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2021年8月の記事一覧

「詩人前夜」

「詩人前夜」

ろうそくの炎が揺れているような鼓動(こころ)
はじめて世界と向き合えたような夜

怖いものがたくさんあるけど
立ち向かってみようと震えた
あの季節みたいな夜

人生をかけて
自分を極めようとすると
宗教性を帯びる
帯びてくる
真理を求めることが宗教性と言うなら

ただ地上に生まれた命
そこにスタートラインがあって

人生をかけて
自分を極めようとすると
同時に社会性が欠乏する
欠乏してくる

既存

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理想狂

理想狂

歌は理想を紐解くか
たとえばそれが可能でも
米が無ければ盗人か
飢えて死ぬのが関の山

理想のために生きるのが
存在理由の名乗りでも
あちらを立てればこちらは立たず
兎角この世は世知辛い

理想に首をくくるのが
行動原理の生粋か
とはいえ罵声と野次馬の
世界はめでたく回るだけ

結局何にもしないまま
その日暮らしの風見鶏
いっそ丸ごと生き様を
理想と語って飛んで行け

生きていら

生きていら

生きているけど死んでれら
被害届けのサイン会
心の扉はQR

死んでいるけど生きていら
山で朽ち行く木の階段
ボトルキープのカウンター

生きているけど死んでれら
問わず語りのワイドショー
幻覚幻聴緑内障

死んでいるけど生きていら
歳を取らない免許証
焼いて撒かれた喉仏

生きているけど死んでれら
死んでいるけど生きていら
生きていらったら死んでれら

なんてな

なんてな

好きだよ
なんてな


なんてな

やっぱり嫌い
なんてな

嘘嘘
なんてな

ホントだよ
なんてな

繋ぐか?
なんてな

やっぱ離すか?
なんてな

つまらんな
なんてな

楽しいな
なんてな

やっぱり嘘
なんてな

行かなきゃ
なんてな

行かないよ
なんてな

嘘嘘
なんてな

バイバイ

2021.08.24
赤川由衣

「人生の解決策」

「人生の解決策」

フライ返しはナイロン制
熱に溶けたところがいっぱいで
デコボコ

シンクの調子は悪くて
水がたまりっぱなし
なんか違う

どこかの誰かがとぼけているのでしょうか

人生の解決策はビッグマネー
それとも惜しまない努力

still walking towards the exit
still walking towards the exit

生きている時代に楽になれないとわかったとき
魂もオークシ

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忘れる

忘れる

もう、いっそ。
すべてに光を注いでしまおう

我を忘れて

もう、いっそ。
すべてを忘れてしまおう

愛になって

寝転んで。

重さを感じる。

背中はまるで船底。

ふっくらと大地の海に浮かび上がる。

ゆらりふわりと広がる意識の中。

不意に生まれた感慨。

来たる紅潮

来たる紅潮

いずれにせよ
たましいは告白し続けていた
沈黙するのは言葉たちだけでよく
所定の枠からはみだすことのない躍動者は
意図せず聳つ孤高者を生み出した

ガス状の意思と光源が
我々の動脈と神経に乱交を強いる
すると
するりと狂おしくなってゆく
その上でなにか望みがあるのだろうか

すべての存在者は常に既に
まるみを帯びていた
その上で
律動する感性をもつことで
あの可愛い雌しべをひらいてゆけたらーー

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空想世界に生きている

空想世界に生きている

愛しい僕の心臓を、この手で握りつぶした
美しさとか何とか
僕に取り込まれる栄養でしかない

静寂に狂わされている
騒音に生かされている
そんな事実は知りたくなかった

全ては説明できてしまう
そのうち纏まって本屋に並ぶ

空白に耐えられないから
夢、ゆめ、夢

聞こえない声が聞こえる
誰かが僕を犯している
僕が罪を犯している音がする
ナイフを突き立てたくせに
被害者ヅラして血を見て泣いて吐いている

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みずからの後ろ姿を視る

みずからの後ろ姿を視る

☆photopos-2543  2021.8.24

じぶんの
後ろ姿は
見えないけれど

ほんとうは
わたしたちは
はるかな無限遠点に
みずからの
後ろ姿を幻視している

球の上をまっすぐ前に
ずっとずっと歩いていけば
やがておなじ場所に
逆方向から辿り着くように

いまここにある
前と後ろは
時空を超えて
次元変換されながら
つながっているのだ

だからわたしたちは
じぶんの姿を見るために

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星よりもかがやくとき

星よりもかがやくとき

まいても まいても 

どんなに まいても(!)

きみは ほとんど 芽を出さない

きみが 芽吹くのは

自分が決めた その場所だけ

(じゆうな木)「..... 畝間(うねま)が......いいの?」
(赤しそ)「ここがいいの! ここじゃなきゃイヤ!」
(じゆうな木)「.........(まあ、、、いっか!)」

畑の畝(うね)は、こうしてますますいろんなカタチに、、、。(^-^;

そこが 

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「Utaに愛されたい人」

「Utaに愛されたい人」

ようやく

染み込んできた歌詞

姫と呼ばれることに疑問を投げかけた彼女の声に乗って

幾層もある感性の奥に

しっとりと

心は止まりそうな予感

きっとこれは

釘付けね

生まれてきて

生きてきて

たどついたのはUta

生まれてきて

生きてきて

ふりしぼれるのはUta

許しを請いつづけるようにUtaを探して

神様が与えてくださることを信じて

Utaに浸ってきた

自分が何者か

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流砂

流砂

貴方が踏み行くこの地に吹くは
貴方を讃え煌めく 砂粒

王は行く 果てなき旅路
足跡は やがてかき消されても
忘れえぬ残像

風に流れゆく姿 麗しく

貴方が踏み行くこの地を這うは
貴方を運んでいく 流砂

王は行く 果てなき旅路
歌声は やがてかき消されても
忘れえぬ囁き

夜に霞みゆく姿 美しく

崇拝者は 跪き祈る
煌めく闇を持つ王の 永遠の栄華を
崇拝者は 跪き誓

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コンコンゴトゴト

コンコンゴトゴト

コンコン線路の遮断機が
お山の向こうで鳴いている

高架を走る終電の
車窓に絵本の読み聞かせ

暗い地平に浮かんでは
残像描いた走馬灯

ゴトゴト最後に手を振って
お山は静かに鳴いている

高架はベッドの枕元
車窓に頬杖ついたまま

暗い地平の在りし日も
瞳を閉じれば生きている

ファンファーレ

ファンファーレ

たからかに

宇宙のラッパ

わたしという点から広がる

ファンファーレ

軽やかに、高らかに。

どこまでも広がっていく意識。

いま、わたしが楽器なら、とてもいい音がするだろうな〜✨

湯船の中で、宇宙の息吹と通いあう感覚を味わっていたらそんなイメージがうかびました。