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いわゆる発達障害ライフハック

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東浩紀「訂正可能性の哲学」書評〜生きづらさと訂正可能性

東浩紀「訂正可能性の哲学」書評〜生きづらさと訂正可能性

簡単に言えば、現代社会は訂正可能性をどんどん排除していっているが、それは大丈夫なのか?という話。
一番わかりやすい例は、AIを利用した人工知能民主主義への批判である。
人工知能民主主義は、グーグルが広告へ誘引するようにある個人を様々な日常生活の情報からあるカテゴリへと選別していくような評価社会=監視社会をいう。
そういった社会では、寝てばかりいる人間の政治家よりはマシであろうと、何でも「統計上の正

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なぜあなたは空気が読めないのか? 「空気を読む」歴史と発達障害の誕生

なぜあなたは空気が読めないのか? 「空気を読む」歴史と発達障害の誕生

なぜ「空気を読む」ことが求められるのか空気が読めないことは、現代社会において非常に厄介な問題とされている。
権威が提供していた社会維持システムである大きな物語が終焉し、産業構造の転換により高度な情報社会と個人主義が跋扈し、「空気を読む」というコミュニケーションスキルがなければ「社会不適合者」の枠印が押される。
大きな物語とは、簡単に言えば無数の人々を押し込めて統治するためのわかりやすいストーリーだ

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引きこもりは日本的土壌が育んだ最適解

引きこもりは日本的土壌が育んだ最適解

「引きこもり」は日本特有の『症状』であると言われる。
欧米では若者を個人主義よろしくいち早く社会人として世に送り出すことを是とし、中華圏では厳しい学力競争に打ち勝つことにより若者を一族の代表として期待することは当然とされている。
日本はこの西洋と東洋の近代若者感を神仏習合しつつ、独自のイエ・ムラ的な土台からカテゴライズし、リクルートスーツを着込んで集団就職するという帰結に至った。
欧米や中華圏より

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なぜ発達障害者とネグレクトを受けた子供は社会に適応できないのか?の根本原因

なぜ発達障害者とネグレクトを受けた子供は社会に適応できないのか?の根本原因

社会に適応できない人々の中でも多くを占めるのが、発達障害者とネグレクトを受けた子供であると思う。
学校では問題児扱い、社会に出てもいわゆる普通の人と一緒にできない。
コミュニケーションが不得手であり、そこから発する諸問題により「適応できない」との烙印を押されてしまう。それも自己責任として。
ここでいう社会に適応できないというのは、本人がそう思っていること、そう思わざるを得ないと感じていることを指す

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スクールカーストによる洗脳に気づけば人生楽になるよという話

スクールカーストによる洗脳に気づけば人生楽になるよという話

スクールカーストといえば、学生時代に誰もが感じたであろうクラスの中のヒエラルキー。
簡単に言えばリア充、非モテ。更に細かく分けると、アメリカの学園映画でおなじみのスポーツ万能体育会系やモテ男子女子軍団を頂点とし、末端はオタクにKYなどなど。
本質的なことをいえば、これは安全欲求が満たされた同質的な集団があれば必ず生じる集団形成の澱のようなものだ。

なぜ我々はヒエラルキーを生み、そしてその中だけの

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生き辛さの原因を隠し続ける社会

生き辛さの原因を隠し続ける社会

生き辛さを抱える人々は延々と苦悩し続ける。
それは終わりなき苦しみ・・・ではない。
だが、なぜあなた達は生き辛さを抱えているのに根本原因を探ろうとしないのか?
「自分が悪い」「コミュ障だから」「あいつが悪い」「いじめが悪い」「大人が悪い」「日本が悪い」
そうではない。
あなたが生き辛さを抱えているということは、生き辛さを抱えていない人間もいるということだ。
なぜなら生き辛さとは、他者との比較の上で

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人生「主人公感」が大事だが、それは本当にあなたの主人公感?

人生「主人公感」が大事だが、それは本当にあなたの主人公感?

僕は現代人に最も必要な自己肯定感は、「主人公感」であると思う。
そもそも現代社会は自己肯定感を必要とさせる。
これは2つの理由がある。

1つ目は、現代社会では個性が埋没してしまうからだ。
社会システムが高度に発達した今、個人はシステムの中の歯車であり、全体性やグループとして処理されている。
よって「生きている実感」が生じにくい。
これがひどくなるとうつ病や精神病になってしまう。
これは豊かな現代

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闇の発達障害ライフハック前提編:まずはその嫌いな世界を捨てよ

闇の発達障害ライフハック前提編:まずはその嫌いな世界を捨てよ

全国500万の自称他称問わない発達障害傾向者の皆様、お待ちかねです。
我々の大好物で結局使わないライフハックのお時間ですよ!
健康優良不良発達障害少年の私は、社会の荒波の中でも何とか世間様に合わせる事ができるようになっております。
これは偏に黒歴史とすべからく読み漁った様々な本から摂取した知識のおかげであることはいうまでもありません。
もちろん、あっち系なので文章にまとまりはありませんが、発達障害

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発達障害者こそ本来の人間らしさを持っているという事実〜中動態的自己意識〜

発達障害者こそ本来の人間らしさを持っているという事実〜中動態的自己意識〜

現代社会が如何にイカれているかというのは前回記載したが、今回は人間らしさとはなにか、そして現代人が去勢し家畜化されていくさまを参考文献多めで書いてみよう。

すべては農業と定住革命から始まった農業と定住は非人間的な生活スタイルだ。
人間は農業と定住により大集団化され、そこから文明が育まれた。
農業と定住は悪弊ばかりではない。ナチス的な進化論では、種の繁栄を支えたとして讃えられるだろう。
しかし一個

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誰が発達障害者を生きづらい社会にしたのか?を探る『デカルトからベイトソンへ』②

誰が発達障害者を生きづらい社会にしたのか?を探る『デカルトからベイトソンへ』②

前回の記事にて、近代化により世界は「たしかなもの」が失われ、人間は社会が規定したシステムに最適化することが求められる排他的な世界観の中で生きているということを提示した。
発達障害とは、この根拠のない社会が自立するためだけの本末転倒システムを維持するために「排除された」存在のことをいう。
だから『自己責任』なのね。

今回は引き続き『デカルトからベイトソンへ』から引用し、そんな近代社会システムがそも

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誰が発達障害者を生きづらい社会にしたのか?を探る『デカルトからベイトソンへ』①

誰が発達障害者を生きづらい社会にしたのか?を探る『デカルトからベイトソンへ』①

なぜ我々は生きづらいのか?

空気が読めないから?馬鹿だから?電話が取れないから?

違う違う、そうじゃない。社会が勝手に規定した枠からはみ出しているからだ。でも俺たちは抵抗し続ける。なぜなら去勢された「社会人」なんて生き方はまっぴらだからだ。

しかし、我々は図らずもこのクソ社会に生きる羽目になっているのは紛れもない事実。ああ、赤いカプセルをよこせ。

「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」って中

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小学一年生の僕へ贈る手紙『社会に合わないという自覚があるのなら、社会の価値観に自分を適応させようと無駄な努力をするな』

小学一年生の僕へ贈る手紙『社会に合わないという自覚があるのなら、社会の価値観に自分を適応させようと無駄な努力をするな』

京王線刺傷事件とJOKERの関係性を書いたが、僕自身強く思うのは『社会に適応できないという不安が強いのに、なぜ社会の価値観に自分を適応させ続けようとするのか?』ということだ。

もちろん人間的な生活より経済最優先の現代において、プラグマティックな戦略で社会に適応するように努力するのは当然の人生戦略だとは思う。

だが、発達障害関連の言説の悲喜こもごもを眺める限り、「社会に適応できない発達障害が悪い

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