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東野たま
2024年3月30日 22:19
どうしても 落ちていくしかないどれだけ上に留まっていたいと願っても砂は落ち続けている今も落ち続けているやがて すべての砂が下に落ちきった時誰かがまたひっくり返すそれは その直後かもしれないし数万年後かもしれない最初に落ちた砂を見ていた砂は次の瞬間 落ちていったみんな落ちきったらまたひっくり返って最初の砂から落ちていくそんな砂の一握が念仏を聞いて仏になるという
Qio
2023年8月22日 06:03
#ポエトリーパーク910_ポエトリーセッション
和泉とし
2023年4月10日 20:08
見上げれば白い月満開に広がる桜の大木遠くの大銀山に映える桜詩人は見ている大銀山から届く冷たい風は桜を揺らす桜吹雪になる静かな大銀山の流れのままに桜吹雪白い月へも花びらは吹くそんな景色をいま詩人は息を飲み言葉にしようとしている
壱羽烏有
2023年7月13日 00:03
存在の底方にひらく穴あらはれの穴より来たる風は形となりて振る舞へば現世は実に神世なり静謐の尊び空白の敬ひ(なにも無い極みにひとは急須より落ちる最後のしづくを待つた)此処にあれかし
壱貫亨治
2023年7月12日 18:12
精一杯に生きてきた怠惰と焦燥の二枚舌で手ぶらのままの指先は巨大な見えざる掌に焦らされながら握り潰される精一杯に追いかけたあれが私の背中であろうと時には無謀な賭けに出てスリルは依存の脱力となり深夜の地面に幾度も接吻をする精一杯に逃げてきた決して弱みを悟らせはしないおどける飲み屋のカウンターで相手なんて誰だって構わない知らない方が救われるのだから精一杯になりた
2023年7月11日 18:08
水面に映る私の顔はどこか歪んでいた悲しい心が水面に見抜かれているそれでも沢の響きは私に優しいからもっと自分に優しく生きようそう願い水面に映る私をすくい上げて顔を洗うそしたら少し違った顔が水面に見えた少年のころに見た私のよう
2023年7月8日 06:28
結露した車窓心底の神路指一本の道を行く未知を行く開け地獄の底の神域のあるいは天の宮柱見よ雨の切先天の后蓮の花が咲いてゐる
2023年5月27日 09:28
わたくしの否!個の否!このいのちひろがりの生そうこの新緑響きあつてゐる生の世界ここに立つて初めて生きてゐる
syk999
2023年4月5日 22:31
まだ誰にも踏まれていない1日を彼女は無機質に歩くけれども白線の上をゆくとき見えない顔の下側が朝鳥の歌声のように愛くるしく揺れているように思えたちらと揺れる長いまつ毛の先に光のかけらが射し込んで目の下の薄く白い肌を照らす白線は一層白んでいよいよ谷底に落とさんとするけれどそんなのどうだっていい事のように彼女の脚は嬉しげに転がるのをやめない彼女の愁いが何なのかきっと
こくびゃく
2023年2月17日 23:26
なあ、知っているだろうが誰も言葉なんて見ちゃいない知らない音で溢れる世界でただみんな話したがっているだけなんだ生きていく必要が無ければ君を愛せたかもしれない夢に縋ってまだ現実は見なくていいだろう鉛筆で腕を突き刺すようなそんな気持ちを持っていて共感と恥が流れていく言葉が溢れかえった世界で誰も何も見えなくなる風の音のほうが雄弁かもしれない静けさを愛せたことはあるだ
風の種
2023年1月14日 07:20
ただ静かに愛である果てしのない肯定が存在という場の輝きの密度を増していく それは繊細で美しくしなやかで強い決して人を威圧することのない柔らかな力
大空ひろ
2023年1月13日 17:41
見つめ合う瞳の奥に瞬く光を見るのならそれはご縁の始まりその手と手を合わせ温かさが沁みるならそれは稀有の出会い
Bohk Yasai
2021年7月3日 20:08
愛が反逆になった夜雲が低く横たわりアスファルトは 太陽なのか月なのか 全然わからず海になびく白い憂鬱を永遠だけが抱きしめている反逆が愛になった夜ひとりの空は目指すところなく天地が分かたれたことを知らない死と虚構の花弁が生と真実の萼に包まれているだが、調和していない!純粋さの縦糸があの夜を覆い尽くした散り散りに裂けてしまってそれから生涯を共に行く躾を得る友よ、
2022年4月2日 06:51
波動声の素子米を研ぐ手の冷たさガラスは斑に曇っていた夢中で汚していたからその啖呵は円ですやさしいきみが知らない身体純粋よい誤読みずみずしい唇あらゆる殺伐を前に、芳醇をふかめる詩情音(は)ずれるちいさな犠牲生まれた憶えがない絶叫関節をもつ動物はよろこんで光になりたがっている見えないとでも?影は永眠する夜明け前に透過した果肉私という不足