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美少女アニメキャラTシャツ着用によるオタクカルチャー搾取のための試論
自分の好きなバンドTシャツをこれ見よがしに着る人間は「昭和」である、何なら「Tハラ(バンドT・ハラスメント)」であるということを我々はアイアンメイデンを知らずにアイアンメイデンTシャツを着る令和の若者の出現で感じつつある。その辺のおばあちゃんが訳も分からずにラディカルなハードコアパンク系Tシャツを着ていたという報告例もあり、その是非をめぐって議論は喧々諤々の様相を呈している。
しかし、好きなバン
『黒人音楽史 奇想の宇宙』(中央公論新社) に學魔・高山宏大人よりコメント届く!!!!!
2022年10月19日発売の第二著作『黒人音楽史 奇想の宇宙』(中央公論新社) に、學魔・高山宏先生から最速コメント届きました。以下手紙の一部を掲載します。
「ゴチャゴチャギラギラ本」という最大級の賛辞(⁉︎)をたまわった他、第二章「鳥獣戯画ブルース」に目を付けてくれた恩師はやはり慧眼でした。アフロフューチャリズムとは詰まるところBLM以降、「ポストソウル」の思想であり、ピッカピカに輝く「意識の
〈クリスタル・ミュージック〉試論——音楽の結晶的/鉱物的想像力を考えるためのディスクガイド
「何にしても人間よりは樹木の方が偉い。樹木よりも鉱物、それも水晶のようなものがいっそう偉いのだ。人間も早く鉱物のようになってしまったらよかろう。」 稲垣足穂「水晶物語」より
序 水晶の目覚め批評集『進撃の巨人という神話』(Blueprint、2022年)への寄稿依頼があったので、この国民的人気マンガをちょっと斜交いに「結晶・鉱物的想像力」という視点で論じようと思い立ち、「水晶の官能、貝殻の記憶
【WEB補習】「ゴシック表象文化論——After Bauhaus」講義ノオト
本業ロックンローラー、副業ジャン=リュック・ナンシー研究者(※逆という説もある)柿並良佑先生の招聘により、わが母校・山形大学(中退ですが♨)で特別講義「ゴシック表象文化論」(2020年12月3日)を開催しました。東京から遠いというのもあって「行けなかった悔しい」という声多数だった(と勝手に思う)ゆえ、実際に授業で使用したスライドをお見せしながらいっちょ「WEB補習」をやろうかと思い立ちました。時間
もっとみるシャナイア・トゥエインのMVから考える「印象批評」
Shania Twain - That don't Impress me Much
カントリー娘がLAヘアメタル系のチャラ男と付き合って触発されてしまったようなカントリーメタルな楽曲(?)で、ミュージック・ヴィデオではそれを反映するように全身ヒョウ柄のシャナイア・トウェインがクールできまってる。砂漠でヒッチハイクする映像の崇高さと俗悪さの妙な混交ぶり、そしてリリックに出てくる「ブラッド・ピッ
検察庁法改正案と「ノンセンスの領域」
安倍晋三が辞任とのことで、いまさら蒸し返すのもなんだが検察庁法改正案をめぐるツイッターでのハッシュタグ・カーニヴァル(?)の盛り上がりと個人的に感じたモヤモヤについて思い出した。集団陶酔も収まったこのタイミングで言うべき内容だろう。
安倍・黒川の政治的ノンセンスに反対するのは道理というかセンスであろうが、それは当然ながら「強制」されるべきものではない。ある時点から「ひとまず理由はいいから兎角ハッ
「切株映画」の詩学――四肢切断はメッセージ
「切株映画」のファンとして、原因と結果のみを示す四肢切断シーンに不満を感じる。いわば「チェーンソーを振り下ろす」(原因)→「手足がぶった切られる」(結果)という二つの〈カット〉を繋ぐというもので、肝心のシーンが省略されているケース。チェーンソーが手足を切断する瞬間の――いわば切株が〈生成〉する過程の――映像の「テクスチャー」を味わいたい身としては、これは悲しい。
切株が生成する「プロセス」こ
黒人女性による「アフロゴス」試論――Leila Taylor『Darkly』と「黒の衝撃」
ゴスはメインストリームへの反抗、はぐれ者との自己同一化、盲目的な楽観主義への懐疑を、メメント・モリ的手法で表象する。それは前向きで退屈な覇権的文化にとってはメロドラマ的生命(エラン)となる。ゴスは単なるファッションではなく、それは感受性であり、いわばゴシック・パースペクティヴなのである。……では〈アフロゴス〉のようなものはあるだろうか?
リーラ・テイラー『ダークリー』(20ページ)
ぼくが201
メイキング・オブ・『ゴシック・カルチャー入門』①――配管工としての文学者
発売して半年以上経ったし、拙著について自己切開(アナトミー)したくなった。自分でいうのもなんだが伝説のデビュー作だと思っている。というのも開始一行目に誤植があり、あとがきで実の母の名前を間違えている本など前代未聞であるからだ。
そうしたボケや校正へのあてこすりはさておき、この本に寄せられた感想に多かったのが「文体がヤバい」とか「文章のドライヴ感」とかそういうもの。さぞや「エクリチュール」なのでし