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『黒人音楽史 奇想の宇宙』(中央公論新社) に學魔・高山宏大人よりコメント届く!!!!!


『黒人音楽史 奇想の宇宙』表紙画像
装画 市川洋介
装幀 桜井雄一郎


2022年10月19日発売の第二著作『黒人音楽史 奇想の宇宙』(中央公論新社) に、學魔・高山宏先生から最速コメント届きました。以下手紙の一部を掲載します。

2020・10・13【註:2022の誤り】
(ハズキルーペで読んだ第一号!)
待ってゐた一冊、13日午後で読み切り
やあ、やあ、やってくれましたね。これで二冊並べてみるとオレの『アリス狩り』と『目の中の劇場』と云う2トップにいろいろな面で似てる、というか通じてゐる。抜かすの勿体ないというのでフルスロットルで走り、詰めこんだね。ここしばらくこういうゴチャゴチャギラギラギラ本みてないから、これはひたすらみなびっくりするだけだろう。オレのこと完全ムシでいってたら、ほう面白いネ後藤は、ということになったかもしれないが、あとがきはじめ、ところどころ高山宏を思い出してくれてゐて、ハア、けっこう「律儀な無頼」じゃあ、と感心(というか安心)した。●●●●●●【註:名前は伏せます】とか、その辺無礼な奴、結構ゐて腹立つからなあ。
【中略】
「ジャズと動物マニエリスム」【註:ジャズではなくブルース】の一章はほんと「奇想」で、心底爆笑したね。なーるほど!

2022.10.13消印 學魔書簡より引用


學魔書簡。disってる人は差しさわりありまくり(汗)なので伏せます。

「ゴチャゴチャギラギラ本」という最大級の賛辞(⁉︎)をたまわった他、第二章「鳥獣戯画ブルース」に目を付けてくれた恩師はやはり慧眼でした。アフロフューチャリズムとは詰まるところBLM以降、「ポストソウル」の思想であり、ピッカピカに輝く「意識の高い」SFガジェット世界に土臭いブルースマンたちの居場所はありません。しかし「アフロ・マニエリスム」はより包括的な概念として、女性にジェントルで、白人とお友達になれる進歩的な黒人(シドニー・ポワチエは「白人がランチに誘える初の黒人」と綽名された)が出現する以前の、土臭いリアルな黒人達を、決して「前近代」として切り捨てません。その前近代性を、動物ひしめく「ファンタスティック」ブルースとして捉え返し、(ほのぼのした雰囲気とは裏腹に)喉元に突きつけたのが第二章でした。

第一著作『ゴシック・カルチャー入門』(Pヴァイン)のコアとなる章が「「鄙びる」ゴシック」だったとしたら、『黒人音楽史』のコアとなる章はこの第二章になるでしょう。

しかしここまで丁寧に読んでくださる學魔、やはり「律儀な無頼」(松岡正剛)ですね。高山先生への僕からのメッセージは『黒人音楽史』あとがきに熱く(熱苦しく?)書きつけたので、よかったら覗いてみてください。

「鳥獣戯画」ブルースの章がお気に入りの學魔が選んだ拙著に「ふさわしい」一葉。ヒグチユウコ氏の「ギュスターヴくん」の動物てんこ盛り絵葉書。真ん中のでっかいワニはヴンダーカンマーの象徴!!!!!

※サムネイルは高山えい子(詩人&故人)が『黒人綺想音楽史』という仮タイトルのときに作ってくれた告知画像です。

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