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夜の帳に銀の星 ―🎬時空を超える活動寫眞🎦―

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2022年3月の記事一覧

映画『東京物語』の感想。孝行したいと思った時に親はもう…

映画『東京物語』の感想。孝行したいと思った時に親はもう…

今年(2022年)から
この企画をスタートさせました。

というわけで今回は
今年になってから一発目に観た映画
小津安二郎監督『東京物語』を
ご紹介しようと思います。

■概要この話のヒロインである
原節子演じる「紀子」は
小津安二郎の他の作品
『晩春』『麦秋』にも登場するため
この3つを合わせて「紀子三部作」とも
呼ぶそうです。

この映画、
日本だけでなく世界的にみても
すごく評価の高い映画ら

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ヌーヴェルヴァーグの申し子たち

ヌーヴェルヴァーグの申し子たち

最近観たトリュフォーの「大人は判ってくれない」と「突然炎のごとく」から、さらに今までインスタに投稿したヌーヴェルヴァーグ作品たちを掘り下げまとめた備忘録🎥🤍

わたしのわたしによるわたしのためのヌーヴェルヴァーグのあれやこれや。相変わらず作品のあらすじや細々した説明は省きますよ〜。

「大人は判ってくれない」は、

巷で話題のフレンチ・ディスパッチのパンフにも載っているらしい。買ったのにまだ読

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「賞」の意義

「賞」の意義

私が映画「ドライブ・マイ・カー」を鑑賞したのは、巷で話題になるずっと前のことだった。慌てて見に行かなければならなかったほど上映期間は短かったし、このご時世とはいえ客の入りもまばらだった頃。魂が揺さぶられるほどの感動を分かち合える相手はほとんどいなかった。

作品の要素をエンタメ性と芸術性に二分するならば、圧倒的に芸術性の比重が高い映画である。勧善懲悪や少女漫画的ラブストーリーのようなわかりやすいプ

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映画『アメリカン・サイコ』と書体 “Copperplate Gothic”の関係

映画『アメリカン・サイコ』と書体 “Copperplate Gothic”の関係

クリスチャン・ベール主演の映画『アメリカン・サイコ』映画『アメリカン・サイコ』(American Psycho)は、1991年に出版されたブレット・イーストン・エリスの長編小説を2000年にカナダの映画監督メアリー・ハロン監督により、クリスチャン・ベール主演で映画化されもの。

1980年代後半のマンハッタン・ウォール街を舞台に、投資銀行で副社長を務める一方で快楽殺人を繰り返す主人公を描くサイコ・

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短期連載「なぜ僕は邦画を見てこなかったのか」① テレビドラマが充実しすぎて邦画がお呼びじゃなかった70〜80年代

短期連載「なぜ僕は邦画を見てこなかったのか」① テレビドラマが充実しすぎて邦画がお呼びじゃなかった70〜80年代

どうも。

今日から3日間は短期集中で連載ものを書こうと思います。

題して

なぜ僕は邦画を見てこなかったのか
ズバリ、これでいこうかと思っています。

というのはですね。

今週、やっとこさで「ドライブ・マイ・カー」がブラジルでも公開されるんですよ。邦画の、アニメじゃないものが公開されるのって、ブラジルだと年に1回あるかないかですよ。それくらい本当に貴重なもので。これだって、もしオスカーに作品

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