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ボードゲーム関係

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#ゲームデザイン

プレーヤーの『リアクション』を生成するルール集【ライトなカードゲーム編】

プレーヤーの『リアクション』を生成するルール集【ライトなカードゲーム編】

前書き 普段と違い、ゲームのメカニクス(≒大枠)の話ではなく”細かい実装”部分の話。

 短時間で終わる軽いゲームの場合、『このゲームはどうやって人の心を動かすのか?』を意識して作っていきたい。
 作っていきたいんですが、テストプレイ時はつい頭でっかちになり「カードごとの強さのバランス≒公平性」の話をしてしまいそうになる。(意識して踏みとどまっているけど。)
 自戒も込めて、自分が良いと思っている

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ボードゲームのゲームデザイン:第1の柱「目的」

ボードゲームのゲームデザイン:第1の柱「目的」

この記事は、ボードゲームのゲームデザインにおける「目的」についてお話するものです。

第1の柱「目的」
おはようございます。I was game の上杉です。

このnoteでは、「ボードゲームのゲームデザイン」という名目で、現代的なボードゲームのゲームデザインについてお話していこうと思っています。

現代的なボードゲームに興味のある方、あるいは、ボードゲームを作ってみたい方向けの内容になるかなと

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パーティー系ゲームのコアシステムと得点や勝利について

パーティー系ゲームのコアシステムと得点や勝利について

この記事はBoard Game Design Advent Calendar 2020の9日目の記事として書かれました。

初めましてシラオサと申します。サムバディズペインというボードゲームサークルをやっています。

はじめにこの記事ではパーティー系ゲームのコアシステムと得点や勝利について考察していきます。

なぜ考察するに至ったかを説明しますと、ことの発端はゲムマ2020秋に自分が出したゲーム「

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オートチェスのアナログ化するには【チャレンジャーズ!】

オートチェスのアナログ化するには【チャレンジャーズ!】

先日、気になっていたチャレンジャーズ!をプレイさせていただきました。
『オートチェス系統のアナログ化』というテーマは(構想レベル、テストプレイレベルも含めて)気になっていたのでこの機会に考えをまとめてみました。

チャレンジャーズ! のゲーム自体のレビューが読みたかった人はコチラ がお勧めです

ルールやプレイ時の雰囲気が知りたい人はこちらがお勧め

プレイ状態 チャレンジャーズ
 紙:2023年

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ゲームデザイナー Saashi の仕事部屋〜2020年7月後半

ゲームデザイナー Saashi の仕事部屋〜2020年7月後半

Saashi & Saashi(サアシ・アンド・サアシ)のSaashiです。今回は2020年7月後半の何日かの分。週一でやるYouTubeライブの『深夜のジレンマラジオ』の間隔が身についてきつつあり、テストプレイはあまりしなかったが、細々としたことは進んでいた日々でした。

「ゲームデザイナーSaashi の仕事部屋」シリーズについて
京都でアナログゲームを作っているんですが、手書きで日記書くのが

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「リスクとリターン」とボードゲームとジレンマ

「リスクとリターン」とボードゲームとジレンマ

およそ1週間前の2022年8月24日、「星のカービィ」や「大乱闘スマッシュブラザーズ」を作られた桜井政博さんが、YouTubeチャンネルを開設されました。

「世界中のゲームの面白さを少しだけ底上げすること」を目的に知見を公開されるチャンネルであり、開設報告のツイートには5万といいねが付くほどの話題になりました。筆者はゲームはゲームでもボードゲームの同人制作者ですが、そのコミュニティーでも注目が集

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たった3時間で作るボードゲーム(ワークショップレポート)

たった3時間で作るボードゲーム(ワークショップレポート)

はじめまして!
ボードゲームデザイナーの明地宙と申します。

「たった3時間で作るボードゲーム」
と、なるべくキャッチーなタイトルをつけてみましたが、内容はイベントの振り返りです。
ボードゲーム制作に興味のある方は読み進めていただければと思います。

※500円とありますが、記事の全文は無料でご覧いただけます。この後で紹介するスライドの全データ版のURLのみ有料部分となっています。

◆記事作成に

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古典的作品論的ゲームデザインプロセス

古典的作品論的ゲームデザインプロセス

この記事はBoard Game Design Advent Calendar 2021の3日目の記事として書かれました。

はじめまして。反社会人サークルです。
これまで『この過労死がすごい!』『顧客が本当に必要だったものゲーム』といったカードゲームや、マダミス『スパイス工場殺人事件』などを作りました。最新作は『理解のある彼くんになろう!』です。

最近『カードゲーム制作を支える技術』という本を書

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ボードゲーム「バナナはおやつに入りますか?」のショートゲームルールを作った話

ボードゲーム「バナナはおやつに入りますか?」のショートゲームルールを作った話

こんばんは。

大晦日、いろいろなチャンネルをザッピングしながら書いています。

「バナおや?」はゲームマーケット2019秋で頒布しましたが、その際、試遊卓を設けさせていただき、来ていただいた人に声をかけてプレイをしてもらいました。

時間の関係上、フルゲームをしてもらうことはできないと考えていたので、回転率をあげるべく短縮版を考えました。

今日はそんなショートゲームのルール紹介です。

「バナ

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とある大学でゲームデザインについての講義をしました

とある大学でゲームデザインについての講義をしました

先日、僕がとある大学で講義をさせていただきました。
そのスライドをこちらに掲載します。

教授が僕の大学時代の先輩で、とある飲み会でゲーム作りの話をしていたら、是非講義してくれないかとのことで勢いでOKしてしまいました。

何を話すか悩みましたが、まずは作ってみてほしいと思ったので、ゲームつくりの最も基本的で、本質的なところだけを抽出した説明と、とりあえず作りながら考えるスタイルのゲーム作りを提案

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かさねる同時リバーシ せーのでツミクル デザイナーズノート

かさねる同時リバーシ せーのでツミクル デザイナーズノート

かさねる同時リバーシ せーのでツミクル( 以下ツミクル )は、2人専用の同時手番の対戦ゲームです。

・同時手番なので、先手後手の有利不利がない!
・同時手番による、相手との読みあいがアツい!
・重ねておかれたコマを、まとめてひっくり返して大逆転!
・バッティングチップで、盤面が変化する!

といった、通常のリバーシをはじめとするアブストラクトでは得られないエキサイティングなゲームです。

そんな

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新版 『ラララうちゅう』 ちょっとマニアックな制作記録

新版 『ラララうちゅう』 ちょっとマニアックな制作記録

こんにちは!ボードゲームデザイナーの山田空太です。

今回は、今秋発売予定の新作:新版『ラララうちゅう』の、ちょっとマニアックな制作過程の記録です。ルールやアートワークの細かなところについて書いています。

ゲーム概要につきましては、こちらのnoteをぜひどうぞ。

1. もともとのコンセプトのようなものとゲームのメカニクス
さて、新版の前に初版『ラララうちゅう』のことをちょっと書いておきます。初

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ボードゲームのメカニズム「ワーカープレースメント」をアブストラクトゲーム方面から再解釈してみる。

ボードゲームのメカニズム「ワーカープレースメント」をアブストラクトゲーム方面から再解釈してみる。

しばらくボードゲームの著作権関係のテーマが続きました。
今回は、おもむきを変えて書いていきます。

『ボードゲームメカニクス大全』2019年6月に発行された洋書『Building Blocks of Tabletop Game Design: An Encyclopedia of Mechanisms』。
この書籍をTableGames in the Worldの小野さんが翻訳して、2021年6月

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専業ゲームデザイナーとして最初の2年で学んだ4つのこと

専業ゲームデザイナーとして最初の2年で学んだ4つのこと

I was game の上杉(@dbs_curry)です。

10年間勤務した会社を2018年末に退職し、2019年からボードゲームのゲームデザイナーとして独立して事業を始めました。

この記事では、専業ゲームデザイナーとして最初の2年で学んだ4つのことについて書いていきます。

ゲームデザイナーとしての生活ゲームデザイナーは日々どのような生活を送っているのでしょうか。

これは「学んだこと」とい

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