のまりれね

短歌詠みます。エッセイみたいなの書きます。時々感想文も書きます。

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最近の記事

愛し忌わし我が故郷

プチ帰省を挟んだためこの正月は2ヶ月ぶりの故郷であった。 私にとってこの町は、長く付き合って、そして一度憎しみ合って別れた昔の恋人のよう。 今では元気にしてるのか、どうしているのかを気にするほどに気持ちは着地したが、私たちが交わる、結ばれる、同じ道を歩いていくことは未来永劫ないだろう。 決して嫌いなわけではない。でも思い出が、記憶が、言葉が、文化が、街並みが忌わしい。 同時にその全てが懐かしくて愛らしい。 でも、ここに私の居場所は無い。 自ら選んだことに後悔はない

    • 1人百人一首〜血潮〜

      今日もまたたくさんの人に愛されて新門司港の夕日を見ている 閉ざされた愛の記憶に潮が泣く血の繋がりは血の祈りなり 九州の匂いがするような田舎道かっ飛ばすわよ95キロ もう一度何度でもって旅だった港の球体あれはなに? またねって大きな影が映ってるとりかじいっぱいいざ人生へ 変わらないものもあったりなかったりバイキングでは上手に盛れない 九州(ここ)でしか見れない店が並んでるミスターマックスコメリにサンリブ

      • 連作

        あなたに捧ぐ連作をあなたは今どこに飾ってるだろう。 受け取った時、見たとき何を感じただろう。 私の思いは一方通行の恋みたいですね。 あなたが始めた物語の一員であり私の人生は私のものです。 だから、着地したい。 破壊も創造も紙一重だとおもいます。 私たちが願うことはきっと真逆じゃないけれど交われないくらいお互いに不器用ですね。 何をしても、何を思っても分かり合えないあなたは消えてほしいとすら思うこともあるんです。 それでも私は、うまく伝えられないけれどあなたの人生の目

        • 1人百人一首〜蛇含草と年の瀬〜

          「服くらい着ろよ」「一服しているの」二人の終わりを纏った1K 年の瀬に買わない番号言ってみる白い煙とあなたの香り わたくしは誰かのために生きている見つけれてないけどそのうちいつか 優しさを誰かにあげたりもらったり私は生きたこの1年を 来る年はどんな1年こうしたいああしたいとか若さの息吹 依存性チェックをしながら飲むチューハイ「大将おかわり」もう一杯 後朝の別れも惜しまぬ誰そかれあれは幻蛇含草 もう君がいない最寄りの半端駅私は夢から飛び起き眠る 抱かれて

        愛し忌わし我が故郷

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        • エッセイ
          18本
        • 1人百人一首
          23本
        • 詩のようなもの
          12本
        • 三文小説(短編・掌編)
          3本

        記事

          ある夏の朝

          澄んだ路地 光がこぼれる高架下 誰かの咳の音 カーブミラーのやつれた顔 私の歩む草履がぺったんぺったん 何も知らない風の湿度 秋はすぐそこにあるみたい 貨物列車にそよぐ穂と ゆうべを知らない鳩の子ら

          私の日

          ありがとう。ごめんね。 私は大人になれないかも。 たくさんの祝福に囲まれてうれしいのです。 でも、赤いリボンはいつまでも外せなかった。 ずぅっと、ピエロにしかなれません。 私が私であるために、私はそれほど強くない。 ブルを貫く瞬間とみんなの笑顔の一瞬で必要なだけ幸せで、必要なだけ考えて あとは、なにもできないよ。 無敵の今日が終わってく。 今日は明日、明日は明日と続いてく。 こぼした笑顔はどうかそのままで 赤いリボンを外してく 始まる頭痛と胸の音

          あいたい

          会えないから会いたいと思うのか、会いたいと思うから会えないのか、その真理は行方知らず表裏一体なのかしら。 あなたは今どこで何をしているのだろうと毎日気になってしまうの。 私は気にする立場でもないけれどこの2ヶ月はもう何年ものように感じるわ。 あなたはきっと丈夫だからそれなりに生きてると思う。でもちょっと繊細で気難しいところを持っているでしょ。ちがうかしら? いつもみたいにばったり会って、小馬鹿にされたりくだらないことで笑ったり、あの時みたいにたまには真剣な話もしたり、

          夢見

          最近いろいろ大変なんだよね 寝てる時くらいそっとしといてって思うのに夢でばったり会うよね 嬉しいけどしんどいの。平安の時分だったら会いたいと思ってる人が夢に出てくるって、夢に会いに来るって信じられてたの。 現代は夢は無意識の世界であって、願望を満たす自己の世界だって。 あなたが現れるようになって私の願望が浮き彫りなるような感じがして怖いです。 あなたは私に会いたいですか?会った時いつも何を思ってますか? 私はまだ分かりません。あなたのことを知りたいです。 なんだ

          都々逸その5

          奇しくももらったワンカートンあなたの口づけ思い出す ぽつんとひとり師走の粉雪それでも私はここにいる 家族に会える故郷に帰るそんな私を好きでいる 大きな瞳冷たい心煙草呑みの弱音と笑い やめてください仕事中ですこぼれる笑みに俯くことも 近づきたいのそれでも怖いこのままこのまま平行線なら 好きになることこんなに怖い大人になった奥手になったにっちもさっちも動けない

          都々逸その5

          年の瀬は傍若無人だ

          2022年が今日で終わる。 私の22歳の1年間が終わる。大学生活が終わる。 今年は5年分位の濃さはあったと思う。 2回振られて、2回振った。 その出来事は動作動詞だけれども、心はずっとぬかるみを這いつくばってた。 誰も死んでないし誰も生まれてない。 でも、誰かと誰かの物語は死んだり生まれたりした。 苦しい経験だけど、いつか生きた証にできる日が来たら胸を張って「私はここにいる」と言えるのかな。 オールナイト営業の脳みそが筆を進めている。この新幹線の中で私は今年最後の日

          年の瀬は傍若無人だ

          しいたけの狭間で

          私にとってあなたはそれなりに人となりを知ってる顔見知り。友達でも恋人でもない。 強いて言うなら週に何回か上司になったり。行きつけの店がおなじとかそれくらい。 でも、どこか救いや希望なんだと思う。 あなたの彼女とも知り合い。よく話すしあなたからも話をよく聞く。 私の混沌とした日常の中の救済。 フォークリフトのバック音と荷物の山からちらりと見える疲れた横顔に救いを求めてしまう。 彼女が知らないあなたの顔を私は知ってるのだろうか。そうだったらどうなの。 こんなガキンチョ小

          しいたけの狭間で

          喫茶店のナポリタン

          毎日はいらないけれど、いつでも落ち着けるようなそんな人になりたかったの。 チープでわかりやすい、愛嬌のあるそんな人になれたらよかった。 自慢にはならないかもしれないけど、ふと思い出して帰りたくなるそんな愛され方できないかな。 別に、お高くとまったイタリアンなんかじゃないんだよ。 君が思ってるよりずっと、いい意味でも悪い意味でもきっと安い。 うちの店はこれ一本でやらせてもらってます。 でもお望みならば、好きなものをお出ししてます。店主の気まぐれで。 あなたの行きつ

          喫茶店のナポリタン

          ギター

          ギターは素敵だ。 ベースも、ドラムも何もかも楽器は素敵である。 お金を貯めたらギターを買いたい。 これは「夢」なのだ。 あなたが私の元へ帰ってきたらギターを教えて。 あなたにギターを教わりたい。 1人で始めることはできるけれど、あなたが帰ってきたらギターを始める。 これは賭けかもしれない。 逆に言えば、ギターへの気持ちはそれくらいかもしれない。 それでもあなたがいるなら私は楽器を始めるだろう。 あなたとの最後の繋がり、音楽はあなたがそばにいたらわたしは安心して奏

          【手紙】永遠のあこがれへ

          拝啓 永遠のあこがれ様 寒くなってきてまいりましたが、いかがお過ごしですか。 夢に向かってじんわり進んでいますでしょうか。 進んでいらっしゃらなくてもいいんです。お元気ならばそれで。 わたしは、ほんの少しですが夢へ近づいて行っていると思います。でも、あなたへ顔向けできるような生き方はできていないと思います。 思えばあのころ、わたしの夢はあなたでしたね。 尊敬と憧れときらきらしたものが入り交じった何かを「愛」と名付けてあなたを困らせてしまいました。 思い返すとあ

          【手紙】永遠のあこがれへ

          熟れた実

          食べ頃のフルーツ 浮気な視線が果実に刺さる 熟れているの 食べ頃は人それぞれね わたしって美味しそうでしょ? 瑞々しさも甘さも、見た目も 今だけ、今だけ。 どうか摘み取ってくださいな あなたが摘んでくれるなら どうせいつかは朽ちていく うれのこってしまうもの 癖のあるフルーツ 食べ方にはコツがあるの 毒があるわ気をつけて 熟れ切るまでがいちばん美味しい あなただけにこっそり教えてあげる 美しさも羨望も艶も あの時だけ、あの時だけ どうかもう一度口にしてみて 今

          6号艇

          昨夜の夢に覚めるギリ午前 ボートレースを見ているの 2Rスタートまだ眠たいわ ルールはしらないこれだけは まさぐる指先これにはルールはないのよ 夢が覚めたら11R 転覆したら失格らしいわ 寒いキッチン煙越しに背中とテレビを眺めてる 内枠有利か逆転劇がないなんて つまらないわ、つまらないわ もう1レース雨が止んだらここを出よう ここも外も冷えきってる ゆらゆらゆらゆら ゆらゆらゆらゆら 心に何も芽生えないの 寒いくらいかちょうどいいかも ふらふらふらふら ふら