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現代詩「タイトル」

 春の結び目をほどくのは、キンポウゲの黄色でした。はにかむ雲を九十九折りにしてモノリス状にします。

 アルマジロの群れが乗車する車両の背後で、バッタの群れがうなり声を上げます。それはつまりエーゲ文明の自涜です。

 その瞬間でした。時間の地滑りが起きて、クラスで一番のヒロインは【関係性】になってしまったのです。言うまでもないことですが、決して【関係】ではなく【関係性】です。
 このことはハイデガーの【存在物】と【存在】の区別に近似こそすれども、火曜日のドラヴィダ語族の方々にとっては、一枚の花びらと等価値なのでした。ダンサブルなカーディガン。赤。艶。熱。

「同じ巻、買っちゃったよー」

 それは環形動物の交尾後の台詞に他ならず、電子顕微鏡の外側の吃音です。

 あるところのものではなくあらぬところのものは、また少し振動し、宿命の利得を奏でます。そしてカーディガンの疾走。赤。艶。熱。
 やがてくる【ネットワークのネットワーク】のために。

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