無力な元老院はまた
アクセルとブレーキを間違え

あるところのものではなく
あらぬところのもの
しりぞきつつも
さしせまり

何を でなくて ど

もっとみる
自己紹介みたいな|「歩く」こと「書く」こと 2024/03/23

自己紹介みたいな|「歩く」こと「書く」こと 2024/03/23

名前

ジブラルタル峻(じぶらるたるしゅん)

在住

東京

職業

会社員

趣味

・読む:ときに曲解
・書く:後述
・噛む:二郎系も
・聴く:テクノ・電子音・ミニマルなど
・ドイツ語:ドイツ語検定は独学で二級までパスしました。語学全般好きかも。
・笑う:お笑いの各賞レース。おかしみとは何か?
・歩く:後述

書く、を巡って

 以下のようなことを試みています。

・(できることならば)他の

もっとみる
きりかえし

きりかえし

 ルールの外側を透明な猫が歩いていて、尾行していると明るい洞窟に迷い込みました。

【切り替え】

 大量のビジネスレターを書き続け、やがて石の下で安眠します。

【切り替え】

 ガーターベルトは情感を未来の出土品に隠します。失礼な空気よりも軽いカンマはやがて、ピリオドと相関します。

 この関東平野にジャムを塗って食べようとする奴がいたとしても。
 曇りの日よりも青空がいい。YES or NO

もっとみる
小説:普通日記

小説:普通日記

 先日の日記を転記しておくことにします。

 新宿東口のご存じ、シアターバゲットにて、映画『アボカドの決意』を観覧してきました。
 天気予報では、夕方からチゴイネルワイゼンになるとのことなので、僕はミジンコに変身するのと同じ要領で、ブルドッグになれるよう調整しておきました。
 朝食はもちろん春巻きです。遅刻しないように中身だけを食べました。しかしながら、モナド論的には御法度らしいのです。何せ窓がな

もっとみる
現代詩「タイトル」

現代詩「タイトル」

 春の結び目をほどくのは、キンポウゲの黄色でした。はにかむ雲を九十九折りにしてモノリス状にします。

 アルマジロの群れが乗車する車両の背後で、バッタの群れがうなり声を上げます。それはつまりエーゲ文明の自涜です。

 その瞬間でした。時間の地滑りが起きて、クラスで一番のヒロインは【関係性】になってしまったのです。言うまでもないことですが、決して【関係】ではなく【関係性】です。
 このことはハイデガ

もっとみる
創作|アトリエを巡って

創作|アトリエを巡って

・時間にマヨネーズをつけて食べる。
・背徳的なサンシャインバターによく似た影絵で添い遂げる。
・至近距離でシュートを外す。
 それら一連の旧世紀を手裏剣にします。

・クラムベリーを解きほぐすかのように。
・刀の錆を研ぐように。
・フラスコの中の次世代のように。
・あきらめる、の中に釣り糸を垂らすかのように。
 これらは次第に放物線そのものになり、ゲートインとゲートアウトを繰り返します。別言するな

もっとみる
国立古言語文化研究所・定例レポート2624年版

国立古言語文化研究所・定例レポート2624年版

 今から300年前のウェブログとみられるテクストを以下に示す。書き手はビデオゲームと親和性の高い一般人であると推察されている。

 尚、文中の※は当研究所長、覇瀬銀一郎の注釈である。

2324年前半まとめ

皆さん、いかがお過ごしですか?
今年も折り返しですね。
僕の2324年前半は以下のような感じでした。月ごとに示してみます。

2324年1月

・今年は何か【新しいこと】をやりたいと考えてい

もっとみる
創作|ありがとう現代詩

創作|ありがとう現代詩

 アメリカンショートヘアと占いの館の差分をナビエ-ストークス方程式に代入します。そうして得られたメロディーに乗せて以下歌わせていただきます。

 均整の中の混沌を薄く伸ばし、よく乾燥させます。するとどうでしょう。アタッシュケースに轢かれた恋慕のような半壊感に溺れます。
 緑色の初恋はやがて金色のウグイスになり、赤道上空2000キロメートルの彼方から刺身包丁の鋭さでエールをおくります。
 そうです。

もっとみる