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読書日記

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本を読んだ感想を交えた日記
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#言葉

盾・剣・薬・毒・夏

盾・剣・薬・毒・夏

さて、なにから書き始めればいいのでしょうか。今は初夏。強くなり始めた日射しが、あらゆるものを彩度高く染め上げています。風は花の香りを含み、海は鼓動のように浪を高く打ったのです。

ことば、というものについて考えます。ことばは自身や自身の大切な人を守るための盾として用いられることもある一方、自身や他者を傷つけるためのナイフとして用いられることもある。とはよく言ったものですが、さて、詩の言葉とはどちら

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初夏と海と詩と中原に関する雑記

初夏と海と詩と中原に関する雑記

例えば、好きな作家について書こうとすると、上手くいかない、というより何も浮かばない、ということがあると思います。はて、と頭を振ってみても何かが出てくる予感がない。しかし、その作家について感じていることは、ある。むしろそれが大きすぎるがゆえに、文章としてあらわすことができないというのが実情ではないでしょうか。

初夏となりました。いや、最近の暑いこと暑いこと、参ってしまいます。このようなときには海に

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手紙

手紙

春がやってきました。そちらはいかがお過ごしでしょうか。私はさむさあつさに翻弄されながらも、街中から溢れかえる生命力に喜んでいます。

季節とともに、私自身が変わっていく実感があります。さながら、春はダンスのような季節だと思います。冬の瞑想の時期を終えて、さあ、考えていたことを行動に移して、全身で世界を感じる時がきた、と胸を躍らせています。

桜はいつ咲くのでしょうか、はやく咲いてほしいと思う反面、

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稲妻のような真実を

稲妻のような真実を

まっしろなワードの画面、またはノートブックを前にすると、期待と緊張でピリッとします。それは畏れにもちかい感覚で、いちめんの積雪を前にした朝のようでもあります。

書くということは、彫り出すことにも似ていると思います。新雪のかたまりを彫っていって、いずれ美しい像が顕れると信じ、不可能にも思える挑戦に手を伸ばす。言葉で語り尽くせる範囲など限られているかもしれないのに。

しかし、そうして彫り出したもの

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爆発する星々について

爆発する星々について

 こんばんは。ただいまの時刻は18時16分です。「こんにちは」と「こんばんは」の間の時刻ですがそれに相当するあいさつの言葉はありません。空が暗くなったので、こんばんは。私は今日はなにを話しましょうか。しかしここでは血の滲むような文章をいくつも目にしてきました。本気で、命をかけて書かれたと思われることばたちを目にしてきました。あたまの下がる思いです。

 そうです、これは私の指標ですが、必然から書か

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