くろい無花果

波動
声の素子
米を研ぐ手の冷たさ
ガラスは斑に曇っていた
夢中で汚していたから
その啖呵は円です
やさしいきみが
知らない
身体


純粋
よい誤読
みずみずしい唇
あらゆる殺伐を前に、
芳醇をふかめる詩情
音(は)ずれる
ちいさな犠牲
生まれた
憶えが
ない


絶叫
関節をもつ
動物はよろこんで
光になりたがっている

見えないとでも?
影は永眠する
夜明け前に
透過した
果肉



という不足
抜け落ちたのか
    それとも、
悔い改めたのか
 解は迸って

あふれる


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