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エッセイ

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#日記

あいたい

会えないから会いたいと思うのか、会いたいと思うから会えないのか、その真理は行方知らず表裏一体なのかしら。

あなたは今どこで何をしているのだろうと毎日気になってしまうの。

私は気にする立場でもないけれどこの2ヶ月はもう何年ものように感じるわ。

あなたはきっと丈夫だからそれなりに生きてると思う。でもちょっと繊細で気難しいところを持っているでしょ。ちがうかしら?

いつもみたいにばったり会って、小

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夢見

最近いろいろ大変なんだよね

寝てる時くらいそっとしといてって思うのに夢でばったり会うよね

嬉しいけどしんどいの。平安の時分だったら会いたいと思ってる人が夢に出てくるって、夢に会いに来るって信じられてたの。

現代は夢は無意識の世界であって、願望を満たす自己の世界だって。

あなたが現れるようになって私の願望が浮き彫りなるような感じがして怖いです。

あなたは私に会いたいですか?会った時いつも何

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しいたけの狭間で

私にとってあなたはそれなりに人となりを知ってる顔見知り。友達でも恋人でもない。
強いて言うなら週に何回か上司になったり。行きつけの店がおなじとかそれくらい。

でも、どこか救いや希望なんだと思う。

あなたの彼女とも知り合い。よく話すしあなたからも話をよく聞く。

私の混沌とした日常の中の救済。
フォークリフトのバック音と荷物の山からちらりと見える疲れた横顔に救いを求めてしまう。

彼女が知らない

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わたし心と秋の空

夏、あんなに手の届きそうだった雲

秋になって、気づけば空高く、遠くに浮かんでいる。

穏やかで柔らかなひかりが降り注ぐ空には手を伸ばしても何も掴めない。

新しい季節の始まりに、手を伸ばす。

何にも届かない。

近くて遠くてそれでいて覆われている。

何も考えたくない、感じたくない私の横をいてつく秋風がかっさらっていく。

わたしは夏より弱くなった。

弱くなった訳じゃなくて、元のちからに戻っ

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カクテルの空がいく

ちょっとだけかっこいい服を着てバイクに乗っていた、原付だけど、白黒の線を渡る小学生は私を見ていた。

かっこ悪いわたしでも、大人のお姉さんに見えたのかな。

そんな子供の瞳が私は昔怖かった。なんでも見透かすような瞳が怖かった。

でも、今は素敵な水色のランドセルもお揃いの黄色い帽子も全てが宝物のように見えます。

あなた達がいて、信号があって、満タンの原付があってわたしは満足なんですよ。

機嫌が

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タコウェンズデー

タコウェンズデー

”Taco Tuesday”という言葉をご存じだろうか。

アメリカなどでは火曜日にタコスを食べるという習慣があるらしい。

この頃よく見る某料理系レトロYouTuberさんの影響で一人でタコパをしている。

日本食では味わえないあのスパイシーで爽やかな味はたちまち全ての悩みを吹き飛ばす。

そう、だがそれも一瞬のことである。

「あたしは学校に一秒も行かず、家でタコスをほおばる愚か者だ」という思

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強欲な壺漬けわたし

半年ほど前から知り合いのインスタに社会人の彼氏が登場するようになった。スーツを着ているし、写し方が後ろ姿とか首から下とか、恋人ですとはっきりいっているみたいなもんだ。

スーツ彼氏は仕事帰りにかわいい女子大生の彼女を飲みに連れていく。大学生と違って羽振りが良さそうだ。クリスマスにもブランドのバックなんかプレゼントしていた。

最近は顔をはっきり写すようになった、その度に「あ、そんな大したことないな

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まだまだ大人になれない私は

「大人になったわたしたちは」の同じ夜の話。

一緒に給食をつついてた彼らは目の前でテキーラをあおっていた。人は年月が経つだけじゃ大人にはなれない。なんとなく変わってないなとも思う。こういう子は昔からこうだった。調子に乗るのだ。潰れるぞ。今に潰れる。

酔った男は女子に絡む。

こんなご時世、駅前は新成人で溢れかえっていた。寂れたと思ったこの街もこんなに若者がいるのか。

なんとなくおもしろくなくて

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大人になったわたしたちは

久しぶりに同級生と会う前、自分がどんなテンションで、ノリで、態度で接していたか分からず緊張してしまうという経験はないだろうか。

ましてや、思春期を迎える前の小学校の同級生となると尚更である。人は思春期にある程度の人格が形成されて以後そんなに大きく変わることはないように思う。だから、同じ空白の10年を過ごしても高校時代の友達か、小学校の友達かによって久しぶりに会った時の感触は大きく変わる。

私は

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