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Alter Ego

愛が反逆になった夜
雲が低く横たわり
アスファルトは 太陽なのか
月なのか 全然わからず
海になびく白い憂鬱を
永遠だけが抱きしめている

反逆が愛になった夜
ひとりの空は目指すところなく
天地が分かたれたことを知らない
死と虚構の花弁が
生と真実の萼に包まれている
だが、調和していない!

純粋さの縦糸が
あの夜を覆い尽くした
散り散りに裂けてしまって
それから
生涯を共に行く躾を得る

友よ、我々の心が
ひとつところに集まり
燃えるような静謐で
生命の飛沫となることはないのだろうか

愛と反逆が雁行する夜
苦しみの窓は海をも切り取る
言葉のまるみにかぶりつき
その血の滴りを
感受性の刃に塗りたくる
実りの連なりだ!

愛と反逆の夜が
薄らいでいく空気の静まりから
太陽の到来を予感し始めるとき
すべからく死に行く我々に
寄り添うのは
孤独! 孤独! 孤独!

それら3つの孤独とは
恒久の友、我が内なる他者
悲哀と歓喜とがであい
わかれる
愛が反逆になった夜

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